ATMを操作しても還付金はもらえません!!−「還付金詐欺」に関する相談が増えています−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
高齢者に対し自治体職員等のふりをして、「健康保険料の還付がある」、「医療費の払い戻しがある」、「税金の還付がある」などと言い、還付金の受取手続きのため携帯電話とキャッシュカード等を持ってATM(現金自動預払機)に行くよう誘導し、振り込みをさせようとする、いわゆる「還付金詐欺」に関する相談が、全国の消費生活センター等に多く寄せられています。
国民生活センターでは、これまで還付金詐欺に関する注意喚起(注1)を行ってきましたが、近年の還付金詐欺に関する相談件数の傾向や被害回復の困難さを踏まえ、被害の未然防止・拡大防止のため、改めて消費者に注意を呼びかけるとともに、関係機関に情報提供します。
- (注1)医療費などの還付金がATMで支払われることは絶対にありません!!−「お金が返ってくるのでATMへ行くように」は詐欺です−(2015年2月20日公表)
市役所職員をかたる還付金等詐欺が再び増加!−急かしながら、スーパーやコンビニのATMへと誘導する新たな手口−(2011年11月1日公表)
PIO-NET(注2)にみる還付金詐欺に関する相談件数
還付金詐欺に関する相談は、60歳以上の高齢者が当事者となる相談が大半であり、2012年度と2016年度を比較すると7倍以上に増加しています。なお、2017年度は2016年度の同時期と比べて相談件数は減少しているものの、依然として多くの相談が寄せられています。
図 還付金詐欺に関する相談件数および契約当事者(注3)が60歳以上の相談割合(注4)
(折れ線グラフは契約当事者が60歳以上の相談割合。ただし、割合の算出には、不明・無回答等を除いている。)
2012年度の相談件数は1,040件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は86.7%、2013年度の相談件数は2,154件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は93.9%、2014年度の相談件数は3,235件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は97.2%、2015年度の相談件数は5,059件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は96.6%、2016年度の相談件数は7,633件、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は96%、2017年度8月31日までの相談件数は2,177件(前年度同時期の相談件数は2,698件)、60歳以上の契約当事者が全体に占める割合は96.7%です。
- (注2)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。
- (注3)電話等がかかってきた当事者のこと。以下、資料中でも同様。
- (注4)2017年8月31日までのPIO-NET登録分。なお消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。また、本資料中に百分率での表記部分は全て小数点以下第二位を四捨五入している。
最近の相談事例
- 【事例1】
- 役所から約3万円の還付金があると連絡があり、ATMを指示されるまま操作をしたら約100万円の振り込みをしていた
- 【事例2】
- 役所より医療費還付の連絡の後に銀行からという電話の指示に従ったところ、ATMで約100万円振り込まされた
- 【事例3】
- 役所職員を名乗り「健康保険料の還付金がある」と電話があり、役所に確認したら「そのような職員はいない」と言われ、詐欺に気が付いた
- 【事例4】
- 税金の還付金が受け取れるとメールが届き、電子マネーで手数料を支払ったが還付金が振り込まれない
相談事例からみる還付金詐欺の手口の特徴
- 市役所などの公的機関の職員や金融機関の職員になりすます
- 「手続きの期間が過ぎている」などすぐに手続きをしなければならないかのように信じこませ、人目につきにくいATMへ誘導する
- ATMでは自分の口座からの振り込みではなく、自分の口座への振り込み手続きをしているかのように錯覚させる
- 振り込まれた金銭はすぐに引き出され、一度、振り込みの手続きをすると複数回振り込みをさせようとする
消費者へのアドバイス
- 電話で「お金が返ってくるのでATMに行くように」と言われたら、それは還付金詐欺です。そのまま電話を切るようにしてください
- 還付金等に心当たりがある場合でも、すぐにATMに向かったり、指示された電話番号に電話をかけたりせず、役所の担当部署に電話をかけて確認をしてください
- 全国各地で起きているため、今後も還付金詐欺に注意が必要です
- 「お金が返ってくる」など還付金詐欺に関する電話があった場合は、すぐに警察や消費生活センター等に電話するなど、周囲に相談をしてください
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 警察庁 刑事局 捜査第二課 特殊詐欺対策室(法人番号8000012130001)
- 一般社団法人全国銀行協会(法人番号1010005016782)
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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