日本の法律は関係ないと主張する海外マルチ事業者とのトラブル−契約先は海外!?人を紹介すれば儲かると言われたのに…−
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
スマートフォンやインターネットの普及で海外事業者とマルチ取引で契約することが簡単になりました。消費者はSNS等を通じた日本人からの勧誘や、インターネット上の投稿・動画をきっかけに海外事業者と契約することも多くなっています。
全国の消費生活センターには、勧誘者が日本人であることに安心して、契約内容やリスクを十分に認識しないままにサービス等をインターネットで申し込み、海外事業者と思わぬ解約トラブルとなったという苦情が寄せられています。海外事業者との契約であっても、日本で契約した消費者は、特定商取引法上のクーリング・オフ等を主張できる場合があります。しかし、海外事業者の中には日本の法律は関係ないと主張し、解約等に応じないケースも目立ちます。
今後、同様のトラブル発生が懸念されます。そこで、最新の相談事例を紹介し、トラブルの拡大防止のため、消費者に注意を呼び掛けるとともに、関係機関に要望と情報提供を行います。
海外事業者とマルチ取引で契約したが解約トラブルになるイメージ
海外事業者とマルチ取引で契約をする
消費者対応が国内事業者と異なることも
クーリング・オフや解約を求めると…簡単に返金されない
- 消費者は、「スマホひとつで誰でもできる」「初期費用はかかるがそれ以上に稼げる」等の事実と異なる説明や、根拠等を示されることなく「今後、日本で事業を拡大する」等の説明を受けて契約しています。日本人から日本語で勧誘されることで安心し、外国語の申込画面であっても勧誘者が代わりに登録してくれるので、簡単に契約できています。
- しかし、契約先が海外事業者の場合、トラブル時の問い合わせ先は海外事業者となります。事業者に連絡しても回答が外国語だったり、日本語の対応窓口や国内の問い合わせ窓口がなかったりするため、交渉が困難となることがあります。
- 海外事業者の中には、日本の法律ではなく事業者が所在する外国の法律に準拠する等と主張し、消費者が解約を申し出ても、2〜3日間等の不当に短い期間しかクーリング・オフを認めないケースや、解約に全く応じないケースがあります。
相談事例
- 【事例1】
- SNSで稼げるという投稿を見てマルチ取引に参加したが儲(もう)からない
- 【事例2】
- 人を紹介すれば会費が無料になる旅行クラブ会員になったが解約できない
- 【事例3】
- 紹介マージン等が得られ儲かると勧誘された、海外サイトとの代理店契約をクーリング・オフしたい
相談事例からみる特徴と問題点
- すぐに解約を申し出たとしても、海外事業者がクーリング・オフ等の解約に応じない
- 簡単に儲かるかのような勧誘や契約内容の説明不足がある
- 契約するサービスの実態や利益を得られる仕組み等を理解することが難しい
- 海外事業者の問い合わせ窓口が国内になく、交渉等が困難な場合がある
消費者へのアドバイス
- 簡単に儲かる等の説明をうのみにせず、書面等で契約内容をきちんと確認しましょう
- 海外事業者の問い合わせ窓口の有無や日本語対応しているか等を事前に確認しましょう
- 「必ず儲かる」等の不実のことを伝えて勧誘してはいけません
- トラブルになった場合は消費生活センターなどに相談してください
要望先
- 消費者庁 取引対策課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課(法人番号5000012010024)
- 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官(法人番号8000012130001)
- 経済産業省 商務流通保安グループ 商取引監督課(法人番号4000012090001)
- 経済産業省 商務流通保安グループ 消費経済企画室(法人番号4000012090001)
- 公益社団法人日本訪問販売協会(法人番号5011105005424)
- 一般社団法人日本クレジット協会(法人番号1010005014126)
- 日本クレジットカード協会(法人番号9700150005109)
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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