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[2019年4月19日:更新]
[2013年2月21日:公表]

IHクッキングヒーターに用いる汚れ防止マットの使用に注意

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

目的

 汚れ防止マットは、IHクッキングヒーターのトッププレート上に敷いて使用することで、トッププレートの汚れや焦げつきを防止できるとうたった商品である。

 2012年7月、滋賀県の一般住宅において、IHクッキングヒーターの純正付属鍋の下に汚れ防止マットを敷き、天ぷら鍋の油を加熱中にその場を離れたところ、油が発火し、火災に至るという事故がPIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられた。また、事故情報データバンク(2009年9月〜2013年1月登録分)にも、このほかに同様の事例が3件寄せられている。このような油の発火は、周囲のものに燃え広がり、火災などの重大な事故に至る可能性がある。

 そこで、汚れ防止マットを用いて、IHクッキングヒーターによる天ぷら鍋の油の加熱テストを行い、どのような使用状況で火災となるのか調査し、消費者に情報提供することとした。

主なテスト結果

 汚れ防止マットの主な材質として、シリコーン、ガラス繊維、マイカ(雲母)、結晶化ガラスを用いた4種類、合計9銘柄をテスト対象とした。

油の加熱テスト

  • 汚れ防止マットを敷かずに油を加熱すると、いずれのモードでもセンサーの働きによって温度が制御され、油が発火することはなかった。
  • 汚れ防止マットを敷いたとき、マイカを使用した銘柄では、揚げ物機能を使用せずに加熱すると、油が発火することがあった。

取扱説明書の注意表示について

  • すべての銘柄で天ぷらや揚げ物などの油を用いた調理に関する注意事項が記載されていた。

アンケート調査

  • 国内の主要なIHクッキングヒーターの製造事業者を対象に、アンケート調査を行ったところ、汚れ防止マットを使用して調理を行うことについて、問題があるとの回答であった。

消費者へのアドバイス

  • 汚れ防止マットを敷くことによって、IHクッキングヒーターが有する温度検知の機能が損なわれる可能性があることを認識しておく。
  • 汚れ防止マットを敷いて油を加熱し続けると発火することがあるので、調理中は、絶対にその場を離れないこと。

事業者への要望

 汚れ防止マットの取り扱いについて、業界において協議を行うとともに、事故の発生防止に努めるよう要望する。

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 経済産業省 商務情報政策局 商務流通保安グループ 製品安全課
  • 消費者委員会事務局
  • 一般社団法人日本電機工業会
  • 社団法人日本DIY協会
  • 日本チェーンストア協会
  • 公益社団法人日本通信販売協会
  • 日本百貨店協会

動画

業界の意見 ※2013年3月27日 追加

「東洋アルミエコープロダクツ株式会社」

「東洋アルミエコープロダクツ株式会社」より

●国民生活センターが公表した、汚れ防止マットの使用上の注意について

  1. (1)「汚れ防止マット」を敷くことによって、IHクッキングヒーターが有する温度検知の機能が損なわれる可能性があることを認識しておくこと。
  2. (2)「汚れ防止マット」を敷いて油を加熱し続けると、油が発火することがあるので、調理中は絶対にその場を離れないこと。

以上の2点が使用上の注意として挙げられています。

●使用上の注意に対する弊社見解

(1)温度検知の機能が損なわれる事について
 弊社製品は、熱伝導性に優れた素材や厚みで設計(*特許取得済み)しているので温度検知の機能を妨げにくくなっています。また弊社製品使用時における油や水の温度変化の測定試験を重ねた結果、温度検知センサーが正常に作動する事を確認しています。
  • ※国民生活センターの実験結果(報道発表資料P11表2)からも汚れ防止マットなしと銘柄No.3(弊社製品)の数値がほぼ変わらない事から、弊社製品は熱伝導率が優れた設計である事が読み取れます。
(2)油の発火について
 弊社では発火しない設計を心掛けており、油を用いた調理に対するテストと評価を十分に重ねています。よって弊社製品を正しい状態で使用した場合、油が発火する危険性はありません。

⇒上記(1)(2)の内容から弊社製品は、国民生活センターが使用上の注意として挙げられた2点を十分に考慮した製品設計であり、安心してご使用いただけます。

  • ※天ぷら調理の場合、温度検知機能を妨げた状態や、通常調理モードで高温にし過ぎた場合、油量が少ない場合及びIHクッキングヒーターメーカー推奨天ぷら鍋を使用しなかった場合は、鍋に過剰な熱が加わり、IHクッキングヒーター用汚れ防止マットの有無に関わらず油が発火して重大事故に繋がる可能性があります。

「東洋アルミエコープロダクツ株式会社」への商品テスト部の見解

 今回のテストでは、汚れ防止マットを使用した場合の油の加熱についてテストを行いました。その結果、発火に至る銘柄があった一方で、汚れ防止マットを使用しない場合と大差のない銘柄もありました。しかし、今回のテスト結果は、あくまでも一例であり、条件によっては異なる結果となることも考えられます。

 事故を未然に防止するという観点から、消費者の方々には汚れ防止マットに関する注意喚起を行い、事業者の方々には事故発生の防止に努めるようお願いするものです。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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