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[2006年9月15日:公表]

シュレッダーの安全性にかかわる情報−指切断などの事故を防ぐために−

目的

「2歳8ヶ月の女児が、シュレッダーに手の指を挟んで9本切断した」との情報が静岡市消費生活センターから国民生活センターに寄せられた。PIO−NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)にも「シュレッダー」による手指の傷害にかかわる子どもの事故が過去3件寄せられており、事故の原因、海外の文献・事例等について調査を進め、シュレッダーの安全性にかかわる総合的な情報を提供することとした。

 そこで、事故同型品を含め家庭で使われる可能性のあるシュレッダー16銘柄を選び安全性にかかわるテストを行った。

テスト結果

  • 乳幼児の模擬指が投入口に引き込まれ切断されるものが16銘柄中7銘柄あった。他銘柄も含め二重三重の安全対策が必要である。
  • 投入口が容易に変形し広がるものがあった。
  • 床置きタイプの高さは約32〜63cmで投入口に乳幼児の手が容易に届く高さだった。
  • ポータブルタイプの2銘柄を除き、紙の引き込み力は10〜40kgf※と強く、乳幼児が紙をつかんだまま引き込まれる危険性がある。※kgf:質量1kgの重さを支えるのに必要な力が1kgf。
  • クロスカット方式のものは、5mm厚のゴム片や直径5mmの木製の丸棒を容易に切断できるほどの能力があり、指などが引き込まれると重篤な事故となる危険性がある。
  • 紙詰まりなどが発生したときに使用する逆転スイッチは全銘柄に装備されていたが、万一のときの緊急停止スイッチを装備しているものはなかった。
  • 電源が容易に入らないよう対策がなされた銘柄があった。
  • 投入口にふたがある銘柄や、細断中に投入口の縁に手や指が触れると運転を停止する銘柄など安全対策がなされた銘柄がみられた。
  • 「乳幼児等の使用禁止」に関する表示は各銘柄で統一されておらず、本体に表示がない銘柄もみられた。

消費者へのアドバイス

  • 絶対に乳幼児や子どもが使用できないようにする。
  • 安全対策されたものもあるので、特に乳幼児がいる家庭では購入の際は参考にする。
  • ネクタイや髪の毛などを投入口に近づけないように注意すること。

業界への要望

  • 業界自主規格に安全性を評価する項目・基準の設定を要望する。
  • 事故を未然に防止するために乳幼児の指が入らない等の対策とともに、緊急時の停止機構の装備など二重・三重の対策を講じた製品の普及を要望する。
  • 「乳幼児等の使用禁止」等の注意・警告表示を統一し、わかりやすい表示となるよう改善を要望する。
  • 既に販売され使用されているものについても事故の可能性がある商品があると思われる。事故防止のために安全対策を講ずるよう要望する。

行政への要望

  • 子どもの事故を防止するため安全性に関するガイドラインや規格の策定等を要望する。

要望先

経済産業省商務情報政策局消費経済部製品安全課
社団法人 全日本文具協会
社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会

情報提供先

内閣府国民生活局消費者調整課
経済産業省商務情報政策局消費経済部消費経済政策課

業界の意見 −たしかな目 2007年1月号より−

「アイリスオーヤマ」、「明光商会」

「アイリスオーヤマ」より

 今回の国民生活センターのテスト結果は安全性テスト方法の差による評価の相違であり、当社では通常使用における製品の危険性はないものと判断しております。
 加えて現在出荷しております製品には、ご使用されるお客様への注意喚起として警告シールを投入口付近に貼付しております。
 また、今後は万一お客様が誤った操作をしても事故の起こらないという発想の新商品開発を進めてまいります。

アイリスオーヤマ(株) 品質管理部 品質管理課 マネージャー 高橋 悟

「明光商会」より

 テスト結果の評価は、貴センターが独自に基準を設け行ったものであり、現状、日本では明確な統一基準が設けられていない為、弊社と致しましては納得いくものではなく、疑問に感じております。
 弊社では、この機種をドイツの協力工場より正規に輸入し販売しております。この機種は、EN294(ヨーロッパ規格)準拠。ISO 13852、JIS B 9707 厚さ≦4mm時、安全距離2mm以上、4<厚さ≦6mmの時、 安全距離20mm以上となっており、ヨーロッパの非常に厳しい規格をクリアしている事を弊社は、強く訴えます。警告・注意表示や取扱説明書等にも細心の注意を行っており、販売から現在に至るまで事故は一切ございません。
 尚、公平性を期する為に、弊社と致しましては、経済産業省が確認している全てのメーカーの製品に対してテストを実施して頂くことを併せて要望します。

(株)明光商会 業務部 次長 岩本秀明

「アイリスオーヤマ」、「明光商会」への商品テスト部の見解

 今回、「2歳8か月の女児が、シュレッダに手の指を挟んで9本切断した」などの幼児による事故情報が寄せられ、その事故の重篤性から、3歳未満の乳幼児の指切断の危険性を調べることとしました。
 シュレッダの国内基準を調べたところ、「文書細断機」として電気用品安全法の技術基準がありますが、「可動部への接触」に関しては大人を対象としたものであり、また、日本工業規格 JIS B 9707(機械類の安全性−危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離)では「3歳以上の人」を対象としたものであり、 「3歳未満の乳幼児」を対象としたシュレッダ等による指切断の危険性を検査できるものではありませんでした。
 そこで、乳幼児(3歳未満)のすき間に対する危険性を規定した、(財)製品安全協会のSG認定基準CPSA 0029 (乳幼児用ハイチェア)及びJIS C 0922(電気機械器具の外郭による人体及び内部機器の保護−検査プローブ)を参考に調べることとしました。
 テスト対象銘柄は、家庭で使われる可能性のあるものの中から、細断方式や細断枚数などを考慮して取り上げました。


本件連絡先
相談情報部
商品テスト部 電話 042-758-3165

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