次々出てくる換金困難な外国通貨の取引トラブル!−新たにコンゴ、シリア、イエメン、ウズベキスタンの通貨が…−
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2010年度以降、国民生活センターは、国内では換金が困難な外国通貨(イラクディナール、スーダンポンド、アフガニスタン・アフガニ、リビアディナール、ベトナム・ドン)の取引について、複数回、注意喚起を行った。
その後、コンゴ民主共和国の通貨「コンゴフラン」、シリア・アラブ共和国の通貨「シリアポンド」、イエメン共和国の通貨「イエメンリアル」、そしてウズベキスタン共和国の通貨「ウズベキスタンスム」の取引に関する相談が新たに寄せられるようになった。
相談傾向は他の外国通貨と同様で、依然として高齢者等に対して劇場型勧誘が行われ、中には過去に投資トラブルにあった消費者に「以前購入した未公開株を買い取る代わりに外国通貨を購入してほしい」と持ちかけ、代金をだまし取る二次被害のケースも見られる。本年8月には、過去に購入した未公開株を買い取る条件として消費者に外国通貨を購入させ、実際には未公開株を買い取らず、代金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで容疑者5人が逮捕された。
今後もこれらの外国通貨の取引に関するトラブルが増加する可能性があることから、被害の未然防止および拡大防止のため、消費者に注意を呼びかけることにした。
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)における相談件数 ※2012年8月末日までの登録分
コンゴフラン
合計85件の相談が寄せられている。2012年3月に2件、5月に1件、6月に32件、7月に39件、8月に11件であった。
シリアポンド
合計60件の相談が寄せられている。2011年7月に1件、2012年3月に15件、4月に15件、5月4件、6月に23件、7月に2件であった。
イエメンリアル
合計22件の相談が寄せられている。2012年2月に6件、3月に10件、5月に5件、6月1件であった。
ウズベキスタンスム
合計16件の相談が寄せられている。2012年2月に2件、3月に4件、4月に4件、5月に2件、6月に3件、8月に1件であった。
主な相談事例
- 代わりに申し込むだけでお礼をすると勧誘され、コンゴフランを購入してしまった
- 将来価値が上がると説明され、シリアポンドを購入してしまった
- 以前買った未公開株を買い取る条件と言われ、イエメンリアルを買ってしまった
- ウズベキスタンスムを購入させられたが、いつになっても買い取られない
主な問題点
- 国内では換金困難な外国通貨を著しく暴利で購入させられている
- 高齢者等に対して、しつこく巧妙な劇場型勧誘が行われている
- 過去に投資トラブルの被害にあった消費者をねらった「二次被害」が目立つ
消費者へのアドバイス
- 外国通貨の購入・両替を勧める業者には十分注意すること
- 「以前買った未公開株を買い取る」「将来価値が高まるので、安いうちに買っておけばもうかる」等の業者の言葉を信用しない
- 過去に投資トラブルの被害にあった消費者は、特に注意すること
- 勧誘された時点で、最寄りの消費生活センターに相談する
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課
- 消費者委員会事務局
- 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官
- 警察庁 刑事局 捜査第二課
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
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