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[2020年12月17日:公表]

エアーベッドの空気漏れに注意

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 内蔵された電動ポンプで空気を充填するエアーベッドに関する相談が、近年急増しています。PIO-NET(注1)では2015年4月〜2020年10月の5年間あまりに、エアーベッドに関する相談が442件寄せられており、約7割が空気漏れに関する相談でした。そのうち、空気漏れに関連した危害・危険事例は9件見られ、「空気が漏れて身動きができなくなった。」、「空気が漏れて転げ落ちけがを負った。」といった内容でした(注2)。

 当センターにも、エアーベッドの空気漏れに関するテスト依頼が消費生活センターから寄せられています。

 そこで、主に空気漏れに関する事故事例の再現テストを行い、エアーベッドの使い方について消費者へ情報提供することとしました。

写真1.空気を充填していない状態(一般的なエアーベッドの外観の例)
一般的なエアーベッドに空気を充填していない様子

写真2.空気を充填した状態(一般的なエアーベッドの外観の例)
一般的なエアーベッドに空気を充填した様子

  • (注1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのことです。
  • (注2)2015年4月以降受付、2020年10月28日までの登録分(消費生活センター等からの経由相談は含まれていません)。
    件数は、本公表のために特別に事例を精査したものです。

PIO-NETに寄せられた情報

  • エアーベッドに関する相談件数は2016年度から急増しています
  • エアーベッドの販売購入形態は、9割以上が通信販売でした
  • 相談者の年齢は60〜80歳代が多く見られ、男性からの相談が約6割でした
  • 相談内容は7割が空気漏れに関する相談で、そのうち3割弱が、最初の使用時から空気が漏れていた可能性がある相談でした
  • エアーベッドの空気漏れが原因と考えられる危害・危険事例が9件見られ、そのうち5件が、空気が漏れてバランスを崩したり、エアーベッドから転落した事例でした

テスト結果

エアーベッドの空気圧

  • エアーベッドの空気圧は電動ポンプを停止させた直後が2.2〜2.8kPaと最も高くなりますが、60分ほどで急激に低下し、それ以降はゆっくりと低下し続けました
  • 電動ポンプを取扱説明書に表示された運転時間よりも約1分〜1分30秒長く運転すると、空気圧は約20〜30%高くなり、エアーベッドは丸みを帯びた状態となりました

エアーベッドに対する突き刺し試験

  • シャープペンシルや爪楊枝によってエアーベッドに穴が開く力は、カップ飲料にストローを刺すのに必要な力より小さいことが分かりました
  • 植毛加工されたベッド上面は0.5mm程度とやや厚く、ベッド側面とベッド底面は0.4mm程度の厚さでした

空気漏れの再現テスト

  • 空気圧が1.0kPa程度まで低下すると体を起こしづらくなり、0.75kPa程度まで低下すると全身が埋没して体を起こすことが困難となりました
  • 成人ダミーをエアーベッドの端に仰向けに寝かせた状態で、空気圧が1.5kPa程度まで低下すると、エアーベッドが横転し、成人ダミーが転落することがありました
  • 穴の大きさが約1.0mmでも空気圧の低下は著しく、電動ポンプを停止してから19〜35分で、ベッドの端に寝ていた場合に転落の可能性がある1.5kPaまで空気圧が低下しました

表示

  • 取扱説明書にはエアーベッドに特有の使用上の注意点が複数表示されていました
  • 保証期間は銘柄ごとに異なり、使用による空気漏れを保証対象としない銘柄もありました

消費者へのアドバイス

  • エアーベッドの空気圧が低下した状態で使用し続けると、ベッドの端から転落することがあります。PIO-NETに寄せられた相談には、転落してけがを負った事例も複数見られたことから、空気圧が低下した状態では使用しないようにしましょう
  • 空気をクッション材として使用するエアーベッドには、特有の使用上の注意点があります。購入する際はよく確認しましょう
  • エアーベッドを購入した場合は、商品到着後速やかに空気漏れがないかを確認しましょう
  • エアーベッドを使用する場合は、周囲に鋭利なものがないことを確認するとともに、使用する際の服装やポケットの内容物にも注意しましょう
  • エアーベッドが破損し空気漏れ等の原因となる可能性があります。取扱説明書に表示された電動ポンプの運転時間を確認し、空気を入れ過ぎないようにしましょう

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
  • 経済産業省 商務情報政策局 産業保安グループ 製品安全課(法人番号4000012090001)
  • 経済産業省 製造産業局 生活製品課(法人番号4000012090001)
  • 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)
  • アマゾンジャパン合同会社(法人番号3040001028447)
  • ヤフー株式会社(法人番号3010001200818)
  • 楽天株式会社(法人番号9010701020592)

動画

動画イメージ写真 空気漏れの再現テスト
動画:エアーベッドの空気漏れに注意


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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