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[2011年8月12日:更新]
[2008年8月7日:公表]

関節に良いとされる成分を含む「健康食品」

 厚生労働省の調査によると、手足の関節痛の自覚症状がある人は65歳以上の男性の約10.5%、女性の約17.8%に及び、男女とも2番目に多い症状となっている。一方で、関節症で通院をしている人は65歳以上の約6.4%にとどまっている。関節痛、神経痛の緩和等の効果を持つ医薬品の中には、コンドロイチン硫酸ナトリウムが配合されたものがある。一方、関節に良いとされる、「いわゆる健康食品(以下、「健康食品」とする)」も数多く販売されているが、その中にはコンドロイチン硫酸を含む商品が多い。また、グルコサミンも関節の痛みを改善する、関節の動きを滑らかにするなどと言われる物質であり、多くの「健康食品」に配合されている。

 PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、コンドロイチン硫酸やグルコサミンを含む「健康食品」についての相談が約5年間(2003年4月〜2008年5月30日までの登録分)で1193件寄せられており、その中には「効果があるのか心配」、「成分について知りたい」など「品質・機能」に関する相談が329件寄せられている。

 そこで、関節に良いとされる、コンドロイチン硫酸及びグルコサミンを含む「健康食品」について、成分の含有量や胃の中での溶けやすさ、表示の調査等のテストを行った。さらに、含有成分に関する事業者アンケートも併せて行い、消費者に情報提供することとした。


主な調査結果等

コンドロイチン硫酸量

  • コンドロイチン硫酸量が表示されていた銘柄は、表示量に比べて実際の含有量が大幅に少なかった。また、コンドロイチン硫酸を含む原材料等の表示量は、実際の含有量の目安にはならなかった。
  • サメ由来のコンドロイチン硫酸を含有する原材料を配合している旨の表示があった16銘柄のうち、陸生哺乳動物由来のコンドロイチン硫酸を含む原材料が配合された可能性が高い銘柄が6銘柄あった。そのうち3銘柄は陸生哺乳動物由来の原材料名の表示がなく、JAS法上問題がある可能性が高いと考えられた。

グルコサミン量

  • グルコサミン量が表示されていた銘柄は、含有量と表示量に大きな差はなかった。

胃の中での溶けやすさ

  • カプセルや錠剤が胃の中で速やかに溶けて消化するか、医薬品の試験方法を参考に「健康食品」の溶けやすさ(崩壊性)を調べたところ、胃の中で溶けにくいと思われる銘柄が18銘柄中9銘柄あった。

表示について

  • 大部分の銘柄はコンドロイチン硫酸を含む原材料の量を表示しており、実際に含まれるコンドロイチン硫酸量は分かりにくかった。医薬品に匹敵若しくは上回る量のコンドロイチン硫酸を含むと消費者が誤認するおそれがあると思われた。
  • 大部分の銘柄に、関節に関するうたい文句やイラストが表示されており、これらの商品が関節痛に良いというイメージを消費者が受けるおそれがあると考えられた。また、8銘柄にはコンドロイチン硫酸若しくはグルコサミンに関するうたい文句が表示されていた。
  • テスト対象の「健康食品」について、商品に表示された製造者又は販売者以外の事業者が運営するインターネット販売サイトに掲載された広告を調べたところ、医薬品の効果・効能と類似した表現がみられ、薬事法に抵触するおそれがあると考えられた。

事業者へのアンケート調査

  • 大部分の事業者はコンドロイチン硫酸量のデータを所有していたが、商品の表示には反映されていないことが分かった。
  • コンドロイチン硫酸ナトリウムは関節痛の緩和等の目的で医薬品に配合される成分であり、「健康食品」に配合されるコンドロイチン硫酸も同様の生理作用を示すと考えられるが、一日摂取目安量設定の根拠は事業者によってまちまちだった。


消費者へのアドバイス

  • 関節痛の緩和など具体的な疾病の治療を目的とする場合は、医薬品を使用するのが良い。「健康食品」は、錠剤やカプセルが胃の中で溶けにくいものがあるなど、品質上も問題があった。


業界への要望

  • 関節に良いとされる成分を含む「健康食品」について、コンドロイチン硫酸量及び原材料名表示の改善を要望する。
  • 胃の中で溶けにくいと思われる銘柄があったため、製造方法を見直し、改善するよう要望する。
  • インターネット上の広告について、薬事法に抵触するおそれがある表現がみられたため、改善を要望する。


行政への要望

  • 関節に良いとされる成分を含む「健康食品」について、コンドロイチン硫酸量の表示及び品質を改善するよう、事業者の指導を要望する。
  • 原材料名の表示がないにもかかわらず陸生哺乳動物由来の原材料を含む可能性が高く、JAS法上問題があるおそれがある銘柄があった。使用原材料について調査の上、問題があった場合には指導の徹底を要望する。
  • インターネット上の広告について、薬事法に抵触するおそれがある表現がみられたため、指導の徹底を要望する。


要望先

厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 基準審査課 新開発食品保健対策室
厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課
農林水産省 消費・安全局 表示・規格課
公正取引委員会事務総局 取引部 消費者取引課 景品表示監視室
財団法人 日本健康・栄養食品協会
社団法人 日本通信販売協会



情報提供先

内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報室
内閣府 食品安全委員会事務局 情報・緊急時対応課
農林水産省 消費・安全局 消費・安全政策課



業界の意見 ※2008年9月2日 追加

「インターナショナルヘルスサービス株式会社」より

 今回テスト検体となった「コンドロイチン&グルコサミン」は、2008年3月に製造工場を変更し、今回ご指摘いただいた点を含む問題点を改善したリニューアルを行いました。検体の購入時期から、検査は旧製品に対して行われたものです。現在一般に流通している製品では、特に錠剤の崩壊しやすさについては、形態を変え、水中においても崩壊しやすいものとなっております。

 コンドロイチン硫酸量は、原料であるコンドロイチン含有鮫軟骨抽出物に含まれる成分の一つであることから、コンドロイチン含有鮫軟骨抽出物の表記含有量よりも少なくなります。この表記法も、消費者保護を第一に考え、コンドロイチン硫酸の量を記載するなど、必要な改善を行って参ります。

 「イラストが関節をイメージさせる」というご指摘については、製造工場が管轄保健所と協議の上で決定したイラストであり、問題ないと考えておりました。今回のご指摘を真摯に受け止め、消費者の目線に立った商品開発に活かして参ります。

インターナショナルヘルスサービス株式会社 栄養・健康相談室 関川幸枝



「株式会社S・S・I」

「株式会社S・S・I」より

 この度の指摘事項(陸生哺乳動物由来のコンドロイチン硫酸を含む原材料が配合された可能性が高い)について、弊社が「安心グルコサミン」を製造委託している株式会社協和ウェルネス及び株式会社協和ウェルネスに「サメ軟骨抽出物」原料を納品している焼津水産化学工業株式会社に問合せ、確認した結果、焼津水産化学工業株式会社からは「サメ軟骨以外の原材料は使用していない」旨の確認書面が届き、株式会社協和ウェルネスよりは「安心グルコサミン」の製造工場は、(財)日本健康・栄養食品協会の健康補助食品GMP認定工場であり、健康補助食品GMPに則った品質保証体制を確立し、原料の受入時に、原料メーカーの試験成績書を確認している事。また、「安心グルコサミン」の製造記録についての確認をし、焼津水産化学工業株式会社のサメ軟骨抽出物(製品名:マリンカーテリッジS)を使用したことを確認しました。

 この二社からの事実確認報告により、弊社の「安心グルコサミン」に使用している「サメ軟骨抽出物」において、貴センターの指摘事項である陸生哺乳動物由来のコンドロイチン硫酸を含む原材料は一切使用していない事を改めましてご報告申し上げる次第です。

 指摘の拠り所となった分析については、焼津水産化学工業株式会社において調査中です。

 また、コンドロイチン硫酸の表示量及び関節に関する表示につきましては、ご指摘のように消費者の誤解を招くおそれがあるかもしれませんので、行政の指導及び業界団体との相談の上、表示の見直しについて検討してまいります。

株式会社S・S・I 代表取締役 竹口雅之

「株式会社S・S・I」への商品テスト部の見解

 コンドロイチン硫酸の不飽和二糖の種類の比が、サメや陸生哺乳動物各々種類によって異なっていることが分かっており、今回のテスト結果では、御社の最終製品には陸生哺乳動物由来のコンドロイチン硫酸が含まれると判断されます。原材料及び製造工程どの段階で陸生哺乳動物が含まれたのか分かりませんが、サメ由来のコンドロイチン硫酸であると表示する場合には、陸生哺乳動物由来のコンドロイチン硫酸が混入しないよう改善を求めます。



「株式会社テルヴィス」より

 ヒデ薬品ブランドのコンドロイチン&グルコサミンはご指摘のとおり、表示に問題がありますので、即回収することにしました。又、別の商品もチェックし問題があれば即訂正するようにいたします。

株式会社テルヴィス 代表取締役 立*秀
注:*は、「崎」の右上部を「大」に代えて「立」とする文字です。



業界の対応 ※2011年8月12日 追加

「CRN JAPAN(日本栄養評議会)」より

 CRN JAPAN(日本栄養評議会)は『関節に良いとされる成分を含む「健康食品」』の商品テスト結果に関しまして、改善策を検討すべく、コンドロイチン硫酸含有ムコ多糖蛋白部会を設立し検討致しました。

1.コンドロイチン硫酸量の分析法
 研究用試薬として販売されている「コンドロイチン硫酸Cナトリウム」(サメ軟骨由来、医薬品グレード)を標準品と定義して、HPLCによる新たな分析法を確立しました。本法については、第三者試験機関において分析法バリデーションを行い、その妥当性が確認されています。
2.基原原料の判別方法
 サメの種類・部位による4S/6S比を検討した結果、種類・部位によって違いはあるものの6S優位であることが分かりました。しかし、判定基準値の設定は今後の検討課題であると考えられます。微量のコンタミネーションを判別するための補完的手段としては、PCR法によりDNA配列分析で確認することとしました。
3.原材料表示
 原材料表示は食品原料として医薬品原料との違いを明確にするため、「サメ軟骨抽出物」、「ムコ多糖蛋白複合体」などの表記が望ましいと考えられました。
 さらに、基原動物の記載を徹底するよう周知することとしました。

詳細につきましては、CRN JAPAN(日本栄養評議会)のホームページ http://www.crnjapan.org/ より「事業・活動」をご覧ください。

CRN JAPAN 理事長 臼杵 孝一




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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