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[2017年5月11日:公表]

台座灸でやけど(相談解決のためのテストから No.110)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「購入したお灸(きゅう)を自宅で使用したところ、腕にやけどを負った。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は厚紙でできた円盤状の台座の上に、紙で巻いた円柱形状のもぐさが乗っているもので、台座灸と呼ばれる最も一般的なお灸でした。底面の粘着シールを裏紙から剥がして皮膚に貼るようになっていました。相談者の申し出によると、火をつけたお灸を腕などに貼ったところ、鋭い痛みとともにひどい熱を感じ、急いで剥がそうとしたが、台座の裏に皮膚が張り付いてしまい、皮膚が厚く剥がれてしまったとのことでした。後日、皮膚科を受診し、3度に近いやけどと診断されたとのことでした。

 当該品の4個を板に貼り付けて燃焼させ、台座のすぐ下の板の温度を計測したところ、4個の平均の最高温度は55.4℃でした。また、参考品として、当該品と同様の台座灸3銘柄についても計測したところ、それぞれ4個の平均の最高温度は42.8〜45.2℃で、当該品のほうが10〜13℃高くなっていました。

 以上、当該品はただちにやけどを負う温度ではなかったものの、参考品と比較すると燃焼中の温度が高く、数分で低温やけどを負うといわれている50℃を超えていました。なお、当該品には水泡や熱さを防ぐ調熱絆が添付されていました。そのままで使用すれば微弱な熱さ、内円をはずして外輪の上につけて施灸すれば少し強い熱さを感じるようになっていました。

 テスト結果を製造事業者に説明したところ、製造事業者は台座を厚く変更して、温度が上がり過ぎるのを防止するようにしたとの報告がありました。また、相談者には治療費の一部が支払われました。



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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