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[2021年3月4日:公表]

災害に備えた食品の備蓄に関する実態調査−いざというとき、困らないために−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災から、この3月で10年の節目を迎えます。

 内閣府が2016年に実施した意識調査によると、住んでいる地域に大地震、大水害などの大災害が発生すると考えている人は6割を超え、災害に対する取組みとして、38.2%の人が食料や飲料水を蓄えているとされています。また、「令和元年 国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、災害時に備えて非常用食料を用意している世帯の割合は53.8%にのぼります。

 一方、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)には、災害用に備蓄している食品(以下、「備蓄食品」とします。)に関する相談が、2015年度以降の5年あまり(2021年1月末日までの登録分)の間に207件寄せられており、カビが生えた等、「安全・衛生」、「品質・機能、役務品質」に関する相談もみられます。

 備蓄食品は家庭で長期間保存することが想定されるため、保存状況によっては安全性や品質に問題が発生する可能性が考えられます。

 そこで、災害に備えた食品の備蓄に係る消費者アンケートを実施するとともに、消費者が自宅で備蓄している食品を収集し、品質等に係るテストを行い、消費者に情報提供することとしました。


消費者へのアンケート調査

  • 飲料水、乾麺、缶詰を備蓄している人が多くみられました
  • 約半数の人が、1年に1回以上、備蓄食品の入れ替えを行っていました
  • 1割以上の人に、備蓄食品の品質に何らかの異常がみられた経験がありました
  • 6割以上の人は、備蓄食品の賞味期限が切れた経験がありました

消費者から収集した備蓄食品に関するテスト

外観調査

  • 容器包装の外側に凹みや汚れ、サビ等がみられたものがありました

微生物試験

  • 調べた81商品のうち4商品から細菌が検出されましたが、衛生上問題となるものはありませんでした

含まれている油脂の劣化

  • カップ麺とスナック菓子について、含まれている油脂の劣化の程度を調べたところ、衛生上問題となるものはありませんでした

糊化度

  • アルファ化米とパックごはんのでんぷんの糊化状態を調べたところ、アルファ化米は炊飯直後〜24時間後と同程度の状態、パックごはんは加熱して食べる必要がある状態でした

消費者へのアドバイス

  • 備蓄食品は賞味期限や包装状態等を定期的に確認し、入れ替えを行いましょう。賞味期限が切れた食品は一律に廃棄するのではなく、適切な消費を心掛けましょう
  • 食品の備蓄を行う場合は、栄養バランスを考え、ライフラインが停止した場合なども想定し、各家庭に合った食品を備えておくと良いでしょう

情報提供先

  • 消費者庁(法人番号5000012010024)
  • 内閣府(法人番号2000012010019)
  • 内閣府 消費者委員会(法人番号2000012010019)
  • 内閣府 食品安全委員会(法人番号2000012010019)
  • 農林水産省(法人番号5000012080001)

本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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