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[2006年5月10日:公表]

IHクッキングヒーターの安全性と加熱性能
−温度センサーの精度向上や全ての金属鍋が使えると謳ったものを中心に−

目的

 最近出荷数量の多いビルトイン型のIHクッキングヒーター6銘柄について、揚げ物調理時やフライパン予熱時の温度制御、空焚き状態の異常検知などの安全性を調べるとともに、従来は使用できなかったアルミや銅の鍋が使用できるというオールメタル対応のものの加熱性能などを調べた。また、消費者からの問い合せが多い電磁波の強度も調べた。



結果

  • 揚げ物少量油対応のものを含めて、全銘柄とも200gで調理してもほぼ設定した油温に制御されていたが、加熱キーで調理すると一時的に油温が250℃を超え発煙するものがあった
  • 最大火力でフライパンの予熱を行うと、わずか1〜2分で底の温度が600℃に達するものもあり、油を注いでから予熱すると発火することもあった。また、空焚き状態になると、鍋底がリング状に赤熱するまで運転を続けたものもあった
  • オールメタル対応のものは、アルミや銅の鍋も加熱できたが、ステンレス鍋に比べて火力や熱効率が劣り、湯沸かし時間が2倍以上かかった。また、使用中に鍋に浮力が生じ動いたり、トッププレートの温度が高温になるものもあった
  • 電磁波の強度(磁束密度)を測定した結果、健康影響について確立されている曝露制限についての国際的な指針であるICNIRPのガイドラインを満たしていた


消費者へのアドバイス

  • 揚げ物調理をするときは必ず付属の天ぷら鍋を使用するとともに、油の量や設定を守り、調理中はその場を離れない
  • 最大火力で予熱等を行うと、鍋底の温度が短時間で上昇し危険なので、火力は弱めで使用する
  • オールメタル対応品のアルミや銅の鍋の湯沸かし時間は、ステンレス鍋の2倍以上かかり、熱効率も悪く、湯沸かし費用がかかることに留意する
  • 心臓ペースメーカーなどの医療器具を使用している人は、使用にあたっては医師に相談する
  • IHクッキングヒーターの設置には、200V電源が必要なので、場合によっては200Vの引き込み工事や配線工事が必要なほか、電力会社との契約電流の変更も必要となる


業界への要望

  • 加熱キーを使用しての揚げ物調理時や予熱時などでは、鍋底が高温になって危険な状態となることがあったので、安全性向上のために更なる改善を要望する
  • オールメタル対応品のアルミや銅の鍋の湯沸かし時間は、ステンレス鍋の2倍以上かかり、熱効率も悪いほか、鍋が軽いと鍋が動く不都合があったので、改善を要望する
  • トッププレートがかなり高温になるほか、高温注意表示ランプが点灯しないときや消灯時も80℃を超えているときもあり、やけどの危険性のあるものがみられたので、改善を要望する

要望先
社団法人 日本電機工業会

情報提供先
内閣府 国民生活局 消費者調整課
経済産業省 商務情報政策局 消費経済政策課



業界の意見 −たしかな目 2006年8月号より−

「東京ガス」より

 ガスコンロは、省エネ法に基づき、JISに則って測定した熱効率をガスコンロ本体やカタログに表示する義務があります。

 「たしかな目」に記載のガスコンロの熱効率は、弊社がJISに基づいて測定し、ガスコンロ本体やカタログに記載している熱効率と大きく値が異なるため、消費者の混乱をきたす恐れがあります。

 テスト記事に記載のガスコンロの熱効率につきましては、JISとは異なった測定方法によるものであり、参考データとして取り扱う必要があります。

東京ガス(株) リビング営業部リビング企画グループ
商品企画チームリーダー 芳村真宏

「日本ガス石油機器工業会」

「日本ガス石油機器工業会」より

 記事中、比較のために参考品として『ビルトインガスコンロ』に関するデータ並びにコメントがありましたので、意見を提出させて頂きます。今後の試験・公表に反映頂きたいと思います。

○熱効率について
 
 ガスコンロは、省エネ法によりJISに基づく測定方法で得られた数値を表示しています。今回、国民生活センター独自の方法で試験を行い「・・熱効率は約38〜40%で・・」との記載がありますが、エネルギー消費効率表示と乖離していることになり、消費者に誤解を与えるおそれがあると思われます。
 
 国民生活センターで行った熱効率測定方法を明確にしていただきたい。また、ガスコンロは火力が大きくなるほど加熱面積が拡大することから、火力に応じた最適鍋径が存在します。このテストで使用している22cm鍋の最適火力は中火程度と思われます。
 
 従って、文中「ガスコンロでも同様のテスト・・熱が空気中に逃げるため・・」とありますが、このテスト条件では熱どころか火炎が鍋の外側に大きくはみ出すこととなり、非現実的な条件となっています。

(社)日本ガス石油機器工業会 尾身健二

「日本ガス石油機器工業会」への商品テスト部の見解

 実生活では、多めの水を短時間で沸かすとき、火力を最大にして使用すると思われます。そこで、今回はガスコンロとIHクッキングヒーターの火力の違いを調べるため、実際の使用状況を想定して22cmの鍋に3Lの水を入れ(初温20℃)、火力調節を強火(全開)としたときに、水温が25℃から95℃に達するまでの湯沸し時間や熱効率などを測定しました。

 なお、今回使用したガスコンロは、内炎式バーナー(大バーナー)を採用しているため、最大火力でも炎が鍋の外側にはみ出すことはありませんでした。




本件連絡先 商品テスト部
電話 042−758−3165

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