[2016年8月18日:公表]
自転車に乗せた子どもの足が車輪に巻き込まれる事故に注意 − いわゆる「スポーク外傷」が多発しています −
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
自転車の後ろの幼児座席あるいは直接荷台に座っていた同乗者の足が後車輪に巻き込まれて受傷する、いわゆる「スポーク外傷」が発生しています。医療機関ネットワーク(注)にはスポーク外傷の事例が過去5年間で172件見られ、けがの程度を見ると、半数以上の91件で通院が必要でした。受傷者を年齢別に見ると、自転車に同乗した6歳未満の子どもがけがをした事例は半数以上の90件でした。スポーク外傷は子どもが受傷者となりやすく、大きなけがを負う可能性があります。
また、子どもや知人を自転車に同乗させたことがある20歳以上70歳未満の一般消費者2,000人へのアンケート調査を行ったところ、幼児座席を使用しないとスポーク外傷の危険性が高くなることが分かりました。
そこで、医療機関ネットワークに寄せられた事例や消費者へのアンケート調査の結果をもとに、スポーク外傷についてテストを行い、消費者へ注意喚起及び情報提供を行うこととしました。
- (注)消費者庁と国民生活センターとの共同事業で、消費生活において生命または身体に被害が生じた事故に遭い、参画医療機関を受診したことによる事故情報を収集するもので、2010年12月から運用を開始しました。
医療機関ネットワークに寄せられたスポーク外傷事例
- スポーク外傷の半数以上で通院が必要で、足首から先の危害が多く見られました
アンケート調査
- 同乗者が巻き込まれたことがある人は252人で、半数以上が6歳以上でした
- 巻き込まれた部位は、足首から先、特に左側が多い傾向が見られました
- 巻き込まれた部位が完治するまでの期間は6割近くが1週間以上を要し、1年以上も13件ありました
- 巻き込まれたことがある人では後側の幼児座席を使っている割合が少なくなっていました
- 巻き込まれたことがある人ではドレスガードが付いていない割合が多くなっていました
再現実験
- 幼児座席やドレスガードがないと、踵(かかと)からアキレス腱(けん)付近が車輪に強く巻き込まれることがありました
写真 足が車輪に巻き込まれる様子
- 幼児座席を使用しても、6歳以上の子どもは車輪に巻き込まれる危険性が高くなります
幼児座席の基準、道路交通規則上の幼児2人同乗の可否
- 幼児座席のSG基準では足を車輪に巻き込まれないよう、足と車輪を離すようになっています
- 道路交通規則では、幼児座席に乗車できるのは6歳未満となっています
消費者へのアドバイス
- 6歳未満の子どもを自転車に同乗させる場合には、必ず幼児座席を使用しましょう
- 6歳以上の子どもを自転車に同乗させると、足を巻き込む危険性が高くなるため、絶対にやめましょう
業界への要望
- 子どもを自転車に同乗させる場合には幼児座席を必ず使用するよう、さらなる啓発を要望します
要望先
- 一般社団法人自転車協会(法人番号6010405010595)
情報提供先
- 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 内閣府 子ども・子育て本部(法人番号2000012010019)
- 警察庁 交通局 交通企画課(法人番号8000012130001)
- 文部科学省 初等中等教育局 幼児教育課(法人番号7000012060001)
- 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 保育課(法人番号6000012070001)
- 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 母子保健課(法人番号6000012070001)
- 経済産業省 製造産業局 車両室(法人番号4000012090001)
- 一般財団法人製品安全協会(法人番号1010505002118)
- 一般財団法人自転車産業振興協会(法人番号3010405000277)
- 一般財団法人日本車両検査協会(法人番号4011505000802)
動画
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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