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[2016年9月28日:公表]

生命保険会社から借りたお金の利息がふくらみ、保険契約が失効になると言われた

質問

 10年以上前に、まとまったお金が必要となり、契約していた貯蓄型生命保険の返戻金で賄おうと解約を依頼しましたが、解約すると損だと言われ、解約せずにお金を借りました。これまでに一部は返済していましたが、保険会社から、「利息が借りた金額に迫っておりこのままだと保険が失効になる」との連絡がありました。なぜこんなことになったのでしょう?

回答

 生命保険会社から「契約者貸付」を利用してお金を借りた際の利息が複利であり、年々、元金と利息の合計額(元利金)がふくらんでいったためです。元利金が生命保険の解約返戻金の額を超えた場合、保険契約が失効になることがあります。契約者貸付を利用した場合は、返済状況の把握を怠らないようにしましょう。

解説

 生命保険の「契約者貸付」は、解約返戻金の一定の範囲内で保険会社からお金を借りることができるもので、保険の保障や配当金は契約通り受けられます。

 一般的に、借りたお金(貸付金)の利息は複利で計算されますので、利息は毎年元金に繰り入れられ、元金と利息の合計額(元利金)は年々ふくらみます。また、貸付金には決まった返済日がなく、生命保険の保険期間中のいつでも全部または一部を返済できるとされています。

 このため、返済の計画などをしっかりと立てないまま安易に利用してしまうと、元利金が年々ふくらんでしまい、返済に困ることになりかねません。

 貸付金の元利金が生命保険の解約返戻金の額を超えた場合、生命保険会社から通知された金額を所定の期日までに払い込まなければ、保険契約は失効してしまいます。

 契約者貸付を利用する際には、貸付が受けられる金額や金利はもとより、気になる点や疑問点は必ず保険会社や担当者に確認しましょう。お金を借りた後は、こまめに返済額などを把握することが重要です。

 保険会社からは、契約内容や貸付金に関して『ご契約内容の確認』といった重要な通知が届くので必ず目を通し、気になるところは担当者や保険会社に確認するなどして、決して放置しないようにしましょう。

参考