独立行政法人国民生活センター

検索メニュー

×閉じる

現在の位置:トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 店舗型とは違います インターネットで申し込む宅配クリーニングのトラブルにご注意!

ここから本文
[2015年3月5日:公表]

店舗型とは違います インターネットで申し込む宅配クリーニングのトラブルにご注意!

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 クリーニングに関する相談は昨年度でも6,000件を超えていますが、店舗数は減少傾向で、相談件数も減少傾向にあります。そんな中で、インターネットで申し込む形態でのクリーニングの相談が増加しています。中でも衣類の受け渡しに宅配業者を利用するいわゆる宅配クリーニングと呼ばれるタイプ(以下、「ネット宅配型」)の相談が目立っています。このタイプは店舗を構えるクリーニング(以下、「店舗型」)とは違い、消費者と事業者が直接対面しない形態であることが原因と考えられるトラブルが生じています。

 そこで、トラブルの防止の観点から苦情事例の傾向などをまとめ消費者に情報提供することとしました。

 なお、厚生労働省ではこのような相談について、2014年7月、各地方自治体の関係部署に消費者保護の観点からの通知を出しています。

PIO-NETにおける相談件数の推移

 クリーニングに関する相談件数は年々減少しています。一方、クリーニングのうち、インターネット通販に関する相談は2009年度17件だったのに比べ2014年度は156件と9倍以上に増加しており、特に今年度は既に前年度の3倍近くとなっています。

図 クリーニングのインターネット通販に関する相談件数(注)
2009年度から2014年度の年度別相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。
(2015年1月31日までの登録分)

 2009年度の相談件数は17件、2010年度は17件、2011年度は40件、2012年度は57件、2013年度は56件、2014年度は156件です。2013年度の2014年度と同時期の相談件数は48件です。

  • (注)ここでは通信販売のうちのインターネット通販を集計している。「インターネット通販に関する相談」には「インターネットを見て申し込んだ」等も含まれている。

相談事例

【事例1】
宅配の保管サービス付きクリーニングに出した。引越しのため、送付先の変更の連絡をしたところ、受け取っていないと言われた。その後再度事業者が調べたところ紛失したようだ。連絡が来ず、対応が悪い。
【事例2】
ワンピースのクリーニングを依頼したつもりが、パーティードレスだと判断され、5倍以上の金額の請求をしてきた。キャンセルを申し出ても応じない。
【事例3】
2、3週間で返却と言われたが戻って来ないため連絡したところ、半年かかるというので早急に対応するよう依頼した。戻ってきたダウンジャケットの袖口の汚れが落ちていないので苦情を言ったが対応しない。
【事例4】
ドライクリーニング不可なのに行って生じたクリーニング事故について自社の規約で補償上限額が1万円と言われた。
【事例5】
紛失事故で問い合わせたところ、録音テープでネットで問い合わせるように言われたのでネットで問い合わせたが連絡が来ない。

相談内容からみる問題点

確認が不十分

 店舗型では、消費者とクリーニング業者の衣類の受け渡しが同時に行われますが、ネット宅配型クリーニングでは、事業者の確認体制が不十分なことにより、紛失のトラブルが起きています。他にも「まとめてクリーニングを依頼したところ、一部が戻ってこない」といった相談も寄せられています。

非対面で交渉が困難

 衣類の種類にかかわらず「○○点で○○○円」「1袋で○○○円」という価格設定の事業者もありますが、衣類の検品の際に一方的に種類、価格などを設定されてしまい、しかも解約困難といった相談が寄せられています。
 クリーニング後でもまだ汚れが残っていた場合、店舗であれば消費者が出向いて、実物を見せて交渉することができますが、ネット宅配型クリーニングでは事業者が遠隔地のケースも多く、直接出向いて消費者が交渉することが難しくなっています。

その他

 衣類のき損や紛失と言ったクリーニング事故において、事業者独自の賠償基準による対応のためトラブルになっているものが目立ちます。
 それ以外にも事業者に連絡しようとしたところ「メールで問い合わせてほしい」や「その後連絡が取れなくなった」などといった相談も寄せられており、事業者の苦情対応に問題がある事例が見受けられます。

消費者へのアドバイス

  1. 店舗型クリーニングとは違う部分があることを認識したうえで利用するかどうか決める。
  2. 利用する際には契約内容や事業者の連絡先、賠償基準の内容などを十分確認する。
  3. クリーニング方法やしみ抜きの箇所など、詳細を整理し、できる限り事業者と情報共有しておく。

情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 内閣府 消費者委員会事務局
  • 厚生労働省 健康局 生活衛生課
  • 全国クリーニング生活衛生同業組合連合会
  • 全国クリーニング協議会

本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について