[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 商品テスト・回収情報 > 商品テスト結果 > 容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」−「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です−

[2016年12月16日:更新]
[2016年12月15日:公表]

容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」−「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 昨今、水素をうたった水(以下、「水素水」とします。)に関連する商品が数多く販売されています。

 飲用する水素水としては、アルミパウチやアルミボトル等に入れて販売されているものや、水素水生成器により作るものなどがあります。一部の商品のパッケージや取扱説明書には溶存水素濃度が表示されていますが、実際に飲用する際に、どのくらいの濃度になっているのかは、分かりません。

 一方、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)(注1)には、飲用する水素水に関する相談が2011年度以降2,260件(注2)寄せられており、年々増加しています。また、2013年度以降、当センターにも消費生活センターから、「水素水生成器を購入したが、水素水ができているのか疑わしいので調べてほしい。」等のテスト依頼が複数件あり、消費者の関心も高いと思われます。

 そこで、飲用水として販売されている水素水(以下、「容器入り」とします。)10銘柄と、飲用の水素水を作るという水素水生成器(以下、「生成器」とします。)9銘柄、計19銘柄(注3)について、表示・広告、溶存水素濃度(注4)を調べるとともに、事業者へのアンケート調査の結果も取りまとめ、消費者に情報提供することとしました。

  1. (注1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのことです。
  2. (注2)2011年度以降受付、2016年9月末日までの登録分。2015年度以降は消費生活センター等からの経由相談が含まれていません。
  3. (注3)テスト対象銘柄は、PIO-NETの事例にあった銘柄を基に選んだわけではありません。
  4. (注4)本資料では、水に溶けている水素ガス(水素分子)の濃度を示しています。

主なテスト結果

溶存水素濃度等に関する表示・広告

  • 容器入りの10銘柄中7銘柄のパッケージには、「高濃度」など、溶存水素濃度が高いことがうたわれており、溶存水素濃度の表示もありました。
  • 生成器の9銘柄中5銘柄で、商品の取扱説明書等に、溶存水素濃度の表示がありましたが、水質や水量等によりその値が変化する旨の表示もありました。

溶存水素濃度

  • 開封時の溶存水素濃度を測定したところ、容器入りのパッケージの溶存水素濃度表示に、充填時や出荷時と記載のあった5銘柄のうち3銘柄で、表示値より測定値の方が低い濃度でした。また、パッケージに表示のない3銘柄のうち、ペットボトルの2銘柄では溶存水素(水素ガス)は検出されませんでした。
  • 開封時に溶存水素が検出された容器入り8銘柄を、未開封のまま20℃で1カ月間保管したところ、全ての銘柄で溶存水素濃度がやや低下していました。
  • 開封時に溶存水素が検出された容器入り8銘柄を、開封後に蓋(ふた)を閉めて放置した場合には、溶存水素濃度が5時間後には30〜60%程度に、24時間後には10%程度に低下しました。
  • 生成器の取扱説明書等には、水質等により値が変わる旨の記載もありましたが、取扱説明書等に溶存水素濃度の表示のあった銘柄で、表示値よりも測定値の方が低くなったものがありました。
  • 生成器で作った水をコップに移し替えると、1時間後に溶存水素濃度が約50〜60%に低下しました。

効能効果等に関する表示・広告

  • 販売元等のホームページや直販サイトには、容器入りは10銘柄中8銘柄で、生成器は9銘柄中7銘柄で、水素や水素水に期待されている効能効果に関する記載がありました。中には、「様々な病気の原因といわれる悪玉活性酸素を無害化する」など健康保持増進効果等と受け取れる記載があり、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれがありました。
  • 販売元のホームページや直販サイトには、商品について、容器入りの4銘柄、生成器の2銘柄で、「アトピーに 痒(かゆ)い部分に水素水をつけて下さい」など健康保持増進効果等と受け取れる記載があり、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれがありました。また、1銘柄の商品のパッケージにも、同様の記載がありました。

事業者へのアンケート調査

  • 容器入りのうち、ペットボトルの2銘柄以外は、加圧下で水素ガスを充填したものでした。また、生成器では、水素以外にも生成されるものがあるとの回答でした。
  • 回答のあった全ての事業者で、水素の溶存や濃度を確認していましたが、方法は様々でした。
  • 一般の消費者が、生成器が正常に作動していることを確認する方法は、「泡が出ていること」や、「pHや本体の目安表示で確認」などの回答がありました。
  • 想定する溶存水素濃度で飲用するためには、開封後や生成後は、速やかに飲むとの回答が多く、アルミパウチの銘柄の6社全社で「飲みきれない場合は、空気を抜いてしっかり蓋を閉める」という回答でした。
  • 水素水の飲用により期待できる効果は、「水分補給」が最も多い回答でした。
  • 自社商品の水素水や生成器で作った水の機能性について調査、研究していると回答したのは、17社中9社でした。


消費者へのアドバイス

  • 水素水には公的な定義等がなく溶存水素濃度も様々です。また、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として許可、届出されたものは、現在のところありません。
  • 容器入り水素水のパッケージに表示されている溶存水素濃度に、充填時や出荷時とある場合は、飲用する時の濃度とは限りません。また、水素水生成器も水質や水量等により変わる旨の表示があり、必ずしも表示どおりの濃度になるわけではありません。
  • 水に溶けている水素ガス(水素分子)は、容器の開封後や水素水生成器で作った後の時間経過により徐々に抜けていきます。


事業者への要望

  • 販売元等のホームページや直販サイト、商品のパッケージに、飲用により健康保持増進効果等があると受け取れる記載がありました。医薬品医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触するおそれがありますので、表示の改善を要望します。
  • 容器入り水素水のパッケージに溶存水素濃度を表示する場合は、賞味期限まで保証できる濃度を記載するよう要望します。
  • 水素水生成器の取扱説明書や付属のパンフレット等に溶存水素濃度の表示のあった銘柄で、表示値よりも測定値の方が低いものがありました。使用する水質や水量により変わる旨の記載はありますが、どう変わるかが分かりません。表示により具体的な情報提供をするよう要望します。


行政への要望

  • 販売元等のホームページや直販サイト、商品のパッケージに、飲用により健康保持増進効果等があると受け取れる記載がありました。医薬品医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触するおそれがありますので、事業者に対し、表示の改善を指導するよう要望します。


要望先

  • 消費者庁 表示対策課(法人番号5000012010024)
  • 厚生労働省 医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課(法人番号6000012070001)


情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
  • 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
  • 内閣府 食品安全委員会(法人番号2000012010019)
  • 厚生労働省 医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課(法人番号6000012070001)
  • 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(法人番号9120905002657)
  • 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について


<お知らせ>

 報告書本文内の13、18ページの一部を修正いたしました。(2016年12月16日)


商品テスト結果トップページへ

ページトップへ