ガソリンスタンドで「このままでは危険」と突然、タイヤの交換を勧められた
質問
ガソリンスタンドで給油したところ「タイヤの溝がすり減っていて、このまま走り続けると危ない。今すぐタイヤ交換が必要」と、その場での交換を勧められました。不安になって、勧められるままに交換してしまいましたが、高額だし、本当に必要があったのかどうか疑問に思います。
回答
タイヤの交換は、ディーラー(メーカー系列の販売店)、タイヤ専門ショップ、整備会社などでもできます。タイヤ交換の必要性があったとしても、急がされてその場で契約すると、トラブルにつながる可能性があるため、複数の業者に必要性と価格を確認し、比較検討してから依頼しましょう。
なお、キズやひび割れ、溝の深さの程度が交換の目安になります。自分でも可能な限りで確認してみるとともに、日頃から定期的な点検を欠かさないようにしましょう。
解説
ガソリンスタンドでの給油をきっかけに、タイヤ等を「交換しないと危険」と言われ、不安を感じてその場で契約して交換したものの、なじみのディーラーに後日たずねたところ「必要性は疑わしい」と言われたという相談が寄せられています。
タイヤの交換は、ガソリンスタンド以外に、ディーラー、自動車用品量販店、タイヤ専門ショップ、自動車整備会社などでもできます。交換を勧められた場合は具体的な根拠について説明を求めるとともに、日頃定期点検や車検を依頼して車両状態を知っているディーラーや整備会社等の意見を聞き、交換・修理するか否か、行う場合はどの事業者と契約するかを比較・検討しましょう。
タイヤ交換の目安
タイヤはゴム製品であり、走行距離数の影響を受けるほか、使用していなくても製造から長期間経過したものは経年劣化を起こし、本来の性能を発揮できなくなります。交換時期はスリップサイン(注1)が出た場合のほか、タイヤの接地面や側面にカーカスコード(タイヤの中にある骨格部分)に達しているキズ・ひび割れなどが見えていた場合、製造から10年以上経過した場合などです(注2)。自分でも可能な範囲で確認してみましょう。
なお、タイヤの側面には、アルファベットとともに、4桁の数字が示されており、並び順から次のように読み取ることで、製造年週が分かります。
例:ABC 0420
- ABC:メーカー(工場)等を示すアルファベット(必ずしも3文字ではない)
- 04:製造週/1月からカウントし、04であれば第4週となる
- 20:製造年/西暦下2桁を示しており、20であれば2020年となる
- (注1)すり減りによりタイヤの溝の深さが1.6ミリ以下になると現れる溝の途切れで、タイヤ横にある△マークを見ることで位置を確認することができる。
- (注2)また、使用開始から5年以上経過したタイヤについては、タイヤ販売店等での点検を受けることが推奨されている。
タイヤ交換の必要性が疑わしい場合
真実に反して「溝が大きくすり減っていてこのまま走ると危ない。タイヤ交換が必要である」と告げられて、新しいタイヤを購入した場合は、契約を取り消すことができる可能性があります(消費者契約法4条)。
自分でできるタイヤの点検項目
車の部品は、走行や時間の経過に伴って知らない間に劣化・摩耗しています。安心してドライブを楽しむためにも日常点検をしっかり行いましょう。
タイヤの点検項目は3点です。
- 1. 空気圧
- 走行前のタイヤが冷えているときに、接地部のたわみ具合を目で見て判断します。たわみ具合で判断できない場合、エアゲージやガソリンスタンド等で点検し、指定空気圧を下回ることがないようにしましょう。指定空気圧は車によって異なり、運転席やドア開口部などにシールで表示されています。
- 2. キズ・ひび割れ
- タイヤのキズやひび割れの有無を目で確認するとともに、タイヤの溝部にかみ込んだ小石等を発見したときは、きれいに取り除きましょう。なお、くぎや金属片等が刺さっていた場合は、タイヤ販売店等にご相談ください。
- 3. 溝の深さ
- 不足がないかをスリップサインなどにより点検します。スリップサインが現れたら必ずタイヤを交換しましょう。
お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。