[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 商品テスト・回収情報 > 商品テスト結果 > 後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害

[2015年6月23日:更新]
[2015年6月4日:公表]

後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 国民生活センターでは2010年2月17日、「まつ毛エクステンションの危害」を公表し、消費者に注意喚起するとともに消費者庁に危害の未然防止・拡大防止を要望しました。これを受けた消費者庁は、厚生労働省に危害防止の更なる徹底を要請し、まつ毛エクステンションの施術に係る安全性の確保等についての検討が行われ、美容師の養成課程における教育の充実と消費者への情報提供等の取組の徹底が図られ始められているところです。

 PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、まつ毛エクステンションの施術を受けたことにより目が痛くなったなどの危害情報が2010年度以降の5年間で599件寄せられており、毎年100件以上で推移しています。また、医療機関ネットワークにも3件の情報が寄せられています。

 まつ毛エクステンションは美容行為であり、施術者には美容師の免許が必要ですが、警察庁によると、まつ毛エクステンションに係る美容師法違反での検挙事件数は2013年に大きく増えています。

 そこで、まつ毛エクステンションによる危害を減らすため、PIO-NETの最近の危害情報を分析するとともに、利用者の実態や、施術に用いられる接着剤などについて調査し、消費者に情報提供することとしました。

まつ毛エクステンションの施術例
施術前のまつげの写真 施術後のまつげの写真


相談の概要

  • 被害者の性別は、不明・無回答以外は全て女性でした。
  • 被害者の年代は、20歳代が38.2%、30歳代が35.7%、40歳代が17.2%で、20〜40歳代で90%以上を占めていました。
  • 「目が痛い」、「目が充血した」、「まぶたが腫れた、かぶれた」、「目がかゆい」といった事例が多く見受けられました。
  • 危害程度は「治療1週間未満」が31.4%、「医者にかからず」が35.2%でしたが、「1カ月以上」となる事例も4.0%ありました。


主な事例

【事例】施術中から液が目にしみて、施術後、目が痛くて充血し涙がとまらない。施術者は、美容師免許のない素人だった
2日前に、知人の紹介でまつ毛エクステンションをした。施術中から液が目にしみて「痛い」と伝えたが「もう少しで終わるので我慢するように。」と言われていた。施術が終わってからも、目が痛くて充血し涙がとまらない。どうしたらよいか。自宅でエクステをやっている人で、美容師免許を持っていないという。違法なことではないか。
【事例】施術の翌日に目が腫れ、医師の診察でエクステに使用した接着剤が原因のアレルギーと言われた
1週間前に無料情報誌を見てまつ毛エクステの施術を受けた。施術の翌日に目が腫れたため医師の診察を受けると、「エクステに使用した接着剤が原因でのアレルギー性結膜炎」と診断された。医師の治療により症状は改善している。


主な調査結果

まつ毛エクステンションの健康被害等に関するアンケート調査

 過去1年間に、まつ毛エクステンションの施術を受けたことのある10歳代〜50歳代の女性1,000人に対し、サロンの利用実態や健康被害等についてアンケートを行いました。

  • 7割近くの人が1回だけでなく複数回、まつ毛エクステンションの施術を受けていました。
  • 7割以上の人が、まつ毛エクステンションの施術者には、美容師免許が必要であることを知っていましたが、サロンを選ぶ際に、施術者が美容師であることを重視している人は約2割でした。
  • 施術者が美容師免許を持っていなかったと回答した人が約6%おり、半数近くの人は施術者が美容師免許を持っているかどうかを確認していませんでした。
  • 健康被害などのリスクについては、5割余りの人が「説明を受けて、十分理解」していましたが、体に異変や違和感があった場合に医療機関を受診するようにとの説明を受けたのは、約4割でした。
  • 4分の1の人がまつ毛エクステンションの施術を受け、異変や違和感を経験していました。
  • 「目の痛み、異物感」、「目、まぶたのかゆみ」、「目の充血」が多くみられました。
  • 異変や違和感は、施術中から2、3日後までにあらわれた人が多くいました。
  • 「施術中に接着剤が目に入った」、「接着剤が目やまぶたに触れていた」など、施術者の技術に起因していると考えている人が多くいました。
  • 半数以上の人が、サロンに異変や違和感があったことを伝えていませんでした。

施術に用いられる接着剤に関する調査

 インターネットで購入できるサロン用(業務用)の接着剤15銘柄について、成分や表示を調査しました。

  • 15銘柄中14銘柄からエチルシアノアクリレートが、2銘柄からブチルシアノアクリレートが検出されました。
  • 15銘柄中3銘柄で容器本体、パッケージまたは添付文書に成分表示がありませんでした。


消費者へのアドバイス

  • まつ毛エクステンションにより目やその周辺に危害が起きています。施術を受ける場合には、十分な注意が必要です。
  • 目やその周辺に異常を感じた場合には、直ちに医療機関を受診しましょう。
  • まつ毛エクステンションの施術で危害を受けたら情報提供しましょう。


業界・事業者への要望

  • まつ毛エクステンションの施術に用いられる接着剤について、より安全性の高い商品を開発するよう要望します。また、商品には主な成分等を表示し、トラブルが起こった際には原因が究明できるよう、成分情報の開示を要望します。
  • まつ毛エクステンションの利用者に対して、施術が可能であるかの確認を行い、健康被害などのリスクについて分かりやすく十分な説明を行うよう要望します。また、施術中や施術後に異常や違和感があった場合には、医療機関を受診することを周知するよう要望します。
  • まつ毛エクステンションに関する技術と知識を備えた美容師を早急かつ着実に育成するよう要望します。


行政への要望

  • まつ毛エクステンションの施術に用いられる接着剤について、安全性が担保されるよう対応策を検討するよう要望します。
  • 再度、まつ毛エクステンションに関する技術と知識を備えた美容師の早急な育成を業界に促し、併せて、利用者への健康被害のリスク等についての情報提供の取組の徹底を指導することを要望します。
  • 美容師法に抵触するおそれのある施術所及び施術者に関する相談事例がみられました。引き続き調査を行うとともに、問題があった事業者に対し指導することを要望します。


要望先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 厚生労働省 健康局 生活衛生課
  • 公益社団法人日本理容美容教育センター
  • 一般社団法人日本まつげエクステメーカー連合会
  • 全日本美容業生活衛生同業組合連合会


情報提供先

  • 内閣府 消費者委員会事務局
  • 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官
  • 厚生労働省 医薬食品局 審査管理課 化学物質安全対策室
  • 経済産業省 製造産業局 化学課
  • 経済産業省 商務情報政策局 サービス政策課
  • 公益社団法人日本眼科医会
  • 公益財団法人日本眼科学会
  • 日本臨床皮膚科医会
  • 公益財団法人日本エステティック研究財団
  • 一般社団法人日本エステティック振興協議会
  • 一般社団法人日本全身美容協会
  • 一般社団法人NEA日本まつげエクステ協会
  • 一般社団法人国際アイスタイリスト協会
  • 一般社団法人日本アイリスト協会
  • 一般社団法人日本眉目美容協会
  • 一般社団法人日本まつげエクステンション協会
  • 一般社団法人ビューティコンソーシアム協会
  • 特定非営利活動法人国際まつ毛エクステンション協会
  • 特定非営利活動法人日本ウイングエクステンション協会
  • 日本アイラッシュデザイナーズ協会
  • 日本アイラッシュリスト協会


業界の意見 ※2015年6月23日 追加

「株式会社テクニコ」より

 資料の内容につきましては、危害事例の詳細やグルーの安全性につきましての要望はもっともなことであり、大変重く受け止めました。

 検査いただいたグルーは主成分がエチルシアノアクリレートやブチルシアノアクリレートであり、これ自体は接着成分として需要が高い成分かと思います。しかし、トラブルが減少しないという事実を真摯に受け止め、商材メーカーとして、より安全性に近づく商品を提供する必要性があると思います。

 商材メーカー1社というよりも、現在加盟しております、まつれん(一般社団法人日本まつげエクステメーカー連合会)のような、メーカー団体において更なるルール作りをしていかなければ、トラブルの減少は1企業では無理なことだと感じます。

 また、技術的な適切な施術とカウンセリングのリスク説明を事前に行うことによって、問題となるような事例は、かなり減らすことができると思っております。

 弊社も、商材開発とスクール運営を行っている企業として、情報伝達や技術セミナーなど技術者様へのフォローをさらに強化して参りたいと思います。

株式会社テクニコ 代表取締役 渡邉久美



業界の対応 ※2015年6月23日 追加

「株式会社テクニコ」より

 今回の「後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害」の危害事例の詳細やグルーの安全性につきましての要望は、大変重く受け止めました。

 弊社は以前からまつれん(一般社団法人日本まつげエクステメーカー連合会)に加入しており、
・グルー主成分に「メチル」シアノアクリレート主成分のグルーを販売しない。
・ヒトパッチテスト(ヒト皮膚一次刺激検査試験)の検査
・ホルムアルデヒド検査
・グルー本体の成分の表示、日本語版SDSの保持
という基準を順守しております。

 また、技術的な面としては、説明書などに根元から1〜2mmの間隔をあけて、絶対に皮膚に付かないよう記載はしておりますが、定期的にチラシやweb等で、今回のような事例を挙げ、お使いいただく方に技術の確認をしていただくよう発信していく予定です。

 今回の要望を受けまして、まつ毛エクステの施術において、美容師免許、美容所での施術が義務付けられていることを弊社通販ページで明記するよう対処しました。

株式会社テクニコ 代表取締役 渡邉久美

「株式会社ビュプロ」より

 日頃、国民生活センターにおかれましては、まつ毛エクステンションの危害の未然防止・拡大防止にご尽力いただきありがとうございます。

 このたびは、まつ毛エクステンションによる危害実態を調査、分析され「後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害」でお示しされた実態と課題を真摯に受け止めております。

 ここで、国民生活センターからお示しいただきました消費者の安全性向上について、私ども株式会社ビュプロの用具製造販売事業者としての取組内容について申し述べたいと存じます。

 まず製品の安全について私どもは、一般社団法人日本まつげエクステメーカー連合会が定める業界自主基準に合格する接着剤のみを製造販売するとともに成分表示は必ず行っております。さらに、自主基準以上の厳しさをもってホルムアルデヒドの低発生のものを開発販売しております。

 次に、施術の安全性には、全国で頻繁(年15回ほど)に技術者・事業者に向けセミナーを催し、製造販売事業者として施術する技術者の技術の向上の支援と、製品取扱時における衛生管理および施術時の十分な室内の換気を促しております。また、ホームページに「まつげエクステとは」という題名で基礎的知識の再確認および安全にかかわる情報が速やかに入手できるような情報を掲載し、技術不足、知識不足による危害発生の未然防止に努めております。また、ここに掲載する情報は一般消費者も施術を受けるにあたっての必要な情報を得られるようにしております。

 今年6月から新たにカウンセリングシートをホームページ上で配布し(無料)、施術の流れ、注意すべきことを容易に把握できるようにし、美容所でのトラブルの未然防止に取り組んでおります。

 まつ毛エクステンションの事業にとり、その安全性がどれほど重要であるか強調してもしすぎることはないと存じております。私どもは、国民生活センターよりいただいた課題を克服すべくより安全な接着剤の開発と技術環境整備に取り組んで参ります。

株式会社ビュプロ 代表取締役 廣瀬涼子

「株式会社松風」より

 株式会社松風(以下「当社」という。)は、この度、国民生活センターがまつ毛エクステンションによる危害を減らすため、PIO-NETの最近の危害情報分析、利用者の実態及び施術に用いられる接着剤などについて調査し公表された「後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害」の資料に記載されている「消費者へのアドバイス」「業界・事業者への要望」「行政への要望」に賛同致します。そして、本資料の公表が、消費者トラブルを減少させるための安全性向上に関わる活動に深く貢献し指針を示すものであると確信し、全面的に支持致します。また、用具製造販売事業者として「より安全性の高い製品を開発するように」との当社に対するご要望を真摯に受け止め、より安全性の高い製品の開発に取り組んで参ります。

 当社におきましては、一般社団法人日本まつげエクステメーカー連合会が定める業界自主基準に沿った基準適合品の接着剤のみを販売しております。接着剤からホルムアルデヒドが発生することや、施術によってアレルギー発症の可能性がある旨等を説明書にも記載し、用具製造販売事業者としての必要最低限の責務として、以前よりサロン技術者や技術指導者の方々等に、安全性を追求した施術を行うために必要な情報をご提供して参りました。

 また、安全性を追求した施術を行う為に必要な情報が未だ十分に行き届いていないという状況を深刻に捉えており、当社公式WEBサイト内の情報資料提供ページ(全て無償)や、知識共有講習(全て無料)を通じて、サロン技術者や技術指導者及び販売代理事業者等を対象としたまつ毛エクステンションの指南書としての役割を担う「トレーニングマニュアル」をご提供しております。

 さらに、自ら学び習得した知識を確認し、また、誤認は直ちに修正し、より安全性の高い施術を行いたいという向上心の高いサロン技術者の方々に対して、「当社公認インストラクター試験活動」を実施しております。当該活動に関心を持ち、参加される方々は安全性への配慮に取り組まれているサロン技術者であり、生えて間もないまつ毛への接着、地肌や毛穴への接着、施術中にグルーが眼に入るような施術、コームブラシが通らないような毛束人工毛の使用等といった、安全性を追求した施術とはかけ離れた、トラブルにつながる危険性の高い施術をすることはありません。

株式会社松風 代表取締役 三本松征彦




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について


商品テスト結果トップページへ

ページトップへ