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[2008年3月6日:公表]

折りたたみ式ベビーカーの安全性
−折りたたみ可動部分の安全の考え方を中心に−

 2006年11月、折りたたみ式ベビーカーの開閉時に乳幼児が手指を挟み、あわや切断という事故が2件相次いで寄せられ、国民生活センターが注意情報を公表(2007年4月)した。

 一方、現在販売されているベビーカーの多くは、携帯等の利便性を図るため折りたたみ式のものがほとんどである。

 フレームが交差する構造などを有する折りたたみ可動部分は、手指挟み等の危害を招きやすい部分であるが、もっぱら使用者に対する注意・警告表示により危害防止が図られ、製品自体の対策はあまり積極的に講じられてこなかった。一方、折りたたみ可動部分での危害事例を見ると、危険を回避できない乳幼児が手指をあわや切断するなどの重篤な事故が発生していることから、可能な限り製品自体の安全対策が必要と考えられる。

 そこで、ベビー用品店や大型スーパーなどでみかける、折りたたみ式ベビーカーの中から、フレームの構造や組み立てや折りたたみ方法の違いなどにより8社9銘柄をテスト対象に、危険を回避できない乳幼児にとってどのような構造が手指挟みを防止できるのか、また挟まれたときの傷害の程度を軽減させることができるのか模擬指を使って調べるとともに、操作方法や注意表示などについても調べ、消費者に情報提供することとした。


主な調査結果

アンケート調査結果

 折りたたみ式ベビーカーの開閉時における乳幼児の手指挟み事故の実情を知るため、使用実態や開閉時に乳幼児の手指を挟んだ経験などについて、幼稚園児のいる家庭などを対象にアンケートを行った(回答数:248名)。

  • 開閉時に乳幼児が手指を挟み、「内出血」や「擦り傷」を負った経験のある人は全体の8%もいた。
  • 全体の27%の人がベビーカーの折りたたみ可動部分の危険性を認識しないで開閉操作していた。
  • 折りたたみ式ベビーカーの使用頻度は全体の86%の人が週に2〜3日以上と高く、半数以上の人が乳幼児がベビーカーに触れる近さにいる状況で開閉操作をしていた。

テスト結果

 折りたたみ可動部分の構造や操作方法、ロック機能、注意表示についてどのような安全対策が施されているのか調査した結果、以下のことがわかった。

(構造)

 乳幼児が手指を挟む可能性のある可動部分については、手指を挟みにくくする及び万が一手指を挟んでも傷害の程度を軽減するためには、次のような構造が考えられた。

  • 手指が入らないようにカバーを付ける。
  • 閉じたときのすき間を手指より大きくあける。
  • 局所的に大きな力が集中しないようにする(写真1参照)。
  • 交差するフレームの断面を丸い形状にする。
  • 交差するフレーム同士が密着しないようにスペースを設ける。

(操作方法やロック機能)

  • 開閉の手間がかかるが、操作する人が手指挟みの危険を察知したとき、折りたたみを停止できるよう、手順を追って操作する構造にする。
  • 使用中にロック機能が外れて、折りたたまれることがないように、容易に外れないロック構造にする。

(注意表示)

  • 操作する人がひと目で手指を挟む可能性のある可動部分を認知できるようにするなどの注意表示をする。


写真1 手指を挟む可能性のある可動部分の例
局所的な力が加わりにくい可動部分の写真

局所的に大きな力が加わりやすい可動部分の写真



消費者へのアドバイス

  • 部分的に手指挟み防止のための安全対策を施したものがあるので購入の際に参考にするとよい。
  • 開閉中は絶対に乳幼児にベビーカーを触れさせない。また、不意に折りたたまれる事故防止のため、組み立て後はロックがかかっていることを確認し、使用中も折りたたみのロックボタン等に触れないように注意する。


業界への要望

 全国ベビー&シルバー用品連合会は、国民生活センターによる2007年4月の要望に対し、安全対策を協議中であるが、次のことを改めて要望する。

  • ベビーカーは、乳幼児をそばにおいて開閉操作がなされている実情がある。折りたたみ可動部分に手指が入らない、完全に閉じない、または万が一挟んでも手指に局所的に大きな力が加わらないなどの工夫をして、折りたたみ可動部分の安全性をより高めるような改善を要望する。
  • 使用中、不意にベビーカーが折りたたまれることのないようにするなどロック機能の改善を要望する。
  • 操作する人がひと目で手指を挟む可能性のある可動部分を認知できるようにするなどの注意表示の対策や注意喚起の徹底を要望する。
  • 現状では、折りたたみ可動部分の安全性を評価する方法や基準はない。折りたたみ可動部分の安全性を高めるような基準作りが必要と考えられる。早急に業界自主基準の作成を要望する。


要望先

全国ベビー&シルバー用品連合会



情報提供先

内閣府 国民生活局 消費者調整課
経済産業省 商務流通グループ 消費経済政策課
経済産業省 商務流通グループ 製品安全課
経済産業省 製造産業局 日用品室



関連情報



業界の意見 ※2008年4月3日 追加

「コンビ」より

 ベビーカーの操作は大人が行うものであり、お客様への危険性の警告及び安全な取扱方法などの啓発を順次実施し、事故の発生を未然に防止したいと考えております。

 また、製品の折りたたみ時に乳幼児の手指に危害が及ばない構造に関しては、構造上全ての可能性を無くすことは現実的には非常に困難であり、今後も更なる工夫を継続的に検討し、より安全性を高めていきたいと考えております。

コンビ(株) 品質保証部 小野田 仁



「GMPインターナショナル」より

 今回テスト対象となりました「Quinny Zapp」、並びに弊社製品「AirBuggy」は、EN1888(ヨーロッパ統一安全規格)、ASTM-833(アメリカ安全規格)、BS(イギリス安全規格)などの、世界的に高い安全性を証明する規格に適合した製品であり、今回のテスト結果におきましても、指を挟みにくいような構造・仕様、又、万が一挟んでも大事には至らないような対応が製品に一部なされているとの評価をいただいております。

 しかしながら、今回の国民生活センターでのテスト結果、業界要望を踏まえまして、不慮の事故を未然に防ぐ為にも、今後より一層の製品の安全性向上、消費者の皆様方への注意喚起、情報提供に弛まぬ努力を続けてまいる所存です。

 尚、今後のSGの改訂に伴いましても、弊社もこれに準ずるような製品改良、商品開発をおこなっていく方向性で検討を致しております。

(株)GMPインターナショナル 業務部 業務部長兼中国担当責任者 原口 敬太



「ニューウェル・ラバーメイド・ジャパン」より

 弊社は製品の安全性に関しては、米国の安全基準(ASTM)及び/または欧州の安全基準(EN)に適合した製品を取り扱っておりますが、特に米国安全基準ASTM5.7項において「切断・せん断・挟む箇所など可動する部品で使用者が怪我をすることのないように製品を設計・構成しなければならない」旨の記載があり、GRACOの米国仕様の車体を使用した製品はすべてこの基準に適合しております。

 しかしながら、日本において保護者のベビーカー操作時に幼児が事故被害を受けた他社製品の事例を重く受け止め、下記のとおりの対応をさせて頂くとともに、今後もお客様の安全を最優先にした製品の開発に努めていく所存です。

  1. (1)製品への注意・警告表示の強化
     既に販売している製品につきましては、欧州安全基準適合製品のハンドル部への「取扱注意タグ」のとりつけ、梱包ケース内への「指挟み注意事項」の警告メモの封入(同注意事項は順次、取り扱い説明書への注意事項の追記へと移行)、梱包ケース外面への「指挟み警告文」の記載を実施いたします。
  2. (2)調査に基づいた適切な製品改良の継続
     弊社では、定期的にお客様のベビーカー使用実態や意識の調査を行っており、その結果をより詳細に分析・精査していくことで、安全性及び機能性など、引続きお客様のニーズを反映した製品改良の努力を行ってまいります。

ニューウェル・ラバーメイド・ジャパン(株) ラバーメイド事業部 日本代表 稲山 勝久



「野村プレミアムブランズ」より

 MACLARENは、お客様の安心・快適を第一に、創業以来一貫して製品の安全性を追求して参りました。

 現在では、世界50ヶ国以上で各国の安全基準をクリアし、グローバルスタンダード商品として販売されております。

 今回のご指摘に関しましては詳細に検討・分析し、安全性向上の工夫を重ねると共に、不慮の事故を避けるための製品の安全な使い方、扱い方についても、一層の注意喚起に努めて参ります。

野村プレミアムブランズ(株) 代表取締役社長 大石 研治



「全国ベビー&シルバー用品連合会」より

 このたび、3月6日付けの「要望」について以下の通りご連絡申しあげます。

  1. 1)折りたたみ可動部分の安全性を高めるように以下の改善を要望する。
     本件につきましては、関係機関(製品安全協会)と協議の上、使用する幼児の安全を確保するために改善を進めてまいります。
  2. 2)早急に、業界自主基準の作成を要望する。
     本件については、業界メーカーと協議して具体的な検討を開始いたします。

全国ベビー&シルバー用品連合会 会長 五十畑 雅章




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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