光回線サービスの卸売に関する勧誘トラブルにご注意!
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
平成27年2月1日より、東日本電信電話株式会社(法人番号 8011101028104)および西日本電信電話株式会社(法人番号 7120001077523)(以下、NTT東西とする)が光回線サービスの卸売を開始しました。これにより、NTT東西から光回線サービスの卸売を受けた異業種からの新規参入を含む多くの事業者(以下、光コラボレーション事業者とする)が、卸売を受けた光回線とプロバイダーや携帯電話等を組み合わせた独自のサービスを、様々な料金や契約形態で消費者に提供しています。消費者にとっては契約先の選択肢が増えましたが、その一方で、卸売を受けた事業者の勧誘時の説明不足等に伴い、全国の消費生活センターには、「現在契約している大手電話会社のサービス変更だと思って話を聞いたら、関係ない事業者との新たな契約になっていた」「契約に必要な手続きをした覚えがないのに、他の事業者への乗り換えが完了していた」「安くなると言われて契約したのに、知らないオプションを契約させられて今より高くなった」等の事例や、消費者が光回線サービスの卸売について十分な理解がないまま契約してトラブルになってしまった事例が寄せられています。
そこで、最新の相談事例を紹介し、トラブルの未然防止、拡大防止の観点から消費者に注意を呼びかけると共に、関係機関へ要望および情報提供を行います。
- (注)NTT東西から光回線サービスの卸売を受けた事業者(光コラボレーション事業者)が提供する光回線サービスのことを「光卸」とする。
図1.相談件数の推移
(2016年1月31日までの登録分)
2015年1月の相談件数は4件、2015年2月の相談件数は74件、2015年3月の相談件数は282件、2015年4月の相談件数は460件、2015年5月の相談件数は629件、2015年6月の相談件数は861件、2015年7月の相談件数は809件、2015年8月の相談件数は927件、2015年9月の相談件数は1210件、2015年10月の相談件数は1374件、2015年11月の相談件数は1257件、2015年12月の相談件数は1080件、2016年1月の相談件数は453件です。
光卸とは
光卸とは、光コラボレーション事業者が提供する光回線サービスです。光回線および光電話(IP電話)等オプションサービス、プロバイダー等の光コラボレーション事業者独自サービス等を組み合わせる等して消費者へ提供しており、このモデルを「光コラボレーションモデル」といいます(図2)。
図2.光卸に関する契約関係の変化(例)
◆NTT東西との契約の場合
◆光コラボレーション事業者との契約の場合
消費者とNTT東西の間に、光回線の契約関係はない(※)
- (※)光コラボレーション事業者が、NTT東西が提供している光電話等のオプションサービスを提供していない場合は、当該オプションサービスは消費者とNTT東西との契約になる。
また、光コラボレーション事業者が更に別の事業者に光回線の卸売を行っている場合もある。
相談事例
- 【事例1】大手電話会社を名乗った勧誘で、てっきり新プランへの変更だとばかり思っていた
- 【事例2】光回線サービス以外の既契約のサービスが解約になることの説明がなかった
- 【事例3】料金や速度が勧誘時の内容と異なるので解約を申し出たら、高額な費用を請求された
- 【事例4】携帯電話と同時に光回線を契約したが、説明が誤っていた
- 【事例5】誤った説明で固定電話の番号が引き継げなかった。セットで契約した携帯電話は中途解約扱いとなり、解約金を請求された
相談事例からみる問題点
- 契約先が変わることを消費者に認識させていない
- 勧誘時の説明と請求された料金が異なる
- 勧誘時の説明と、実際の月額料金が異なる
- 月額料金以外に発生する料金の説明が不十分
- 誤った説明により、消費者が望んでいた利用環境が整備できない場合がある
消費者へのアドバイス
光卸はNTT東西との契約ではなく、光コラボレーション事業者との新たな契約であることを理解しましょう
- 現在の契約内容を確認しましょう
- 契約先の事業者名やサービス名等、光卸の契約内容を確認しましょう
- 現在の契約内容と光卸の契約内容を比べた上で、検討しましょう
- トラブルになった場合は、最寄りの消費生活センターに相談しましょう
要望
行政への要望
総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課(法人番号 2000012020001)
電気通信事業者等に対し、光卸の販売勧誘等を行う際は、特に契約関係や、現在の契約が解約になること、今後発生する月額料金や契約期間、解約料等を含めた注意点等についても説明が徹底されるよう指導することを要望します。
あわせて、光卸の勧誘において、サービス内容や契約先の変更等に関する説明不足等が原因となりトラブルが急増している実態を鑑み、市場の健全化、消費者被害防止の観点から、電気通信事業法第26条の規定に違反した電気通信事業者および代理店等に対する行政指導等の対応を継続的に行うことを要望します。
業界団体への要望
電気通信サービス向上推進協議会(法人番号 なし)
光卸に関する相談が急増していることを鑑み、「電気通信事業者の営業活動に関する自主基準及びガイドライン」に基づき、加盟事業者が、消費者へ光卸の販売勧誘等を行う際は、契約関係や、今後発生する月額料金や契約期間、解約料等を含めた注意点等についての説明を徹底し、また、転用を伴う際には、現在契約しているサービスの解約が必要となる等について注意喚起を行い、消費者が十分に理解した上で、主体的に選択ができるよう、加盟事業者に対して周知徹底することを要望します。
あわせて、加盟事業者が行う勧誘に対して自主基準違反の疑義がある場合には、事実関係の調査を行いつつ、業界として消費者への啓発を含め、苦情の減少に向けた取り組みを行うことを要望します。
一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(法人番号 2011005006137)
携帯電話販売店の店頭における販売において、サービスに関する正確な情報に基づき消費者にサービスの特性や注意点等の丁寧な説明を行い、消費者が主体的にサービスの選択ができるよう、加盟事業者に周知徹底することを要望します。
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課 (法人番号 5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局 (法人番号 2000012010019)
- 総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 事業政策課 (法人番号 2000012020001)
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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