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[2019年4月17日:更新]
[2013年9月19日:公表]

柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 柔軟仕上げ剤は、衣類をソフトに保ち、傷んだ繊維を柔らかくすることをうたったものです。10数年前までは、部屋干しのにおいや汗のにおいなどを抑えるため、微香タイプの柔軟仕上げ剤が主流でしたが、2000年代後半から香りの強い海外製の柔軟仕上げ剤がブームとなったのをきっかけに、現在は、芳香性を工夫した商品の品ぞろえが広がっています。

 一方で、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられる「柔軟仕上げ剤のにおい」に関する相談件数が増加傾向にあります。そこで、収集した相談内容を分析し、情報提供することとしました。

相談の概要

  • PIO-NETに寄せられた「柔軟仕上げ剤のにおい」に関する相談件数は、2008年度は14件でしたが、2012年度は65件となり急増しています(注1)。春から秋にかけて、相談者が使用したものでない、隣家などの他人が使用した柔軟仕上げ剤のにおいについての相談が多く寄せられています。
  • 「柔軟仕上げ剤のにおい」に関する相談187件のうち、危害情報(注2)は61%(115件)で、2008年度は3件でしたが、2012年度には41件となり、急増しています。危害情報の内訳をみると、被害者の性別・年代は、30歳代〜50歳代の女性が70%、被害にあった場所は、「家庭」が92%を占めています。
  • (注1)2008年度以降受付、2013年8月31日までの登録分。
  • (注2)「危害情報」とは、商品・役務・設備に関して、身体にけが、病気等の疾病(危害)を受けたという相談のことです。

危害に関する主な相談事例

【事例】
柔軟仕上げ剤を使用し、室内干ししたところ、においがきつく、妻と2人ともせきが出るようになった。柔軟仕上げ剤を使用したタオルで顔を拭くとせきが止まらなくなった。メーカーに連絡すると、柔軟仕上げ剤を持参して医師の診察を受けるように言われたのでそのとおりにした。2人共アレルギーの反応が低かったため、原因不明とのことで、複数の薬を処方してもらった。
【事例】
隣人の洗濯物のにおいがきつ過ぎて頭痛や吐き気があり、窓を開けられなく換気扇も回せない。柔軟仕上げ剤のにおいではないかと思う。医師の診察は受けていないが、家族3人全員同じような症状で今まで特定の物質にアレルギーがあると言われたことはない。

消費者へのアドバイス

  • 自分がにおいに敏感な場合は、商品を選択する際に、商品の表示等に記載された芳香の強さ等を参考にしましょう。
  • 自分にとっては快適なにおいでも、他人は不快に感じることもあるということを認識しておきましょう。

業界・輸入事業者への要望

 においが与える周囲への影響について配慮を促す取り組みを行うよう要望します。

要望先

  • 日本石鹸洗剤工業会

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 厚生労働省 医薬食品局 審査管理課 化学物質安全対策室
  • 経済産業省 製造産業局 化学課
  • 環境省 総合環境政策局 環境保健部 環境安全課
  • 消費者委員会事務局
  • 日本チェーンドラッグストア協会
  • 一般社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会
  • 公益社団法人日本通信販売協会

業界の対応 ※2013年10月28日 追加

「日本石鹸洗剤工業会」より

(1)当工業会ホームページでの啓発
 製品の香りについての情報や、周囲へ配慮を促す啓発活動を、引き続きすすめていく旨を9月18日に改めて告知しました。さらに柔軟仕上げ剤の適量使用を啓発するため、使いすぎによる問題点を指摘した2011年の広報紙記事を再掲しました。
(2)会員への伝達
 ご提供いただいた情報およびご要望は、9月19日に正会員各社に連絡するとともに、翌20日の会合の席上で、改めて当工業会会長から直接、正会員各社の関係理事各位に協力をお願いしました。

業界の対応 ※2014年10月14日 追加

「日本石鹸洗剤工業会」より

 平成25年10月3日付文書にて当時の対応(10月28日付で国民生活センターホームページに追加掲載されているもの)をご連絡いたしましたが、その後の当工業会および会員各社の対応を、改めてお知らせいたします。

(1)当工業会の対応
 先にお知らせした、平成25年9月18日更新での当工業会ホームページを通じての告知活動と、正会員各社に対する情報共有と協力依頼に加えて、当工業会の広報誌「クリーンエイジ」冬号(12月15日発行号)に、改めて「周囲の方に配慮した適正な使用」を紹介する記事を掲載、先に掲載した「柔軟仕上げ剤を使うときのポイント」とともに、ホームページに掲載いたしました。
(2)会員各社の対応
 柔軟仕上げ剤を販売する正会員の中で、特に「香り」を訴求した製品を扱う4社では、各社のホームページで香りの強さの目安や、周囲の方への配慮、適量使用を促すための啓発を行っています。また、テレビCMや雑誌等の広告、製品の裏面表示においても、周囲への配慮を促す文言の記載に着手しています。

本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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