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[2012年12月6日:公表]

「保険金が使える」という住宅修理サービスの相談が増加!−解約料として保険金の50%を請求されたり、代金を前払いしたのに着工されないことも−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 「自宅に訪問してきた事業者から『台風で破損した屋根を保険金の範囲内で修理しないか。契約している損害保険会社への申請は当社が代行する』と勧誘された。信用できるか」などという相談が全国の消費生活センターや国民生活センターに多く寄せられている。

 多くの事業者は「保険金の範囲内で修理するから自己負担はない」など、「無料」を強調して訪問販売等で消費者を勧誘し、「保険金の請求を代行する」というサービスと住宅修理サービスまで一連の契約を結ばせようとしている(以下、このようなサービスを行う事業者を「申請代行業者」とする)。

 中には、「契約時に契約書面に署名したが、控えをもらえなかった」「解約すると言ったら、保険金の50%を請求された」「代金として保険金全額を前払いしたのに着工してくれない」などのトラブルも生じており、悪質な例では事業者から「損傷は経年劣化によるものだが、保険会社や共済には自然災害が原因という理由で申請するよう」勧められたと思われるケースもある。

 相談件数が年々増加傾向にあることや、悪質なケースがみられること、今後も雪害や風害等の自然災害が起こるたびに似たような事例が頻発する可能性があることから、消費者被害の未然防止・拡大防止のため情報提供することとした。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)における相談件数

 「保険金が使える」と言って勧誘する住宅修理サービスに関する相談は、2007年度から2012年度(2012年10月末日までの登録分)で合計721件の相談が寄せられている。

 2007年度から増加傾向になり、2009年度71件、2010年度には102件であった。東日本大震災発生後である2011年度には252件と2010年度の約2.5倍の相談が寄せられた。そして、2012年度は234件と、前年同期の108件と比べて約2倍に増加している。

主な相談事例

【事例1】
なじみの担当者を信用して修理内容も金額も分からないまま契約したが、解約料として保険金の50%を請求された
【事例2】
保険金で修理できると勧誘され契約したが、契約書面を渡されず、クーリング・オフにも応じない
【事例3】
受け取った保険金が見積額より少なく、解約するといったら見積調査料を請求された
【事例4】
代金として保険金全額を支払ったが、いつまでたっても着工されない
【事例5】
うその理由で保険金を請求することになると思い、勧誘を断ったら嫌がらせをされた

主な問題点

  1. 解約時に消費者が受け取った保険金の数十%という高額な料金を請求される
  2. 消費者に修理代金を前払いさせようとしている
  3. 特定商取引法で義務付けられている書面の不交付や記載事項の不備がある
  4. 不十分な説明や強引な勧誘などによって消費者が判断する機会を奪われている
  5. 消費者が申請代行業者から保険会社等にうその理由で保険金を申請するよう、勧められている可能性がある

消費者へのアドバイス

  1. 申請代行業者の説明を鵜呑(うの)みにせず、必要のない勧誘はきっぱりと断る
  2. 契約している保険の内容を自分の目で確認したうえで、事実に基づいて保険金を請求する。分からなければ保険会社等に相談する
  3. 複数の修理業者から見積もりを取り、慎重に判断する
  4. 修理の着工前に代金を全額前払いすることは避ける
  5. 訪問販売や電話勧誘販売で契約した場合には、クーリング・オフできる
  6. トラブルにあったら、最寄りの消費生活センター等に相談する

情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 消費者委員会 事務局
  • 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官
  • 金融庁 監督局 保険課
  • 国土交通省 住宅局 住宅生産課
  • 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
  • 一般社団法人日本損害保険協会
  • 社団法人日本共済協会

本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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