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[2018年3月15日:公表]

幼児がハンドスピナーの部品を誤飲

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 近年、ハンドスピナーは幅広い年齢向けの手遊び道具として登場し人気です。ハンドスピナーとは、一般的に、中央にあるベアリングという軸受け部品と、そこから放射状に広がる複数の突起やおもりから構成されています。その本体中央を指で挟み、本体を高速に回転させて使用する商品です。

 米国では、「10歳女児がハンドスピナーの部品を飲み込み手術により摘出するといった誤飲事故が発生した」との報道があります。また、CPSC(米国消費者製品安全委員会)は、ハンドスピナーの小さな部品による子どもの窒息や、電池の誤飲による消化管のやけどについて注意喚起を行っています。一方、国内では、一般社団法人日本玩具協会が、国内外におけるハンドスピナーの安全性への懸念を踏まえ、ST基準の新たな要求事項として、回転中に外れる可能性のある付属部品がないことや、「人や動物、物に向けて投げないこと」などの注意表示を求めた追加要件を設けたところです。

 このような状況の中、医療機関ネットワークには、2017年8月にハンドスピナーの部品による誤飲事故が2件寄せられています。今後ハンドスピナーによる子どもの誤飲や窒息の事故が懸念されることから、注意表示や小さな部品が外れることがないか調査し、情報提供及び注意喚起を行うこととします。

写真 ハンドスピナーを回す様子
対象商品の写真


国民生活センターに寄せられた事故情報

 医療機関ネットワークに寄せられた事故情報2件のうち、当事者の協力が得られた以下の事例について、医療機関の協力のもと患児の保護者から聞き取りや現物確認調査等を行いました。

【事例】
 ハンドスピナーの金属製の部品3つを誤飲。1つ誤飲しているところを保護者が目撃し、2日後受診。腹部のX線撮影にて大腸内に1つ、胃もしくは小腸内に2つ異物があることを確認した。翌日、2回の排便により3つの部品が排出された。
(1歳3カ月 男児)

市販品の調査

表示について

 インターネット通信販売の大手ショッピングモールにおいて検索した際に上位に表示されたものを参考に選定した90銘柄を調査対象銘柄としました。

  • 90銘柄中31銘柄(34.4%)には、商品パッケージ等や購入サイトのいずれにも、日本語による対象年齢や与えてはいけない等の年齢に関する注意表示はありませんでした。
  • 90銘柄中45銘柄(50.0%)には、商品パッケージ等や購入サイトのいずれにも、誤飲や窒息に関する日本語の注意表示はありませんでした。

部品の外れやすさについて

 調査対象銘柄のうち、複数購入できた82銘柄を調査しました。

  • 138cmの高さから落下させたところ、部品が脱落又は破断するものが82銘柄中16銘柄(19.5%)あり、部品はすべて乳幼児が誤飲や窒息するおそれがある大きさでした。

消費者へのアドバイス

  • 誤飲や窒息のおそれがあるので、乳幼児には絶対に触らせないようにしましょう。
  • 遊ぶ前に部品の突出やゆるみがないかをチェックしましょう。
  • 万が一誤飲した場合には、医師の診断を受けましょう。

事業者への要望

  • 部品の誤飲・窒息事故を未然に防止するため、より安全な構造の商品開発や品質管理の徹底を要望します。
  • 商品パッケージ等に日本語で対象年齢や注意表示を記載することを要望します。

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
  • 内閣府 子ども・子育て本部(法人番号2000012010019)
  • 文部科学省 初等中等教育局 幼児教育課(法人番号7000012060001)
  • 厚生労働省 子ども家庭局 保育課(法人番号6000012070001)
  • 厚生労働省 子ども家庭局 母子保健課(法人番号6000012070001)
  • 経済産業省 製造産業局 生活製品課(法人番号4000012090001)
  • 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)
  • 一般社団法人日本玩具協会(法人番号6010605000017)
  • 日本チェーンストア協会(法人番号なし)

本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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