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[2011年6月20日:更新]
[2011年5月26日:公表]

胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 葉酸は、水溶性のB群ビタミンの一種で、赤血球の形成や胎児の正常な発育に必要なことが知られており、特に胎児の障害リスクを減らせると考えられている。

 また、厚生労働省が、特に妊娠を計画している女性に対し、栄養補助食品等の利用も含め、十分な量を効果的に摂取するよう通知を出す等周知が図られている。

 一方、一般の野菜や果物といった食品中に含まれる葉酸は、体内での利用効率も50%程度といわれており、妊娠期の推奨量を日常の食事のみで満たすことは困難である。

 このような背景から、錠剤等の形態の葉酸が摂(と)れることをうたっている健康食品(栄養機能食品を含む)が多くの種類販売されており、妊娠を計画している女性等が、これらの商品を利用する際には、必要な量を適切に摂取できることが望ましい。そこで、葉酸を摂取できるとうたった錠剤、カプセルの健康食品26銘柄について、その葉酸含有量が表示通りであるか等を調べ、情報提供することとした。


主なテスト結果

葉酸含有量

  • 葉酸含有量(総量)の表示は、1銘柄を除き、ほとんどの銘柄で栄養表示基準における誤差の許容範囲内であった
  • 原材料に「葉酸」の記載のない銘柄でも、含まれていた「葉酸」のほとんどが健康食品等に添加されるものと同じ形態の利用効率の高い「モノグルタミン酸型の葉酸」であり、「食事性葉酸」が摂取できるわけではない

崩壊性(胃の中での溶けやすさ)

 胃の中で溶けにくいと考えられるものが2銘柄、「腸で溶ける」という表示があったが、胃の中で溶けてしまう可能性のあるものが1銘柄あった

表示について

  • 葉酸の摂取量に関する表示について
    • ※「食事性葉酸」と「モノグルタミン酸型の葉酸」との違いについて表示していた銘柄はなかった
    • ※葉酸の1日の耐容上限量に関して、具体的な記載があった銘柄はなかった
    • ※一日摂取目安量を守るように促す注意表示は約3分の1の銘柄でしか見られなかった
    • ※一日摂取目安量当たりの葉酸摂取量は、銘柄により150〜500μgと差があり、400μg摂れると表示された銘柄が最も数が多かった
    • ※葉酸の1日当たりの摂取量の目安に関する表示があった銘柄は約3割であった
  • 健康食品等の機能に関する表示について
    • ※機能に関する説明はおおむね問題なく表示されていた
    • ※栄養機能食品の2銘柄で対象とする栄養成分の名称(葉酸)が記載されていなかった
    • ※1銘柄で一日摂取目安量を食べた場合に摂れる葉酸が栄養機能食品の上限を超えていた
  • 注意表示について

     栄養機能食品に必要な摂取に関する注意喚起表示は、問題なく表示されていた

  • 原材料表示について

     原材料表示の記載の順番が間違っている可能性の高いものが2銘柄あった



消費者へのアドバイス

  • 食品に含まれる「食事性葉酸」と健康食品などで多く配合されている「モノグルタミン酸型の葉酸」では、利用効率が大きく異なるため摂取量には気をつける必要がある
  • 妊娠前後の通常より多くの葉酸を摂取する必要のある人を除いては、普段の食生活の中で摂取することを心がけることが大切である
  • 一日摂取目安量当たりで摂れる葉酸の量は銘柄によって異なる。妊娠前後の人が利用するに当たっては、自分の必要な葉酸量を把握し、用途にあったものを摂取するように注意する


事業者への要望

  • 健康食品等で使用されている「葉酸」は普段の食事から摂取する「食事性葉酸」とは体内での利用効率が異なるものであることを明記するよう要望する
  • 葉酸の1日の耐容上限量や一日摂取目安量を守る旨の表示についての具体的な表示を記載するよう改善を要望する
  • 3銘柄(6項目)で、健康増進法上問題となるおそれがあった。確認の上、改善を要望する
  • 一部の銘柄で、原材料表示がJAS法上問題となるおそれがあった。確認の上、改善を要望する


行政への要望

  • 消費者が葉酸に関する正しい理解を得るため、摂取の考え方や必要な摂取量など葉酸に関する情報について、表示を含めた消費者への効果的な情報提供の方法を検討するよう要望する
  • 消費者が適正な量の葉酸を摂取できるようにするため、耐容上限量や適切な量を摂取する旨の注意喚起に関する情報について消費者が正しく理解できるよう周知することを要望する
  • 3銘柄(6項目)で、健康増進法上問題となるおそれがあった。適切な指導を要望する
  • 一部の銘柄で、原材料表示がJAS法上問題となるおそれがあった。調査の上、適切な指導を要望する


要望先

  • 消費者庁 政策調整課
  • 財団法人日本健康・栄養食品協会


情報提供先

  • 厚生労働省 健康局 総務課 生活習慣病対策室
  • 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 母子保健課
  • 厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 新開発食品保健対策室
  • 農林水産省 消費・安全局 表示・規格課
  • 社団法人日本栄養士会
  • 社団法人日本産科婦人科学会


葉酸について

葉酸とは?

  • 水溶性のB群ビタミンで、細胞の分化に不可欠な栄養素です。赤血球の形成や、胎児の正常な発育に必要です。

葉酸はどれくらい摂ればよいの?

  • 葉酸にも色々種類がありますが、大きく2つに分けられます。
    • ※食材などに含まれている葉酸(「食事性葉酸」)
    • ※加工食品などに添加されている葉酸(「モノグルタミン酸型の葉酸」(プテロイルモノグルタミン酸))
  • 「食事性葉酸」は「モノグルタミン酸型の葉酸」に比べて体内での利用効率が50%程度といわれています。
  • 12歳以上の男女では、1日当たり「食事性葉酸」で240μgの摂取が勧められています。
  • 妊娠の1カ月以上前から妊娠3カ月までの間は、普段の食事に加えて「モノグルタミン酸型の葉酸」で400μgを摂ることが望まれています。
  • ただし、たくさん摂れば摂るほど良いというものではなく、1日に「モノグルタミン酸型の葉酸」で1mg(=1000μg)は超えないようにとされています。

葉酸を摂取する上で気をつけることは?

  • ごく最近の研究結果によると、サプリメントからの葉酸の摂取は、量やタイミングによっては胎児に何らかの影響を及ぼす可能性があるかもしれないという報告がされています。食事から摂る葉酸にはそのような心配がありません。


業界の意見 ※2011年6月20日 追加

「株式会社グリーンメディカル」より

 今回のご指摘、ありがとうございました。

株式会社グリーンメディカル 代表取締役 岡田 裕

「健康フーズ株式会社」より

 今回の商品テスト結果を真摯に受け止め、今後の弊社「葉酸」配合商品、またその他の健康食品の開発におきましても、参考にさせていただく所存です。

健康フーズ株式会社 企画開発部 主任 山崎 克志

「株式会社シナジーカンパニージャパン」より

 テストを拝見し、生活者に誤解のない表示に努めて参ります。

株式会社シナジーカンパニージャパン 代表取締役 若松 英輔

「ピジョン株式会社」より

【資料7ページ、(2)崩壊性について】

 弊社は葉酸プラスの腸崩壊性を確認する試験方法として、第十二改正日本薬局方(以下十二改正)の「崩壊試験、腸溶性の製剤」を適用しています。十二改正は第一液で試験を実施した後、カプセルを静かに取り出し、次いで第二液に浸漬し、継続して試験を行う方法となっており、この方法は胃(第一液)を通過し、腸(第二液)に達することを想定した試験方法です。本試験方法は、人体の消化の過程に近い試験方法であると弊社は考えております。

 弊社の行った十二改正の方法の結果では適合しており、弊社葉酸プラスの腸溶性に関しては問題ないと考えております。

ピジョン株式会社 開発本部 品質管理部 試験・評価グループ マネージャー 矢作 一朗

「山本漢方製薬株式会社」より

 試験結果には意見はありません。結果を真摯に受け止め、今後の商品開発、製造管理、品質管理に生かしていく所存です。

山本漢方製薬株式会社 お客様相談室 取締役 長尾 光浩



業界の対応 ※2011年6月20日 追加

「株式会社グリーンメディカル」より

 初回のロット以降は、適正な表示に改善しております。

 今後とも、よろしくお願い申し上げます。

株式会社グリーンメディカル 代表取締役 岡田 裕

「健康フーズ株式会社」より

 今回、商品テスト対象となりました弊社「葉酸」は2011年1月をもって製造終了となっておりますことご報告させていただきます。

 今後の製品開発に関しましては、今回ご指摘いただきました点におきましても課題とし改善とともに、更なる研究開発に努めてまいります。

健康フーズ株式会社 企画開発部 主任 山崎 克志

「株式会社シナジーカンパニージャパン」より

 勧告がありましたとおり、以下の内容を変更致します。

  • ラベル原材料一覧に「葉酸」を付記する。
  • 容量を守って摂取いただく旨の一文をラベルに記載する。(過剰摂取防止のため)
  • 葉酸の分量の表示にモノグルタミン酸換算であることを明記する。

 また、上記内容にしたがって、当社のホームページの表記も改めて参ります。

 ホームページ上では、モノグルタミン酸換算で1000μgが上限であることや、過剰摂取に注意する旨などを記載致します。

株式会社シナジーカンパニージャパン 代表取締役 若松 英輔

「株式会社バイタルケアーズ」より

 ご指摘頂きました3点(発表資料P7(1)(2)(4))につきましては、ラベル表示文言の修正を致します。

  1. (1)・・・現在、文言を検討中ですが、明記致します。
  2. (2)・・・現在、文言を検討中ですが、明記致します。
  3. (4)・・・「原材料表記」の枠外に「アルファルファから抽出した成分に、どういった加工(添加)を施して、モノグルタミン酸型にしているのか」を明記することで、消費者の誤解を招かぬよう、改善致します。

改善スケジュール(予定)
 7月度製造・出荷分よりラベル変更

株式会社バイタルケアーズ 営業部 中島 賢一朗

「株式会社ヘルスファーム」より

 当該製品の当社による栄養成分等の分析試験結果と今回の国民生活センターの発表における試験結果の内容には差異があるため、当社としては、この度改めて当該製品の分析試験を第三者機関に依頼した。この分析試験の結果、当該製品の表示との間に差異が認められた場合は、使用原材料の検査、製造工程の検証を実施し、当該製品の表示に適合する成分内容に調整する。その間の出荷は一時停止する。

株式会社 ヘルスファーム 取締役 丸山 俊史

「株式会社美高商事」より

 改善の必要性がありましたら、検討致します。

株式会社 美高商事 HEALTHY-One店舗支援室 Greenleaf事業部 篠田 知里

「山本漢方製薬株式会社」より

  1. (1)葉酸含有量
     テスト結果では390μgで、表示量440μg/2粒(1日量)に対して89%の含有量であった。葉酸の分解、測定誤差を考慮し今後の製造分は5%の増し仕込みを行う所存です。
  2. (2)崩壊時間
     葉酸粒は、製造時に崩壊試験を実施しており、製造時の製品についての試験では30分以内に崩壊しておりましたが、社内で保存し、一定期間経過後に再試験を実施したところ、一部に崩壊時間が30分を超える結果が出ましたので、1年前に内容変更(賦形剤の混合割合の変更)を行いました。この変更により、現在市場で販売されている製品の崩壊時間は、12分〜14分となっております。おそらく国民生活センターが試験を行った製品は、崩壊時間がやや長い従前の最終製品を使って行われたものと推測されます。
     いずれにしても、崩壊時間が経過時間により30分を超える製品を一時的とはいえ出荷したことについては、大変申し訳ないと考えております。今後はこのような製品は出荷されないために、製剤設計及び品質管理を厳格に行っていく所存です。
  3. (3)1日摂取量の制限
     国民生活センターの考え方に従い、製品パッケージのご注意欄に「一日の摂取目安量を守ってください」を追加いたします。

山本漢方製薬株式会社 お客様相談室 取締役 長尾 光浩




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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