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[2020年3月23日:公表]

給湯器を自然冷媒ヒートポンプ給湯器にしたらお風呂の水が青くなった

質問

 自宅の給湯器を自然冷媒ヒートポンプ給湯器(注)に取り換えてから、お湯の色が青く見えるようになりました。不安ですがどうすればよいでしょうか。

  • (注)自然冷媒ヒートポンプ給湯器とは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす機器のこと。空気の熱を熱交換器で冷媒(CO2)に集め、その冷媒を、電気エネルギーを使って圧縮機でさらに高温にし、その熱を利用してお湯を沸かすものです。電力会社やメーカーなどでは「エコキュート」の愛称で呼ばれています。

回答

 お風呂の水が青く見える原因としては、給湯器や配管などの銅製部分から溶出する「銅イオン」とせっけんなどに含まれる成分が反応してできる「銅せっけん」によるもの、もしくは光の反射の二つが考えられます。さらに、自然冷媒ヒートポンプ給湯器の場合、一般的な給湯器と比べて銅イオン濃度が高くなる傾向にあります。銅イオンは大量に摂取しない限り問題はないと言われていますが、念のため浴室、浴槽内をこまめに清掃しておくとよいでしょう。

解説

 住宅リフォームなどをきっかけとして「ヒートポンプ給湯器を設置後、浴槽に青い付着物がつくようになった」「風呂給湯器交換後、浴槽に出るお湯が青く見える」といった相談が全国の消費生活センター等に寄せられています。

 お風呂の水が青く見える現象の原因と考えられる「銅せっけん」は、給湯器や配管などの銅製部分から溶出する「銅イオン」と、せっけんや人のアカに含まれる「脂肪酸」が反応して発生します。この「銅せっけん」がさらに空気に触れると青くなり、浴室、浴槽内に付着、蓄積すると青色が目立つようになるのです。特に、自然冷媒ヒートポンプ給湯器に多く見られるような貯湯タンクのある給湯器の場合、銅と水との接触時間が長く、銅イオン濃度が高くなる傾向にあると言われています。なお、「銅せっけん」は水に溶けない性質のため、水そのものが青くなっているわけではありません。「銅せっけん」が付着した部分の青色が、あたかも水が青くなっているように見せているのです。

 もう一つの原因としては、光の反射が考えられます。これは、海の水が青く見えるのと同じ理由で、水に光を当てると赤い光が吸収されて青い光が散乱されるため、水が青く見えるのです。

 銅せっけんの発生を防ぐには、浴槽内、タイルなどを毎日清掃し、せっけんなどに含まれる脂肪分をきれいに洗い流すことが効果的です。また、脂肪分を含むせっけんからボディーシャンプー(脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムを含まない合成洗剤系のもの)に替えることでもこの現象が改善される可能性があります。

 一般社団法人日本銅センターによると、銅イオンは大量に摂取しない限り健康に問題はないということですが、この現象が発生している場合、浴室、浴槽内が不衛生な状態になっている可能性もあるため、こまめに清掃して清潔に保っておくとよいでしょう。気になる場合は給湯器設置業者や給湯器メーカーにも問い合わせてみましょう。

 お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。

参考