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[2018年7月27日:公表]

オンラインゲームの「ガチャ」で欲しいレアアイテムが出ない

質問

 オンラインゲームのガチャを100回引きましたが、1%の確率で出るレアアイテムが、1回も出ませんでした。確率表記が間違っているのではないでしょうか。

回答

 オンラインゲームの電子くじ(一般に「ガチャ」と呼ばれるもの)は、店舗等のカプセルトイ(一般に「ガチャガチャ」と呼ばれるもの。1回引くごとに確率は上がっていく)と仕組みが異なり、確率の計算方法が異なる場合があります。

解説

 オンラインゲームに関する相談がトラブルメール箱に多く寄せられており、その中でも「ガチャ」を引いたのに希望のアイテムが出ないという事例が多く見られます。

確率の表記について

 オンラインゲームの「ガチャ」の確率表記については、業界団体である一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)と一般社団法人日本オンラインゲーム協会(JOGA)がガイドラインを定めています。例えばCESAのガイドラインでは、原則として「提供されるすべてのガチャアイテムの提供割合が分かる表示」をすることとされています。

確率の考え方

 オンラインゲームの「ガチャ」は、店舗等の「ガチャガチャ」と仕組みが異なり、確率の計算方法が異なる場合があります。

 店舗等の「ガチャガチャ」は、目当てのおもちゃ等が100個中1個の割合で入っていた場合、1回引くごとに手に入る確率が上がっていきます。つまり、目当てのおもちゃ等が出る確率は1回引くごとに100分の1、99分の1...と変化します。そのため、100回行うと必ず1回は目当てのおもちゃ等を入手することができることになります。

 しかし、オンラインゲームの「ガチャ」については、何回引いても分母は変わらず、100分の1、100分の1...と常に同じ確率で推移する場合があります。その場合、仮に入手確率が1%のレアアイテムである場合、100回くじを引いて少なくとも1回は当たる確率は約63%となり(下記計算式参照)、アイテムの入手確率が1%と表示されていても、必ず100回引けば1回当たるという訳ではありません。

確率の計算式:アイテムの入手確率がa%、引く回数がn回の場合

1 − ( 1 − ( a / 100 ) )n

【例】100回引いて、1%の入手確率のアイテムが出る確率( a = 1、n = 100 )

1 − ( 1 − ( 1 / 100 ) )100 = 1 − ( 1 − 0.01 )100 = 1 − 0.99100 = 1 − 0.366...≒ 0.63

∴ 約63%

確率表示が間違っていると思ったら

 景品表示法は、商品やサービスの質や内容、価格等について、著しく有利または優良であると誤認をさせる表示を不当表示として禁止しています。そして、消費者庁では、そのような表示に関する情報提供の窓口として、景品表示法違反被疑情報提供フォームを設けています。

 上記の確率の考え方を基に考えたとしても、確率の表示に問題があると思った場合には、当該フォームに申し出ることも一つの方法です。

 情報提供を基に消費者庁が調査を行い、景品表示法違反だと判断した場合は、措置命令などの行政処分につながる可能性があります。

 お困りの際にはお近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。

参考

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