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[2021年6月14日:公表]

親の承諾なく未成年者が高額な包茎手術の契約を結んでしまった。取り消しができますか

質問

 包茎の相談をしたいと思い、インターネットで包茎手術5万円と記載されていたクリニックに無料相談の予約をした。当日、クリニックの担当者から「早めに手術を受けたほうがよい」と言われ、断ることができず、手術代金50万円の契約を結び、そのまま手術を受けることになった。無料相談に行っただけなのに、親の同意もなく手術を受けてしまった。未成年者契約の取り消しをしたい。

回答

 未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には、民法で定められた未成年者取消権によってその契約を取り消すことができます。

 なお、民法改正により、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられます。

解説

 未成年者(民法第4条)が、法定代理人(親権者又は後見人)の同意を得ないで行った契約の申し込みは、原則として取り消しができます(民法第5条第1項、第2項)。しかし、未成年者が法定代理人の同意を得て申し込みを行った場合(民法第5条第1項)など、以下の場合には、申し込みの取り消しは認められません。

処分を許された財産等

  • 法定代理人が目的を定めて処分を許した財産、あるいは、法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産(民法第5条第3項)の範囲で取引をした場合
  • 単に権利を得、義務を免れるべき法律行為(民法第5条第1項ただし書)である場合
  • 営業を許可された場合の営業に関する財産行為(民法第6条)である場合
  • 未成年者が婚姻している場合(民法第753条)

未成年者が詐術による申し込みを行った場合(民法第21条)

  • 未成年者が相手を誤信させる目的で、成年者であると伝えることにより相手を信用させて契約した場合
  • 未成年者が相手を誤信させる目的で、法定代理人の同意を得ていないにもかかわらず同意を得ているなどとうそをつくことにより相手を信用させて契約した場合

 お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。