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[2021年10月28日:公表]

自宅を訪ねて来た不動産業者から自宅を売却してほしいと勧誘されましたが、売却する時にはどんなことに気をつけたらよいでしょうか。

質問

 自宅を訪ねて来た不動産業者から「自宅を当社に売却してほしい」と勧誘されました。高齢なので、自宅の処分もいずれ考えなければと思っていますが、自宅を売却するとしたら、どんなことに気をつけたらよいでしょうか。

回答

 不動産の取引は、必要な手続きも多く、複雑なしくみになっていることもあります。「自宅を売却してほしい」という勧誘を受けても、言われるままに契約せず、取引の内容をよく確認しましょう。自宅を売却してしまった場合、無条件で契約を解除することはできません。契約の内容を理解しないまま、安易に契約しないようにしましょう。

解説

 不動産の売買に関しては、宅地建物取引業法(以下、宅建業法)においてさまざまな規制がされています。消費者が宅地建物を事務所等以外の場所で購入する(買主となる)場合には、宅建業法第37条の2に定める申し込みの撤回等(いわゆる「クーリング・オフ」)ができますが、「宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について」と限定されているため、消費者が不動産を売却する(売主となる)場合にはクーリング・オフはできません。このように、消費者が不動産の買主となる場合には適用される消費者保護規定が、売主となる場合には適用されないことがありますので注意が必要です。

 また、自宅を不動産業者に売却する契約をして、手付金を受け取っていると、契約を解除するためには手付金の倍額を不動産業者に支払う必要があります(いわゆる「手付倍返し」)。また、多くの場合、手付倍返しによる契約の解除ができる期間は限られており、その期間を過ぎると、契約を解除するためには違約金を支払わなければならなくなります。不動産の取引は高額な取引であることが多く、手付金や違約金の額も高くなってしまうことがあるため、注意が必要です。

 自宅を売却する際は、どのような契約内容になっているのか、誰にいくらでいつ売却するのかなど、よく確認するようにしましょう。不動産業者の説明を聞いたり書類に目を通したりしても、よくわからないことや納得できないことがあるときは、それらが解決するまでは契約しないようにしましょう。

 また、特に高齢者の場合には、契約する前に、家族や友人等の信頼できる人に相談し、できるだけ一人で対応しないようにしましょう。

 お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。

参考