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[2012年10月11日:更新]
[2008年5月8日:公表]

携帯電話機の水濡れによる不具合

 従来から携帯電話機の多くは防水機能がない。前回のテストでは、汗で濡れたポケットの中で長時間携帯するなどにより内部が腐食し通話できなくなる場合があることを公表した(1999年9月)。その後、携帯電話機は多機能化とともに構造も変化している。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には水濡れによる故障についての苦情相談が最近5年間で1,013件寄せられており「携帯電話機が故障した。水濡れによる錆なので有償修理になると言われたが納得いかない」、「雨の中、ズボンのポケットに入れていたら故障した。この程度の水濡れで故障するのは欠陥品ではないか」のように使用者に水濡れの認識がないケースが多いほか「携帯電話機が故障したが、水濡れ判定シールが反応していないのに水濡れによる腐食だとして補償されない」のように水濡れ判定シールが水濡れ状態を示していないにも係らず水濡れにより基板が腐食というケースもある。そこで、消費者アンケートで携帯電話機の使用実態や水濡れトラブルの経験を明らかにするとともに、使用実態を反映したテストを実施し、消費者に情報を提供することとした。


主な調査結果等

携帯電話機の水濡れに係る苦情相談と携帯電話事業者の対応について

 携帯電話機の水濡れに関して、国民生活センター及び各地の消費生活センターには消費者から多くの苦情相談が寄せられている。苦情相談の問題点して、(1)消費者は水濡れをするような使い方はしていないのに、携帯電話事業者から携帯電話機の不具合の原因が水濡れであるということを指摘される、(2)携帯電話機に付けられている水濡れ判定シールが変色していない場合でも、水濡れと判断されることがあるなど、消費者・事業者双方の主張にはかなりの隔たりがある。

消費者アンケート

 消費者489人を対象にアンケートを実施した。現在所有している携帯電話機について聞いたところ、防水機能があるのは1割以下と少なく、2割近い人が防水機能の有無について知らなかった。使用状況について聞いたところ、水濡れの可能性がある状況は多くの人が経験していた。水濡れによる不具合について聞いたところ、2割の人が完全に水没させたことがあり、1割の人は覚えがないのに販売店で「水濡れしている」と指摘されたことがあった。また、水に濡れる可能性がある様々な使用状況について多くの人が「これぐらいでは故障しないだろう」と思っていた。

雨の中で繰り返し使用した場合

  • 雨の中で繰り返し使用すると、防水機能がない銘柄の中ではディスプレイが消えボタン操作に反応しなくなって使用不能となったものがあった。分解して内部を調べると、水が浸入した痕跡が確認できた(写真1参照)。

濡れた手で繰り返し操作した場合

  • 濡れた手で操作すると、防水機能がない銘柄の中では正常に起動せず使用不能になるものや、ボタン操作に反応しなくなるなどして一時使用不能になるのがあった。水濡れ判定シールを確認すると、パターンが滲んでいたものがあった(写真2参照)。

周囲が高温高湿であったり温度や湿度が急に大きく変わった場合

  • 周囲が高温高湿であったり温度や湿度が急に大きく変わった場合、防水機能がない銘柄の中ではボタン操作に反応しなくなって使用不能となったものがあった。また、水濡れ判定シールが滲んだものがあった。

水没させた場合

  • 数秒間でも水没させると、防水機能がない銘柄の殆どで様々な不具合が生じ使用不能となったものがあった。また、防水機能がない銘柄全てで水濡れ判定シールが滲んだ。

水濡れに関する注意表示

  • 防水機能がない銘柄全てにおいて、本体には防水機能の有無や水濡れについての注意書きはなかったが、取扱説明書には水濡れを禁止する旨の表示があった。

写真1.水が浸入した痕跡の一例(基板が腐食していた)
写真1

写真2.水濡れ判定シールのパターンが滲んだ一例
写真2



消費者へのアドバイス

  • 水で濡れる使い方を日常的に繰り返すと、不具合の原因になったり、水濡れ判定シールが反応することがある。いずれも故障した場合は有償修理となったり、修理を断られることもあるので注意する。
  • 水で濡れる使い方をする人は、購入の際に防水機能がある機種を選択するとよい。
  • 万一水没させてしまったときには、速やかに電池パックを取り外して販売店に持参する。


業界への要望

  • 取扱説明書に禁止事項として記載された使い方を日常的に経験している人が多かったので、消費者への周知徹底を要望する。
  • 実際の使用では、「雨がかかる」など水で濡れる状況が多い。日常の軽微な水濡れで不具合を生じないよう改善を要望する。
  • 水濡れに関する故障の場合、消費者に一方的な負担をさせないことを要望する。


要望先

社団法人 電気通信事業者協会



情報提供先

内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報室
経済産業省 商務流通グループ 消費経済政策課
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 消費者行政課
情報通信ネットワーク産業協会




本件連絡先
商品テスト部 電話 042-758-3165
相談部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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<追記>

 本報告書本文内5ページ表3において「携帯電話機の水濡れに係る携帯電話事業者の対応」を記載しているが、NTTドコモは2012年4月より対応を変更し、「携帯電話の内部基板の腐食」と「水濡れシールの反応」を水濡れと判断する根拠としている。(2012年10月11日 国民生活センター)


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