[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 商品テスト・回収情報 > 商品テスト結果 > 折りたたみ自転車の安全性−日常的な使われ方での安全性−

[2007年10月17日:更新]
[2007年10月5日:公表]

折りたたみ自転車の安全性−日常的な使われ方での安全性−

 折りたたみ自転車は、車輪の径は一般的なシティ車より小さく、ハンドル、フレーム、ペダルに折りたたみ機構が採用されている場合が多い。前回テストした当時(2002年5月公表)はレジャー用品という特殊な位置づけであり、一般的な自転車と運転感覚が異なることなどが分かったが、現在では一般的なシティ車と同様に通勤・通学など日常的な使われ方も増えているようである。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には事故事例が5年間で54件寄せられており「走行中、突然左ペダルが折れて転倒し手のひらを骨折」や「走行中、突然ハンドルの固定金具が外れ転倒し足を骨折」といった重篤なものもあった。そこで、消費者アンケートで使用実態や問題点を明らかにするとともに、日常的に使用する上で強度やブレーキなどに問題はないかを調べ、消費者に情報提供することとした。自転車専門店及び大型のスーパー、ホームセンターなどで店頭販売されていた普及価格帯(1〜3万円程度)の折りたたみ自転車12銘柄をテスト対象銘柄とした。


主なテスト結果等

消費者アンケート

 折りたたみ自転車の所有経験がある消費者191人を対象にアンケートを実施した。

 現在所有している人に聞いたところ、使用頻度が週に1回以上なのは約4割、主な使用目的を「日常の足」としていたのは約4割であり、レジャー用品に留まっていなかった。また、折りたたみ操作をあまりしないのは7割であった。一方で、乗車前に折りたたみ箇所を日常的に点検するのは半分以下に留まっていた。現在所有している又は過去に所有していた人に聞いたところ、走行時に経験した不具合としてペダル関係、ハンドル関係を回答したのはそれぞれ2割、フレーム関係を回答したのは1割であった。このほかの指摘として、ブレーキが利かない・利き過ぎる事を回答したのは1割であった。

折りたたみ機構に関連した箇所の安全性

  • フレームやハンドルステム(ハンドルを支える支柱)の折りたたみ部分を固定するクイックレリーズを調べたところ、ほとんどのものは急に折りたたまれにくい構造であると考えられた。ただし、レバーを解除するときの力が50N(5.1kgf)未満と弱かったものがあった。
  • ペダルに折りたたみ機構を採用していたものがあったことから荷重に対する強度を調べたところ、折りたたみ機構を採用していたペダルは外側に荷重を加えると下方に大きくたわみ(写真1参照)、さらに折りたたまれたり破損したものもあった。

ブレーキの性能

  • ブレーキをかけ停止するまでの距離を測定したところ、前ブレーキを強く握ると急激に制動がかかり、同時に後輪が高く浮き上がって自転車が前方に倒れてしまう危険なものがあった(写真2参照)。

交通安全のための装備

  • 交通安全のために必要な装備が取り付けられているか調べたところ、無灯火走行にならず安全なハブダイナモ式のランプを採用していたものがあった一方、ランプと前方リフレクタのいずれも装着していなかったものがあり、これらは夜間に自動車などから認識されにくいと考えられた。

自転車本体の表示

  • ハンドルステムやフレームの折りたたみ部に固定状態の点検を促す内容があるか、固定のための具体的な操作方法が記載されているか調べたところ、十分な表示がないものが多かった。

写真1.ペダルに荷重をかけてたわんだ様子(一例)
写真1

写真2.前ブレーキで急激に制動がかかった様子(一例)
写真2



消費者へのアドバイス

  • 折りたたみ自転車は、乗車前にレバーが正しく固定されているかなどの点検が必要となる。また、一般的な自転車と運転感覚が異なる。購入に際しては、本当に折りたたみ機能が必要か検討する。
  • 折りたたみ機構があるペダルは外側に大きな荷重を受けると耐えられない場合があるので、ペダルの外側に体重をかけないようにする。
  • ランプや前方リフレクタの装備を確認し、装備されていない場合は別途購入・装着する。


業界への要望

  • クイックレリーズのレバーを解除する力を適正に調整するなど品質管理を徹底するよう要望する。
  • ペダルの強度とブレーキの安全性を直ちに確保するよう要望する。
  • ランプ及びリフレクタの装着を充実させ、夜間走行の安全を確保するよう要望する。
  • 折りたたみ部の点検や操作方法等の表示を充実するよう要望する。


行政への要望

  • クイックレリーズのレバーの構造や解除する力について一定の規定を設けるよう要望する。
  • ペダルの強度について規定の拡充を要望する。
  • 前ブレーキが利きすぎることに対して一定の規定を設けるよう要望する。


要望先

経済産業省 製造産業局 車両課
経済産業省 商務流通グループ 製品安全課
社団法人 自転車協会



情報提供先

内閣府 国民生活局 消費者調整課
経済産業省 商務流通グループ 消費経済政策課
財団法人 自転車産業振興協会



動画



業界の意見 −たしかな目 2008年2月号より−

「ジック」より

1.クイックレリーズのレバーを解除する力を適正に調整するよう品質管理を行なうについて

 当社商品について不十分の指摘はございませんでしたが、危険性は十分に認知しております。

 組付け工場にて、今後より組付け後に「ガタ付き」が無いことを全数検査を行い、確認した上で出荷するように致します。

2.ペダルの強度とブレーキの安全性について

 折りたたみペダルの先端部へ強い力が加わった際にペダルが折りたたまれてしまうとの指摘がございました。

 対策をパーツメーカーと検討し、検討期間中は折りたたみペダルのパーツに注意シールを添付するように致します。

3.ランプやリフレクタの装着の充実について

 フロントリフレクタについては全ての商品取付けをおこなっておりますが、ランプについては1部商品を除き別途販売とさせて頂いております

4.折りたたみ部の点検や操作方法などの表示について

 当社ではよりお客様に各部の組付けを詳細にお伝えできるよう取扱説明書や注意シールとは別に図解入りの「組立注意書」を添付しております。

ジック(株) 南 元洋




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について


商品テスト結果トップページへ

ページトップへ