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[2009年6月4日:公表]

自転車の荷台の強度−幼児座席を安全に使用するために−

 幼児の送り迎えなど、自転車の前後に幼児座席(自転車用補助椅子)を取り付け2〜3人で乗っているのをよく見かける。現在は自転車の前後に幼児座席を取り付け幼児を2人同乗させるのは各都道府県の公安委員会規則(道路交通規則)に違反であり、自転車も幼児2人を同乗させることを想定した設計にはなっていないが、今夏には、公安委員会規則の改正に合わせて幼児2人を自転車の前後に乗せることができる自転車も販売される見込みである。

 PIO‐NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、「自転車の荷台の後部支柱が脱落し、幼児座席ごと脱落して子供が交差点で頭から転落、病院へ行った」、「自転車の前後に子供を乗せて走行中、幼児座席を付けた荷台を止めるネジが外れ、子供が放り出されて転落し脳しんとうを起こした」など、自転車の荷台の強度に関する相談が2004年度からの5年間で14件(注1)寄せられている。荷台の積載荷重の上限を超えて強度不足の状態で使用すると、幼児座席が荷台ごと脱落し大きな事故につながるおそれがある。

 一般的な自転車(シティ車)の荷台の積載荷重の上限はほとんどが18kgであり、6歳児(平均体重21kg(注2))を乗せて走行すると積載荷重オーバーの状態となる。

 そこで、自転車の荷台に幼児座席を取り付けて使用したとき、荷台の強度に問題が発生しないかテストするとともに、荷台の強度に関する表示内容の調査も実施する。また、幼児座席の使用実態などに関する消費者アンケートも併せて実施し消費者へ情報提供することとした。

(注1)2004年度以降受付、2009年3月末までの登録分。本調査のため事例を確認したもの。
(注2)文部科学省 平成20年度学校保健統計調査


テスト結果

 テスト対象銘柄は、荷台を初期装備したシティ車4銘柄と、カタログ等で幼児座席を取付可能としているシティ車3銘柄の計7銘柄とした。全てスーパーやホームセンターなどで販売されている車輪径が26インチのものである。また、自転車の部品として販売されている荷台(積載荷重の上限が25kgのもの)を参考品とした。

耐久テスト

22kgのダミー人形を幼児座席に乗せ横方向の振動試験を行ったところ、積載荷重の上限が18kgであるものの多くは破損した。

写真1.荷台が破損し、幼児が幼児座席ごと後方へ落下した様子
写真1

日本工業規格(JIS)テスト

JIS規格に基づき荷台の強度試験を行ったところ、ほとんどの銘柄で基準を満たしていたが、1銘柄は基準を満たしていなかった。

寸法測定および材質調査

幼児座席を取付可能としている自転車は、太いステンレス鋼を用いているか、パイプ式の構造にしているなど工夫がみられた。

表示

自転車や荷台を見ただけでは、幼児座席が使用できるかわからず、積載荷重の上限もわからないものが多かった。



消費者へのアドバイス

  • 「18」、「C-18」、「CLASS18」などの刻印のある荷台は、積載荷重の上限が18kgであり、幼児座席を使用する場合は15kgまでの幼児を乗せることができることを示している。幼児の体重が15kgを超えている場合は安全のため使用しないこと。
  • 幼児座席を取り付ける場合は、積載荷重の上限が大きい荷台を初期装備した自転車を使用すること。
  • 荷台の振れ幅が大きい、きしみ音がするなど異常を感じたら幼児を乗せないこと。荷台にひび割れやネジのゆるみがないかなど安全確認を定期的に行うようにすること。


業界への要望

  • 幼児座席の使用が可能か否かの表示と積載荷重の上限の表示をわかりやすく明確にするよう要望する。
  • 自転車業界と幼児座席業界が連携をとり、荷台を初期装備した自転車を販売する際は、体重が22kg程度の幼児を乗せても問題のない十分な強度をもった自転車を普及させるよう要望する。


行政への要望

  • 荷台の日本工業規格(JIS D 9453)の刷新を要望する。


要望先

経済産業省 製造産業局 車両課
経済産業省 商務情報政策局 商務流通グループ 製品安全課
社団法人 自転車協会



情報提供先

内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報室
警察庁 交通局 交通企画課
経済産業省 商務情報政策局 商務流通グループ 消費経済政策課
財団法人 自転車産業振興協会



動画



業界の意見 ※2009年6月19日 追加

「社団法人自転車協会」より

 「幼児座席の使用が可能か否かの表示と積載荷重の上限の表示をわかりやすく明確にするよう要望する」という業界への要望について、各社の取扱説明書には、幼児座席の取付けについて可能か否か及び積載重量の上限は記載されている。

 荷台本体には、刻印で「C18」、「18」、「MAX18kg」、「CLASS25」等の表示はされているが、利用者にはこの表示だけでは、「幼児座席の取付について可能か否か」及び「積載重量」についてわかりにくいと思われる。

 荷台本体または自転車の他の場所に、「幼児座席の取付可否」及び「積載重量」についてわかりやすい表示をすることは、お客様に安全にご使用いただくために必要なことと考えられ、今後自転車業界全体で検討する。

 「自転車業界と幼児座席業界が連携をとり、荷台を初期装備した自転車を販売する際は、体重が22kg程度の幼児を乗せても問題のない十分な強度をもった自転車を普及させるよう要望する」という業界への要望について、荷台を初期装備した自転車のすべてに、クラス25の荷台を装備する場合は、自転車の安定性及び幼児座席を使用しない利用者のことを考慮するべきと考える。

 但し、幼児座席を使用する利用者のことを考慮し、22kg以下用の幼児座席が取付け可能か否かで自転車を区分し、22kg以下用の幼児座席が取付け可能な自転車のみに「クラス25」の荷台を装備するという対応は必要と考えられ、今後自転車業界全体で検討する。

社団法人自転車協会

「ブリヂストンサイクル株式会社」より

 ご指摘につきましては、真摯に受け止め改善を推進していきます。

 御要望のありました内容(幼児座席の使用可否や積載荷重の上限の表示方法、充分な強度を持った荷台を装備した自転車の普及)を踏まえ、弊社と致しましては、お客様の安全確保を第一に考え、幼児座席使用時の注意喚起の表示方法の改善を推進すると共に、弊社ホームページを通じた安全情報の提供、そしてより安全な自転車の開発・普及に継続して努力してまいります。

 尚、首記テストの対象となりました弊社の商品(BRID,YUUVI)は、いずれもJIS規格の表示はしておりませんが、BRIDに関する静的強度試験(側方)のたわみ量について、更なる品質管理の充実に努め改善を進めてまいります。

ブリヂストンサイクル株式会社 品質保証第2部 部長 鈴木孝男




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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