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[2004年4月22日:公表]

屋外遊具による事故を防ぐ

 遊具を使った意欲的な遊びは、子どもが成長するのに大切な機会のひとつです。
 しかし、最近、屋外型固定遊具で遊んでいて指を切断した、などの痛ましい事故が相次いで発生し、各地で遊具の点検・撤去が行われました。
 そこで、国民生活センター危害情報システムに寄せられた事故情報を基に、事故を防ぐポイントを簡単にまとめました。
 なお、この情報は平成15年8月に公表した「危害情報からみた屋外遊具の事故」を抜粋したものです。


事故の特徴

  • 事故にあったのは、10歳未満、男の子に多い
  • 頭のけがが最も多い。腕・手のけがでは骨折が目立つ。
  • うんていやシーソーでは、年齢が低い子ほど重症のけがを負いやすい。

グループ別にみた事故の特徴

グループ1

遊具 うんてい、シーソー。
けがの程度 重い症状の割合が高い。
けがの内容 グループ2に比べ骨折の割合が高い。
けがの部位 グループ2に比べて腕・手の割合が高い傾向がある。
平均年齢 重い症状の平均年齢が低い。

グループ2

遊具 鉄棒、アスレチック遊具、ジャングルジム、すべり台、ブランコ(※)、回旋塔。
けがの程度 重い症状の割合が低い。
けがの内容 グループ1に比べてすり傷・打撲の割合が高い。
けがの部位 グループ1に比べて頭の割合が高い傾向がある。
平均年齢 重い症状の平均年齢が高い。
  • ※ブランコ全体では「グループ2」に属するが、箱型ブランコについては単独でみると、けがの内容やけがの部位の特徴は「グループ1」に近い。


事故例

物的要因によると思われる事故

 転落したところの地面が硬かったり、遊具にすき間があったことが原因で起きた事故など

ケース1

すべり台の階段を登り、いちばん上から後ろ向きに転落し、コンクリートに頭を強く打ち頭部を骨折。(1歳・女児)

ケース2

幼稚園の箱型ブランコに4人で乗っていて、こぐのを代わろうとして友達が立ち上がったところ転落し、ブランコの下に挟まり腕を挫傷。(5歳・男児)

ケース3

授業中、鉄棒にぶら下がり、他へ移動する際、誤って落ちた。鉄棒のH型の柱の角に頭をぶつけて出血した。(9歳・男児)

人的要因によると思われる事故

 ゆれている遊具のそばに近寄ったり、人と人がぶつかった事故、遊ぶのに適していない服を着ていたことが原因での事故など

ケース1

兄がブランコをこいでいるところに近づいて巻き込まれ、頭にすり傷を負った。(1歳・男児)

ケース2

ジャングルジムで遊んでいて、ワンピースのスカートで足元が見えず、1.5メートルくらいのところから下に落ちてしまい、鉄の棒に頭をぶつけた。(6歳・女児)

ケース3

学校のうんていから飛び降りたところ、友人と接触し転倒。左腕を骨折し救急車で受診。(10歳・男児)

その他

ケース1

アスレチック遊具の丸太を踏み外し、腹部を丸太で打って入院。(9歳・男児)

ケース2

初めて乗ったシーソーで、降りるときにバランスを崩して転落し腕を骨折した。(5歳・女児)

ケース3

学校の回旋塔から転落して、地面で右顔面を強く打った。(8歳・女児)



保護者・周囲のおとなへのアドバイス

意欲的な遊びは子どもが成長するのに大切なもの

 遊具による挑戦や冒険など意欲的な遊びは、危険を予知したり避けたりといったことを学習する機会となります。これらの機会が子どもの成長にとって必要なものであることも知っておきましょう。

 重大な事故につながる危険性(ハザード)は除去した上で、小さな危険を伴う冒険や挑戦は許容することも大切です。

子どもの成長に伴った注意を払いましょう

 3歳末満の乳幼児が遊具で遊ぶ際には保護者による安全確保が必要で、常時保護者等とともに利用することが重要です。
 おおむね3歳以上小学校就学前の幼児では、保護者が同伴することを前提としています。(「都市公園における遊具安全確保に関する指針」国土交通省作成より)

 また、事故情報をみるとうんてい、シーソーなどは年齢の低い子どもほど重い症状になっていたので、保護者や周囲の大人が十分に気を配り、大きな事故にならないよう注意しましょう。

 一方、年齢が上がるにつれ保護者の目の届かないところで遊ぶ機会も増えていきます。遊具で遊ぶ際に小学校低学年のうちは保護者や周囲の大人の気配りも必要でしょうが、子ども自身の危険に対する意識も重要になってくるので、気配りもしながら子どもの成長に合わせて子ども自身に危険性を教え聞かせましょう。

不適切な行動や服装は避けましょう

 ふざけて押す、過度の集中利用、ひも付きの服やかばんなど不適切な服装で遊ばないように保護者や周囲の大人が気を配りましょう。

危険なところを発見したら管理者に連絡を

 日頃使用している遊具に、劣化、変形、その他あってはならない危険性を発見した場合は、自治体や学校などの管理者に伝えましょう。

遊具や遊び場の注意表示を見て利用しましょう

 遊具や遊び場に利用対象年齢や利用上の注意点などの表示があればそれを確認し、正しい遊び方をさせるとともに、子どもにもそれを教え聞かせましょう。



(参考1)専門家の意見

 遊び場での遊具による多様な遊びを通してのヒヤッとした経験、あるいは意欲的な遊びによる失敗(けが)の経験は、子供が危険を理解し、予知し、避けるといったことを学習する機会となります。すなわち、遊び場は、遊びを通して危険への対処方法を学習する場といえます。

 一方で、遊びが持っている冒険や挑戦とは関係のないところで事故を発生させるおそれのある危険性(ハザード)による致死事故や機能障害、運動障害などの後遺症を残すような重大な事故は、大人の責務で未然に防がなければなりません。

 冒険や挑戦により重大な事故になりそうな場合は、禁止したり注意を促すことも必要ですが、小さな危険を伴う冒険や挑戦による失敗(けが)は、許容する姿勢もあわせて持つことが必要です。

 このため、遊び場・遊具の安全対策は、子どもの成長にとっての遊びの重要性などを見極めた上で進めることが必要と思われます。



(参考2)国の指針と業界の規準案

 2002年3月、国土交通省では、都市公園の遊具を対象にした「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」を作成し、これを厚生労働省、文部科学省も参考にするよう、各自治体に通知しました。

この指針のなかで、子どもの遊びに内在する危険性が遊びの価値のひとつでもあることから、その危険性を

  1. (1)リスク(事故の回避能力を育む危険性あるいは子どもが判断可能な危険性)
  2. (2)ハザード(事故につながる危険性あるいは子どもが判断不可能な危険性)

の2つに区分し、それぞれ物的な要因、人的な要因とに分けることができるとしています。

 2002年10月、上記の指針に沿って、遊具や公園施設を製造したり、販売・点検・補修等を行う事業者の業界団体である(社)日本公園施設業協会が「遊具の安全に関する規準(案)」を発表しました。

 この規準案では、「箱型ブランコ、遊動木、回旋塔は条件によっては使用を禁止し、撤去することが望まれる」ことが記載されています。

 また、この中では表示についての規定もあり、それに基づいて2003年7月、同協会では遊具の表示シールなどを作成しました。



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