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[2008年4月10日:公表]

住宅用分電盤のトラブルに注意!−電気の安全調査の実態も含めて−

 最近、家庭内の燃焼機器(ガスコンロ、ストーブ等)を、電気機器(IHクッキングヒーター、エアコン等)に置き換えることで、安全・クリーンであることをうたったオール電化住宅が増加しており、電気への依存度が高まってきている。一般家庭の電気設備の安全確保を行うためには、電気事業法に基づき電力会社が4年に1回行う定期調査を確実に受けることが重要である。

 PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)によると、2002年度以降2008年2月末までに寄せられたブレーカー等の電気・電気設備に関係した相談内容のうち、単相3線式の配線方式で発生する中性線欠相(注1)に関する事例が少なくとも58件(注2)あり、特徴的な事例としては、「帰宅して電気製品のスイッチを入れたところ突然、蛍光灯や電球が切れ、多くの家電製品が故障した」や、「自宅マンション内の漏電防止ブレーカーのねじの緩みで過電圧が加わった。電気製品の修理代が40万円かかった」等、家電製品が故障するケースが多く見られた。

 そこで、消費者に対し、電気設備の定期調査等についてアンケート調査を行うとともに、電力会社にも定期調査の現状や、中性線欠相についてアンケート調査を行った。また、分電盤の事故で多く見られた中性線欠相について、テレビや蛍光灯器具などを使用して再現テストを行い、各部の電圧や機器の状態を調べ消費者へ情報提供することとした。

(注1):3本の配線のうち真中の線(中性線)が、接続部等で緩んだり、断線したりした状態
(注2):PIO-NETの検索・集計機能を用いることができないため、「電気」「電気設備」に関する苦情相談情報の中から各事例を個別に精査したものである


主な調査結果

事業者アンケート

  • 定期調査の日程の通知は、各電力会社とも契約者宅に訪問して行い、定期調査には各社とも2回まで訪問すると回答があった
  • 定期調査の際に屋内の分電盤等の調査ができず、屋外の調査のみで終了した件数は16〜40%で、各電力会社により大きな違いが見られた
  • 不良通知件数は全体の約2%で、「屋外配線の不良」や「接地工事不良」が多かった
  • 中性線欠相保護機能が付いていない漏電遮断器を使用している契約者数を把握していたのは10社中1社のみで、単相3線式の契約者の約23%(351万件)であった
  • ほとんどの電力会社が中性線欠相を防止するため、パンフレットで中性線欠相保護機能付きの漏電遮断器を薦めていた
  • 中性線欠相が起きたときの電力会社の対応は、電力会社の設備で欠相した場合には電力会社の責任、契約者の所有物で欠相した場合には契約者の責任との回答であった

消費者アンケート

  • 回答者の半数以上(52%)が電気設備の定期調査について知らなかった。また、点検を受けたことを覚えていた人の約3割が、点検日に立ち会わず、屋内の調査も行わなかった
  • 分電盤等の電気設備が使用者の所有物であることを知る人は半数以下(42%)と少なかった
  • 中性線欠相について知っている人は19%と少なかった

中性線欠相事故の再現

  • 中性線欠相事故を再現するため、蛍光灯器具(70W)、冷蔵庫365L(93W)、液晶テレビ32V型(動作時152W/待機時0.1W)、セラミックファンヒーター(1200W)を準備した。
  • 蛍光灯器具とヒーターを接続して中性線欠相を起こすと、蛍光灯器具に185Vの電圧が加わり点滅を繰り返した後、点灯しなくなった。冷蔵庫とヒーターの場合は冷蔵庫に178Vの電圧が加わり運転が停止した。液晶テレビとヒーターの場合、液晶テレビが動作状態では故障しなかったが、待機状態にすると、198Vの電圧が加わり10秒ほどで背面パネルから発煙した(写真1)。これらの結果から、中性線欠相が起きた場合、消費電力が大きい側の電圧は低下し、消費電力が小さい側の電圧は上昇することがわかった。なお、中性線欠相保護機能付き漏電遮断器について、中性線欠相を起こした場合の動作を確認したところ、瞬時に過電圧を感知して電気を遮断した。

写真1.待機状態で発煙した液晶テレビ
背面パネルから発煙している



消費者へのアドバイス

  • 4年に1回の定期調査の際には、点検に来る調査員に協力し、屋外の点検だけでなく、分電盤等の屋内の電気設備も点検してもらう
  • 電気設備に異常が見られた場合や、定期調査で不良を指摘された場合は、速やかに修理を行う
  • 単相3線式の配線方式で、中性線欠相保護機能が付いていない漏電遮断器を使用している場合は、費用はかかるが中性線欠相保護機能付きの漏電遮断器に交換したほうがよい


業界への要望

  • 定期調査の重要性について消費者の理解は十分とはいえない。今後、確実に定期点検を行うには更なるPRが必要である
  • これまで以上に中性線欠相保護機能付きの漏電遮断器への交換を薦めてほしい


要望先

電気事業連合会



情報提供先

内閣府 国民生活局 総務課 国民生活情報室
経済産業省 商務流通グループ 消費経済政策課
経済産業省 原子力安全・保安院 電力安全課
電気保安協会全国連絡会議
全日本電気工事業工業組合連合会




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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