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[2019年12月19日:公表]

取っ手が破損したシステムキッチン(相談解決のためのテストから No.138)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「システムキッチンの取っ手が破損した。破損した原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は、相談者宅のシステムキッチンの引き出しに付いていた取っ手で、金属めっきで覆われた弓形状のプラスチックに装飾部品が付いているものでした。外観調査を行ったところ、当該品は、装飾部品の両端付近でプラスチックが破損して、中央部分(引き出しを出し入れする際に使用者が指をかける部分)が脱落していました。破損したプラスチックの材質を分析したところ、主な材質はABS樹脂(注)でした。

  • (注)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体。金属に代わる耐衝撃性樹脂として開発された。電気部品、自動車部品などに用いる。(「理化学辞典」より)

 次に、2カ所の破損部の破面を観察したところ、いずれも内側(引き出し側)に亀裂の起点が複数あるとともに、繰り返し応力によって内側から外側(使用者側)に向かって、亀裂が段階的に進展(疲労破壊)した痕跡がありました。なお、どの亀裂の起点にも、起点の発生原因となる異物、変形、衝撃痕などはありませんでした。

 以上のことから、当該品は、引き出しを出し入れする際の繰り返し応力によって亀裂が進展(疲労破壊)して、破損したものと考えられました。

 テスト結果を事業者に説明したところ、「商品の開発時において、取っ手の耐久性試験および検査を十分に実施しており、その強度に問題はないと判断しております。また、発売後においても破損等、特段のトラブルは発生しておりません。」「しかしながら、この度お客様のご満足を得られなかった事実を真摯に受け止め、全てのお客様の満足を得られる製品づくりに今後も努めて参りたいと考えております。」との回答がありました。



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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