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[2015年1月26日:公表]

注ぎ口の笛部が溶けたやかん(相談解決のためのテストから No.82)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「先月購入したやかんの注ぎ口が溶けた。原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は、注ぎ口に沸騰すると音が鳴る笛の付いたやかんです。当該品の外観は、笛周辺の樹脂部が溶け、笛が脱落していました。また、注ぎ口先端部には樹脂が融着していました。

 梱包(こんぽう)箱の表示によると、当該品の笛部の樹脂は耐熱温度200℃のナイロン樹脂製でした。そこで、注ぎ口に残った樹脂の一部を切り取り、JIS S 2029「プラスチック製食器類」を参考に耐熱性を調べたところ、200℃では樹脂の変形はみられず、表示通りの耐熱性があることがわかりました。

 次に、同型品を入手して注意書きの使用方法に沿って炎がやかんの底面からはみ出さないように加減し、注ぎ口先端と笛部樹脂の先端に熱電対(温度センサー)を設置して沸騰するまでの温度を調査しました。水量を1.6L(適正満水量)とその1/4(0.4L)で試したところ、沸騰までの時間はそれぞれ約8分50秒、約2分40秒で、その間の最高到達温度は約97℃、約74℃と、いずれも笛部の樹脂の耐熱温度に達せず、苦情品のように溶けて脱落する状況は再現しませんでした。

 以上、当該品の溶けた笛部の樹脂は、表示された耐熱温度を満たしており、注意書きに沿った使用方法では、樹脂が溶けることはありませんでした。このことから、笛部の溶融は、炎が大きく底面からはみ出すなど、注ぎ口が異常過熱されるような状況で使ったことが原因と考えられました。

 依頼センターからテスト結果を相談者に説明し、了解されました。

 やかんの底面から炎がはみ出したり隣接するこんろの炎が笛部に当たると、笛部の樹脂が溶けることがあります。やかんをこんろにかけたときは必ず炎の大きさを調節し、隣接するこんろの炎が当たらないよう向きを調整する必要があります。



本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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