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[2010年3月16日:更新]
[2010年2月17日:公表]

折りたたみ自転車(スポーツタイプ)のハンドルの固定力不足に注意!
−転倒し鎖骨を骨折する重大事故が発生−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 2009年9月、折りたたみ自転車で道路を走行中、ハンドルが外れて走行不能になり転倒し、右肩鎖骨を骨折するという重大事故が発生した(2009年9月8日、消費者庁が地方公共団体から通知があった旨を公表)。

 この自転車はタイヤサイズが26インチで7段変速を装備したスポーツタイプの折りたたみ車であり、フレームが折りたためるほか、レバーを操作することでハンドルステム(ハンドルを支える支柱)が車体から取り外せる構造であった。調査の結果、レバーで締め付けるハンドルステムが十分に固定できていなかったこと、ハンドルステムを最も下まで挿し込むと緩みやすいことが原因であると考えられた。

 そこで、同様の構造の5銘柄をインターネット販売で購入し、ハンドルステムの固定について調査して、消費者へ情報提供することとした。

写真1 折りたたみ自転車(スポーツタイプ)の一例
折りたたみ自転車(スポーツタイプ)の一例の写真

写真2 ハンドルステムを取り外し・固定するためのレバー
ハンドルステムを取り外し・固定するためのレバーの写真


主なテスト結果

レバーを締め付けるトルクの測定

使用者がレバーを締め付けるトルクは7〜8Nmと小さく、十分に締め付けることができなかった。

ハンドルステムの固定力の調査

(1)レバーを締め付けた直後のハンドルステムの固定力

いずれの銘柄もハンドルステムがホークステムに対して動いてしまうことがあり、固定力が不十分であった。

(2)繰返しの外力が加わった場合のハンドルステムの固定力の変化

ハンドルバーを左右に回転するような外力が繰り返し加わった場合、ハンドルステムを最も下げていると固定力が弱くなることがあった。

ハンドルステムの固定機構の調査

ハンドルステムを最も下げた状態でハンドルバーを左右にずらすと固定力が弱くなる原因は、ホークステムの内径が小さくなる位置に引上げうすが固定されることが一因と考えられた。

ハンドルステムの固定機構の注意表示の調査

車体にハンドルステムの固定について注意表示があったのは1銘柄だけであった。



消費者へのアドバイス

  • ハンドルステムの固定にレバーを用いているものは、十分な締め付け力が得られずハンドルが緩み重大な事故につながるおそれがあるので、購入の際はよく検討すること。
  • 使用中のものにあっては、ハンドルの高さによってハンドルステムの固定力が低くなる場合があるので、乗車前には前車輪とハンドルがずれることがないか十分に確認する。


事業者への要望

  • 誰が操作してもハンドルステムの固定力が不足することがないように、固定機構の改善を要望する。
  • ハンドルステムを最も下げた状態では、ハンドルバーが左右に回転するような外力が加わると固定力が低下することがあるので改善を要望する。


情報提供先

  • 消費者庁 消費者情報課 地方協力室
  • 経済産業省 製造産業局 車両課
  • 社団法人自転車協会


動画



業界の対応 ※2010年3月16日 追加

「株式会社タイセー」より

 貴センターよりご指摘賜りました項目に関して、対応策をご報告いたします。

<ご指摘内容>

車種:A−101(avisports)生産国:中国(GSB社)

  1. 1.ハンドルステムの締付トルク不足
    該当車種は引上げ棒の上端にレバーが付いた一体構造となっている。
    そのレバーの長さは約90mmで、モニターテストによる締付トルクの平均値は8.4Nmであり、このトルク値ではハンドルステムの固定力は不十分である。
  2. 2.ホークステム内の形状
    該当車種のホークステムは、深さ90mmを境にして深くなるほど内径が狭くなっている。この部分にハンドルステムの先端、および引上げウスが達すると、ホークステム内壁との接触面積が狭くなり、ハンドルバーに左右繰り返しの外力が加わった際に、固定力が急に弱くなる。

<ご指摘内容1.に対する、既存のユーザー様への対応策>

レバーが短い故のトルク不足ですので、延長パイプの類を用いてレバー長を伸ばし、大きなトルクをかけられるよう注意喚起します。
通常通りレバーのみでハンドルステムを固定した後にシートポストを抜きます。シートポストはパイプ状になっていますので、これを利用してレバー長を延長します。レバーにシートポストを被せ、シートポストのサドルに近いほうを握ってレバーを締めます。

<ご指摘内容2.に関する、既存のユーザー様への対応策>

ハンドルステムを深く挿し込みすぎないよう注意喚起します。
該当車種のハンドルステムの、ホークステム内に挿し込める長さは約105mmです。
ハンドルステムの先端が、ホークステムの上端から約90mm下がった位置以下にならないようにするため、ハンドルステムを一番下まで挿し込んだ状態から、約20mm(約5mm余裕をみています)引き上げていただきます。目安は10円玉の直径です。

既存のユーザー様への上記2点の対応策は、
http://www.taisey.co.jp/importantnews-2010-02-ts.html
にてご案内中です。

<ご指摘内容1.に関する、今後の生産ロットへの対応策>

引上げ捧と一体になったレバーを廃止し、別途、アーレンキーによる締付方式に変更します。
アーレンキーはサイズ6mm、長さ180mmほどのものをセットします。

<ご指摘内容2.に関する、今後の生産ロットへの対応策>

ステムの長さを150mmから125mmに変更します。
これにより、ハンドルステムのホークステム内への挿し込み量105mmが80mmになり、ハンドルを最も低い位置にセットした際に、ハンドルステムの先端部および引上げウスの下端部が、ホークステム内の内径が狭くなっている箇所に届かないようにします。

既存のユーザー様への対策につきましては、平成22年2月15日に経済産業省へのリコール開始届出の後、WEBページおよびメールにて告知を行っております。
今後の生産ロットの対策につきましては、改良品の手配が済み次第、順次生産予定となっております。

株式会社タイセー 自転車事業部 住村 和宣

「ビーズ株式会社」より

このたびのテスト結果を受けまして、下記の通り対応を検討または実施いたします。

  1. 1)ハンドルの固定方法につき、「レバー式」から、工具を用いて確実に固定できる方式への変更します(次回生産時より)。
  2. 2)ハンドルステムを最も下げた状態での固定力の低下が発生しないよう、ホークステムの内径の変化が発生しない構造・製造方法を検討します。
  3. 3)引上げうすにつき、下端が直角であり接触部の面積が広いものを使用します(次回生産時より)。
  4. 4)「ハンドルステム固定についての注意表示」および「ハンドルステムを最も下げて固定しない旨の注意表示」(以下の*)を、ハンドルバー上へ貼付します。
    *警告
     ハンドルバー、ハンドルポストが確実に固定されていることを確認の上、ご乗車ください。
     ハンドル高調整が可能な車種の場合、ハンドル高を最も低い位置で固定することはおやめください。
  5. 5)取扱説明書内において、冒頭および日常点検・ハンドル調整の項目に対し、4)同様の注意書きを追記するとともに、ハンドル固定力を確認する方法を記載します(次回生産時より)。
  6. 6) 弊社ホームページ上にて、上記の対応項目、ハンドルの固定に関する注意およびハンドル固定力の確認方法について、掲載を行ないます(2010年2月19日公開済)。

関連URL:http://www.doppelganger.jp/support/notice/

ビーズ株式会社 製品開発部 製品開発課 常務取締役 益田 淳二




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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