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[2021年3月4日:公表]

ゆで卵を作る電子レンジ調理器で卵が破裂(相談解決のためのテストからNo.150)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「電子レンジ調理器を使用して卵を調理したところ、卵が破裂して調理器の上半分が飛び、庫内が破損した。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

 電子レンジの取扱説明書では、卵(解きほぐしたもの以外)を電子レンジで加熱することは禁止されています。電子レンジでは電磁波により食材の内部から加熱されますが、卵などの殻や膜のある食材を加熱して内部に水蒸気が発生した場合、水蒸気の逃げ場がないため、食材の内圧が上昇して破裂することがあるためです。当該電子レンジ調理器(以下、「当該品」とします)は、卵を金属殻で覆い電磁波が当たらないようにして、ポリプロピレン製の容器内の水位線まで入れた水を加熱し、発生した水蒸気で卵を温めるようになっていました。

 当該品の本体下部の内側を観察したところ、金属殻の支持部のうち1個所で、水位線から約8mm下方の範囲にかけて変形が生じていました。この部分は水に浸かっている間は100℃以上には上昇しないと考えられ、本体下部(ポリプロピレン)の耐熱温度が140℃であることから、変形が生じた際には水に浸かっていなかったと考えられました。

 次に、同型品を用いて水の量を変えて再現テストを行ったところ、水位線まで水を入れた状態で使用した場合は、卵は破裂しませんでしたが、水の量を半分にした場合と、水を入れない場合では、いずれも卵が破裂しました。

 これらのことから、事故発生時には、何らかの原因で水の量が水位線まで入れた時よりも少なかった可能性が考えられました。

 電子レンジは一般的に、レンジ加熱において卵(解きほぐしたもの以外)の加熱や金属類の使用を禁止しており、当該品はこうした禁止事項に該当する調理器具です。使用者はそれを認識した上で使用の判断をする必要がある商品といえるでしょう。



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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