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[2019年4月17日:更新]
[2013年8月22日:公表]

子ども用の花粉防御用眼鏡の安全性−衝突や転倒などによる目の周辺のけがを防ぐために−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

 花粉防御用眼鏡は、花粉が目に入ることを防ぐため、フレームの張り出しが通常の眼鏡より顔面に近くなる形状となっています。国民生活センターでは、花粉防御用眼鏡をかけた子どもが他人や物にぶつかったり転んだりした際、花粉を防ぐための張り出しにより目の上をけがすることがあることがわかったため、「子ども用の花粉防御用眼鏡による顔のけがに注意」及び「運動中にぶつかり目の上にけがをした子ども用の花粉防御用眼鏡(相談解決のためのテストから No.38)」を2013年2月に公表し、消費者へ注意喚起を行いました。

 これを踏まえ、今回は子ども用の花粉防御用眼鏡について、形状や材質に係る安全性や視界の変化について調べ、消費者へけがを防ぐための安全な使用方法等の情報提供を改めて行うとともに、来シーズンに向けてより安全性に配慮した商品の開発を事業者に要望することとしました。


テスト結果

形状、材質の調査

  1. 額と張り出しの隙間を調べた結果、湾曲型の方が隙間が小さくなる傾向が見られました。湾曲型の中には額と接触する銘柄も見られました。
  2. 張り出しの材質はほとんどが硬質樹脂製でしたが、2銘柄は張り出しに軟質樹脂を使用していました。
  3. 転倒した際、張り出しの額に当たる可能性のある部分に鋭利と判断される危険な箇所がないか調べた結果、触れた皮膚が切れる危険性のある鋭利さであるとは判断されませんでした。

衝撃を受けたときの張り出しの材質による安全性の違い

 花粉防御用眼鏡を使用している最中に衝突、転倒するなどして張り出しにより額を強打した際の安全性について、張り出しの材質による違いがあるのかを調べた結果、軟質樹脂により皮膚に与えるダメージが軽減されました。

視界の変化についての調査

 花粉防御用眼鏡は、花粉の目への付着を防ぐためにフレームの周囲が顔面に向かって張り出す構造になっています。このような構造の眼鏡をかけた際に、視界を妨げるなどの影響がないのかを調べた結果、平面型に比べ、湾曲型の方が視界への影響は少なくなっていました。

表示の調査

  1. 一部の銘柄で「スポーツ」や「運動」に使用できる旨の表示がされていました。
  2. 衝撃や転倒に関する注意表示のないものが1銘柄ありました。このほか、フレームの張り出しによるけがの可能性について表示されているものは1銘柄のみでした。

消費者へのアドバイス

  1. スポーツや激しい運動などをする際には必ず外させましょう
  2. 初めて使用する際には視界の変化に十分慣れるようにするとともに、使用時には普段より周囲に注意を払うよう言い聞かせましょう

業界・事業者への要望

  1. 衝突や転倒などによるけがを防ぐため、より安全性の高い商品の開発を要望します
  2. 衝突や転倒などを防ぐため、視界の広い商品の開発を要望します
  3. 現状の商品には転倒や激しい衝撃を受ける可能性のある運動などに使用しないよう、表示の改善を要望します

要望先

  • 日本眼鏡関連団体協議会

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 消費者委員会事務局

動画

業界の意見 ※2013年9月20日 追加

「株式会社 アックス」より

 今回のテスト結果で軟質樹脂を使った張り出し部でお子様へのケガを防止又は軽減が可能との判断を得られた事は、安心してお客様に販売することが出来ます。尚、テスト(4)視界の見えにくさにおいて、当社は平面型を採用しており湾曲形に比べ見えにくくなると思われます。当社は目の悪いお子様も想定して、度付レンズを眼鏡店で加工可能なフレームとして販売している為、度付レンズ加工が制限される湾曲形への改良は考えておりません。フレーム張り出し部を透明にする事で視界を確保する所存です。

業界の対応 ※2013年9月20日 追加

「株式会社 エニックス」より

  1. 1)用途に関する表示

     販売並びに在庫商品につきましては、使用しているタグを直ちに取り外し「運動」という文字を削除したタグに取り替え致します。また、今後の販売する商品についても同様のタグを取り付けます。

  2. 2)衝撃、転倒等によるけがに関する表示

     商品タグに、「スポーツや激しい運動・作業をする際には使用しないでください」等印刷を加えて商品に取り付けます。

  3. 3)視界の変化についての調査

     商品説明に、「初めて使用する際には安全な場所で視界に充分に慣れるようにしてください。使用する時は普段よりも周囲に注意を払うようにしてください」と、付け加えます。

 以上、ご迷惑をおかけいたしました。

 今後、商品開発・製造の際には消費者の立場になり安全性を配慮し、かつ快適な商品を開発することを目指して参ります。


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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