[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 訪問販売によるリフォーム工事・工事別注意点

[2005年7月28日:公表]

訪問販売によるリフォーム工事・工事別注意点

訪問販売によるリフォーム工事のセールストークには根拠のないものも多くあります。ここでは、トラブルに巻き込まれないためのチェックポイントを工事別にまとめました。

木造住宅の各部位の名称
木造住宅の各部位の名称の図
※住宅金融公庫監修「木造住宅工事共通仕様書(解説付) 平成15年改訂(第2版)」(p145の参考図8.2)を一部加工。


屋根工事

セールストーク

 訪販リフォーム業者が「瓦がずれている」、「瓦が割れている」、「棟(むね)(屋根の頂部)部分の漆くいが剥がれている」などと説明し、「このままでは雨漏りをしてしまう」と消費者を不安にさせるケースが目立つ。

主な工事内容

 瓦のコーキング(シーリング)(注1)

  1. (注1)「コーキング」、「シーリング」とは、瓦と瓦のすき間をボンドやシール等の材料で充填すること。

チェックポイント

 まずは、本当に雨漏りをしているかどうか確認すること。
 なお、一般的には瓦と瓦の間にはすき間があり、訪販リフォーム業者はそのすき間を埋めるためにコーキングやシーリングをしていると思われる。しかし、瓦自体に防水効果があり、また、野地板(屋根の下地板)には防水シートが敷かれているため、コーキング等の効果はあまりない。

(1)瓦がずれている場合の対処法
 瓦のずれは、瓦を固定している木材(かわら桟(ざん))が腐るなどしてずれてしまっていることが多い。したがって、瓦がずれている場合には、かわら桟を取り替える等の措置が必要となる。
(2)瓦が割れている場合の対処法
 瓦が割れている場合、その瓦を取り替えるだけでよい。
(3)棟部分の漆くいが剥がれている場合の対処法
 漆くいは劣化するので数年間に一度は工事が必要である。


床下工事

セールストーク

 訪販リフォーム業者が「床下の湿気が多い」、「床下の木材が腐っている」、「カビが発生している」、「白アリが発生している」などと説明し、「このままでは地震や家の重みで家が壊れてしまう」と消費者を不安にさせるケースが目立つ。

主な工事内容

 調湿剤の敷設、換気扇・攪拌(かくはん)機の設置、金物の取付

チェックポイント

湿気対策

 まずは、湿気があるかどうかを確認すること。
 湿気対策の必要があるかどうかは、床の高さ(地面から床の上面まで45cm以上の高さがあるか)(注2)、通気口の数(壁の長さ5m以下ごとに、大きさ300cm2の通気口が外壁の床下部分にあるか)(注2)、以前の土地の状態(畑、田、山林、沼地など)によって決まる。
 床下の地面がジメジメする、湿気が多いという場合には、地面から蒸発する水分(発生源)を止める必要があるため、防湿シートやコンクリートを地面の上に敷設することが効果的である。この工事をしないで、調湿剤を敷設したり、換気扇を設置したりしても、根本的な湿気対策にはならない。

  1. (注2)建築基準法施行令第22条では、居室の床が木造である場合の床の高さ及び防湿方法について、床の高さは地面から床の上面まで45cm以上とすること(1項)、外壁の床下部分に壁の長さ5m以下ごとに面積300cm2以上の換気口を設けること(2項)が定められている。
1)調湿剤の敷設
 調湿剤を土壌の上に直接敷設しても、調湿剤はある程度までしか吸湿せず、また、地面から蒸発する水分(発生源)を止めていないため効果は持続しない。なお、調湿剤に水分がたまることで、かえって湿気がひどくなるおそれがある。
2)換気扇・攪拌機の設置
 換気扇は外気を給気し、床下の空気を外に排気するために、攪拌機は滞留した空気を攪拌するために設置するものである。
 換気扇や攪拌機を過量に設置しているケースが多くみられるが、標準的な性能のものであれば、50m2あたり1台程度を設置すればよい。また、床下の中心に攪拌機を設置したケースがよくみられるが、風呂場の下など空気が滞留しやすい場所に設置することが望ましい。
床下補強
1)金物の取付
 耐震性をうたって床下の木材(大引(おおびき)根太(ねだ)など)の接合部に金物を取り付けるケースがよくみられる。しかし、住宅の耐震性と直接関係があるのは壁の量や質であり、床下の木材に金物を取り付けても、木材同士を補強するものであり、耐震性には直接関係がない。
 地震等によって柱が引き抜かれることを防ぐために金物を取り付けるケースもあるが、通常、平屋建てであれば引き抜きが起こる程の力はかからないため、引き抜きを防ぐための金物の取り付けは不要である。また、取り付ける場合でも、家の4角に取り付ければ十分といえる。
2)床束(ゆかづか)の取付
 新しく床束を取り付ける工事もみられるが、床束の取付は、すでにある床束が健全かどうか、束の数(90cm間隔で1つ程度)が十分かどうかによる。


屋根裏(小屋裏)工事

セールストーク

 訪販リフォーム業者が「屋根裏の湿気が多い」、「屋根裏の木材が腐っている」、「カビが発生している」、「白アリが発生している」などと説明し、「このままでは地震や屋根の重みで家が壊れてしまう」と消費者を不安にさせるケースが目立つ。

主な工事内容

 調湿剤の敷設、換気扇・攪拌機の設置、金物の取付

チェックポイント

(1)湿気対策
 風呂場や台所をはじめ居住スペースから発生する湿気は換気扇で外に排気等されるため、屋根裏は湿気が少ない場所である。したがって、屋根裏は除湿をする必要がなく、湿気対策のための除湿剤や換気扇等の設置は不要である。
 屋根裏で問題となるのは、熱が屋根裏に蓄熱されることであり、外気温度以上に温度を上げないための換気が必要となる。通常、換気口を設け外気を入れること(自然換気)で足りるが、換気口が小さいなど自然換気が十分でない場合には、換気口を大きくするほか、換気扇を取り付けることも考えられる。
(2)屋根裏補強
 床下と同様、住宅の耐震性と直接関係があるのは壁の量や質であり、屋根裏の木材に金物を取り付けても、木材同士を補強するものである。したがって、屋根裏の木材に金物を取り付けても住宅の耐震性には直接関係がなく、すでに設置されている金物で十分といえる。なお、台風など強風で屋根が飛ばないように、もやたる木の接合部に金物を取り付けることは効果がある。


白アリ対策

セールストーク

 「白アリが発生している」、「白アリが発生するおそれがある」などと説明し、「このままでは白アリが大量発生してしまう」と消費者を不安にさせるケースが目立つ。

主な工事内容

 白アリ予防の薬剤の木材への塗装、注入

チェックポイント

 白アリは高温・多湿のところに発生するため、湿気の少ない屋根裏では発生する可能性は少ない。
 まずは、白アリの被害があるかないかを確認すること。白アリが発生してなければ緊急性は要しないので、すぐに工事をする必要はない。白アリの被害がある場合でも、工事が必要かどうかはその被害の程度による。例えば、木材が腐ってしまっている場合にはその木材自体を取り替える必要がある。



発表情報トップページへ

ページトップへ