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[2013年3月28日:公表]

医療機関ネットワーク事業からみた家庭内事故−高齢者編−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 2010年12月から2012年12月末までの約2年間で、医療機関ネットワーク事業(注)に参画する13医療機関から9,889件の事故情報を収集した。そのうち、65歳以上の高齢者の事故情報は669件収集されている。

 事故の収集が開始されて2年を過ぎたことから、主に65歳以上の高齢者の事故について事故の事例を中心に分析結果をまとめた。

  • (注)医療機関ネットワークとは、2010年12月から運用が開始された消費者庁と国民生活センターとの共同事業で、消費生活において生命または、身体に被害が生じる事故に遭い医療機関を利用した被害者から、事故の詳細情報を収集するものである。

事例等からみた高齢者の家庭内事故の特徴

  1. 階段からの転落、転倒
  2. 屋外作業中の転落
  3. 食料品等の誤飲・誤嚥(ごえん)
  4. 着衣着火でのやけど
  5. 風呂場での転倒、やけど

主な事例

【事例】
 自宅玄関の小さな段差につまずき、お尻から転んで足を強く打撲し、骨折した。
(2011年11月発生、83歳、男性、重症)
【事例】
 剪定(せんてい)作業中、1mの高さのはしごから転落して左大腿骨(だいたいこつ)、腰椎、仙骨の骨折や内臓を損傷し、死亡した。
(2011年6月発生、75歳、男性、死亡)
【事例】
 食べていたサンドイッチを喉に詰まらせて意識を消失し、救急搬送されるも死亡した。
(2011年2月発生、95歳、男性、死亡)
【事例】
 仏壇の火がワンピース型の服に燃え移り、ほぼ全身に水疱(すいほう)形成を伴うやけどを負い、死亡した。
(2011年8月発生、82歳、女性、死亡)
【事例】
 熱湯をはった浴槽に入り、3度のやけどを負った。普段は家族が差し水をしてから入浴していたが、自分で湯をはって差し水をせずに入浴してしまった。
(2011年1月発生、82歳、男性、重症)

事故を防ぐための注意点

 高齢者は2つのことを同時に行うことが困難になると言われています。何かの動作中に別のことに注意を向けることが難しい場合は転びやすい傾向があるとされています。特に75歳以上では骨の構造が弱くなっていくため、転倒や転落によって骨折しやすくなるおそれがあります。

 自分がどの程度転倒等をしやすい状態なのかを知り、自分が出来ないことは他の代替機能を利用するなどして事故を予防しましょう。

  1. 階段には手すりや照明器具を設置し、階段の周りにものを置かないようにしましょう
  2. 高所での作業は1人で行わないようにしましょう
  3. 食事の際には適量を口に運び、ゆっくり食べることを意識しましょう。また、飲料と間違えてしまうような液体などは手の届くところに置かないようにしましょう
  4. 火を使うときには衣類のそでやすそに注意しましょう
  5. 浴室と脱衣場の温度差を減らしたり、湯温が熱くなりすぎないよう管理しましょう
  6. 商品選びを工夫しましょう

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 消費者委員会事務局

本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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