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[2015年5月21日:公表]

高齢者が支払えなくなるまで次々に販売するSF商法−支払い金額の平均は170万円にも!−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 SF商法(注1)の次々販売、過量販売に関する相談件数が増加しています。

 「SF商法」とは、短期間の間に「閉め切った会場等に人を集め日用品等をただ同然で配って雰囲気を盛り上げた後、販売業者の売り込もうとする高額な商品を展示して商品説明を行い、来場者にその商品を購入させる」など、会場の雰囲気で催眠状態となった来場者に高額な商品を販売することといわれています。

 しかし、最近では、数カ月以上と長期にわたって販売会が開催される中で、無料や安価に販売される日用品を目当てに会場に通い続ける高齢者に対し、販売員が個別に声を掛けて高額な商品の購入を勧めるといった手法も見られるようになりました(注2)。この手法では、長期間開催されているために高額な商品を次々に購入し、支払いに不安を感じるようになってから、高齢者や周囲が次々販売に気付く例が目立ちます。SF商法での主な契約者は高齢者であり、孤独、判断能力の低下といった、高齢者特有の問題が関係してくるため、事態はさらに深刻です。支払った金額の平均は170万円にもなり、中には、老後の資金を崩してまで商品を購入する高齢者の例もあります。

 そこで、高齢者がSF商法でトラブルに遭わないための注意点等について情報提供します。

  • (注1)SF商法の「SF」は、最初にこの商法を行った業者(新製品普及会)の略称に由来する。
  • (注2)こうした販売方法も、(1)ただ同然の日用品で客を誘引していること、(2)大勢の来場者が説明を聞いて盛り上がるという特殊な状況下ないしその影響が残っている状況下で商品の勧誘を受けること、(3)会場に通い続けるためには勧められた商品を買わなくてはいけないというような雰囲気にしていること等から、契約にあたって本人の自由意思が事業者の態様や会場の雰囲気等によって阻害されており、SF商法の一つとして考えられる。

相談事例

【事例1】
無料の商品を目当てに通っていたら2カ月で500万円以上契約していた
【事例2】
4年間にわたり、500万円以上のサプリメントを購入した
【事例3】
チラシを見て健康講座に通い、体に良いという健康食品を購入した
【事例4】
物忘れが激しい母を業者が車で迎えに来て、次々販売していた

相談事例からみられる問題点

  1. 高齢者を粗品配布や楽しい話で会場に集め、長期的に会場に通い続ける中で高額な商品を次々に販売しようとする
  2. 高齢者が支払い困難になるまで過量に販売する。平均支払い金額は100万円を超える
  3. 判断能力が十分ではないと思われる消費者に販売している例も
  4. 周囲の人は心配しているが、高齢者からの訴えは少ない

消費者へのアドバイス

高齢者の方へ

  1. 安易に会場に近づかないこと。勧誘されても不要な商品の購入はきっぱり断りましょう
  2. 大切な老後の資金を取り崩してまで購入が必要か考えましょう

家族や周囲の方へ:高齢者に寄り添った話し合いを心掛けてください

  1. 高齢者の話を頭ごなしに否定したりせずに、高齢者の話に耳を傾けましょう
  2. 認知症の場合には、成年後見制度の利用も検討しましょう

トラブルになった場合には消費生活センターに相談しましょう

情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 消費者庁 取引対策課
  • 内閣府 消費者委員会事務局

本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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