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[2020年11月26日:公表]

空気圧不足や摩耗が進行した自動車用タイヤを使用すると接地面が剥離してしまうことも(相談解決のためのテストからNo.146)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「走行中に自動車用タイヤの接地面が剥離し、剥離したゴムにより車体が損傷した。剥離した原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。

 一般的な自動車のタイヤは、カーカス(化学繊維を並べたもの)がタイヤの中心から放射状に配置され、それをベルト(金属製のワイヤーを並べたもの)で締め付けたものが骨格部になっています。これらは各々ゴムで覆われた上で接着され、さらに外周部の表面には接地面となるゴム製のトレッドが接着されています。トレッドの両端にはカーカスを保護する役目のショルダーがあります。このようにタイヤは多層構造になっています。

 当該品のトレッドは全周にわたり剥離し、金属製のベルトが露出しており、特に内側(車体側)の損傷は大きくなっていました。トレッドの両端のショルダーは、内側の方が外側よりも摩耗しており、当該品の内面の内側、外側には、空気圧が低い状態で走行していたためについたと考えられた円周方向のシワが1周にわたりみられました。空気圧が不足した状態での走行は、ショルダーに強い負荷がかかります。

 以上、接地面の剥離が生じた原因として、空気圧が不足した状態で走行していたこと、摩耗が進行し、薄くなったショルダーの強度が低下していたことなどが考えられました。

 自動車のタイヤは、空気圧不足の状態や、トレッドやショルダーの摩耗が進行した状態で走行すると、今回の事例のようにトレッドの剥離などの破壊に進展するおそれがあり、大変危険です。月に一度は、空気圧や摩耗度合いの確認、亀裂や損傷の有無等、タイヤの点検を行いましょう。



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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