[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 注目情報 > 発表情報 > フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む衣類用スプレー製品の安全性−防水効果をうたっていない商品について−

[2013年5月8日:更新]
[2013年4月4日:公表]

フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む衣類用スプレー製品の安全性−防水効果をうたっていない商品について−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 2012年8月、室内で子ども用のバスタオルにUVをカットするという衣類用のコーティングスプレーを缶の半分程度使用したところ、肺障害等を発症し、入院するという事故が発生しました。この商品は、防水スプレーにも使用され、呼吸器系の中毒事故を引き起こす可能性のあるはっ水剤成分の一つであるシリコン樹脂が配合されているものでした。しかし、一般的な防水スプレーのように注意表示が目立つようには記載されておらず、消費者が表示を見逃し、十分な注意を払わずに使用してしまうおそれがありました。

 スプレー剤の吸入による呼吸器系の中毒事故としては、防水スプレーによるものが知られており、1992年末から1994年にかけて、呼吸困難、せき等の呼吸器系中毒症状が主な症状となる急性中毒が多発しました。そこで、厚生省(現厚生労働省)を中心として原因究明が進められ、溶剤による頭痛、めまい等の神経症状とともに、はっ水剤樹脂を含む噴霧粒子により呼吸器系中毒症状が引き起こされたことが明らかとなり、1998年には「防水スプレー安全確保マニュアル作成の手引き」が策定されました。当センターでも、1996年8月に防水スプレー等の吸入による危険性に関して注意喚起を行っています。

 今回の事故事例のように、防水効果をうたっていない衣類用スプレー製品でも、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等を含むものについては、防水スプレーと同様の危険性があると考えられます。そこで、このような商品7銘柄について調査し、消費者に情報提供することとしました。

 なお、今回の事故事例は、消費者庁より消費者安全法の重大事故等として公表されています。


主なテスト結果等

粒子径

 7銘柄中4銘柄で、吸入により肺深部に到達し、沈着する率が高いとされる10μm以下の粒子の存在率が高く、中毒事故のリスクが高いとされる範囲に入るものでした。

付着率

 7銘柄中5銘柄で噴霧直後の付着率が低く、中毒事故のリスクが高いとされる範囲に入るものでした。

表示

  • 防水スプレー以外のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む衣類用のスプレー製品には、汗ジミ防止や静電気防止といった効果がうたわれていました。
  • 多量に使用する用法のものや、使用量に関する記載のないものがありました。
  • フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の表記が銘柄によってまちまちでした。
  • 吸入に関する注意表示が全くないものや、目立つように表示されていないものがありました。
  • 乳幼児に関して、全ての銘柄で保管場所の注意表示はありましたが、使用時の注意表示があったのは7銘柄中1銘柄でした。


消費者へのアドバイス

  • 汗ジミ防止や静電気防止などをうたった衣類用スプレー製品についても、防水スプレーと同じようにフッ素樹脂、シリコーン樹脂といった呼吸器系の中毒事故の原因となる成分が配合されているものがあり、使用には注意が必要です。使用前に成分を確認しましょう。
  • フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む衣類用スプレー製品を使用する場合には、吸い込まないように注意しましょう。
  • 特に乳幼児には使用させず、乳幼児の近くでは使用しないようにしましょう。


事業者への要望

防水スプレー以外でも、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む衣類用スプレー製品については、「防水スプレー安全確保マニュアル作成の手引き」等に準じて安全対策を行うよう要望します。



行政への要望

  • 防水スプレー以外でも、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む衣類用スプレー製品については、「防水スプレー安全確保マニュアル作成の手引き」等に準じて安全対策を行うよう事業者への指導を要望します。
  • 「防水スプレー安全確保マニュアル作成の手引き」の見直しを検討するよう要望します。


要望先

  • 厚生労働省 医薬食品局 審査管理課 化学物質安全対策室


情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 経済産業省 製造産業局 化学課
  • 経済産業省 商務流通保安グループ 流通政策課
  • 経済産業省 商務流通保安グループ 消費経済企画室
  • 消費者委員会事務局
  • 一般社団法人日本エアゾール協会
  • 日本チェーンストア協会
  • 日本チェーンドラッグストア協会
  • 公益社団法人日本通信販売協会


業界の意見 ※2013年5月8日 追加

「株式会社イザヴェル」より

 今回のテストの結果を真摯に受け止めております。今後の商品企画の際には十分な注意を払うようにいたします。

株式会社イザヴェル 代表 友國 三枝

「株式会社富士」、「株式会社ウイング」、「株式会社ティーアンドワイ」

「株式会社富士」より

 この度は消費者の皆様にご心配をお掛け致しまして、大変申し訳ございません。下記、本件への説明とさせていただきますので、ご確認頂けますと幸いです。

 この度、国民生活センターよりご指摘頂きました、弊社商品に例が挙がっておりますが、事故が発生した「シリコーン」とは、防水スプレーなどで主に使用されている「撥水性シリコーン樹脂」であり、弊社が使用している「シリコン系界面活性剤(親水性)」は、全く対象外のシリコーンになります。

 数々のシリコーン成分がある中で、弊社としては区別のため「変性シリコーン」と記載しておりましたが、国民生活センターでは「シリコーン、と表記されている」という括り以降は、シリコーン自体の調査をして頂けず、消費者の皆様には、防水スプレーやUVカットスプレーと同様商品であるかのような誤解を招く運びになったことを、お詫び申し上げます。

 また、過去5年間、約25万本を、本商品または類似商品で販売させて頂いて参りましたが、もちろん中毒事故などの実績は全くございません。

 つきましては、このような誤解を招くことが無いよう、今後とも商品開発を注意深く行っていくと共に、お客様に満足頂ける商品を開発して参りますので、今後とも宜しくお願い致します。

株式会社富士 代表取締役社長 小澤 茂

「株式会社ウイング」より

 当社は御購入いただいたお客様が安心してご使用いただける商品を提供していくため、法令や社会規範を守りながら、商品企画や品質管理を実践しております。又当社の「エレキガード」には、シリコーンという表示をしておりますが、実際に使用しておりますものは「シリコーンオイル」です。「防水スプレー安全確保マニュアルの手引き」の中の研究結果のまとめの箇所に「シリコーンオイル配合の防水スプレーでは顕著な肺障害は認められなかった」と記載されております。しかしながら、今回の商品テスト結果及び御指導を真摯に受け止め、商品改善に努めて参りたいと考えております。又粒子径10μm以下の微粒子の存在率、付着率等も勘案致しまして商品企画、商品開発、商品管理を徹底致します。

 

株式会社ウイング 品質管理室 室長 蜂谷 敏

「株式会社ティーアンドワイ」より

 当社はご購入いただいたお客様に安心してご使用していただける商品を提供していくために、法令や社会規範を守りながら、商品開発や品質管理、営業活動を実践しております。当社の静電気防止スプレーの成分には、シリコーンという表示をしておりますが、実際に使用しておりますものはシリコーンオイルです。『防水スプレー安全確保マニュアルの手引き』中の研究結果のまとめの箇所に「シリコーンオイル配合の防水スプレーでは、顕著な肺障害は認められなかった」と記載されております。また同一処方商品を10年以上発売してきておりますが、現在まで中毒事故などの身体に関する問題は発生いたしておりません。しかしながら今回の商品テストの結果およびご指導を真摯に受け止め、商品改善に努めてまいりたいと考えております。

株式会社ティーアンドワイ 商品企画部 部長 溝邉 英治

「株式会社富士」、「株式会社ウイング」、「株式会社ティーアンドワイ」への商品テスト部の見解

 『防水スプレー安全確保マニュアル作成の手引き』の適用範囲には、「・・・主剤としてフッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンオイル等・・・」とあり、個々の成分名までは規定されておりませんでしたので、今回のテストでは、「シリコーン」と成分表示のある商品についてテスト対象としました。



業界の対応 ※2013年5月8日 追加

「株式会社イザヴェル」より

 室外での使用、ガスを吸い込まないよう注意、使用方法が赤字で印刷されたラベルを追加で貼ります。

株式会社イザヴェル代表 友國 三枝

「コモライフ株式会社」より

 本商品はシリコン樹脂を使用しているため、エアゾール協会の「エアゾール防水剤の安全向上のための暫定指針」に沿って商品化しています。

 表示に関してもこれらの基準に準じて記載をしていますが、乳幼児に関する記載は「幼児の手の届かないところに保管してください」しか記載していないため、今後の製造分より「子供の近くでは使用しない。完全に乾くまで、子供を近づけない」の注意表示を入れるようにし、お客様に安心してお使いいただけるように対応してまいります。

コモライフ株式会社 管理部 CS品質管理課 課長 村田 善文

「株式会社富士」より

 ご心配をお掛けしている消費者様、並びに弊社お取引様へは引き続きご説明させて頂き、その都度対応させて頂く所存です。何卒宜しくお願い致します。

株式会社富士 代表取締役社長 小澤 茂

「株式会社ウイング」より

  1. 現在出荷商品につきましては、現在製品の表示に不足のご指導頂きました「吸い込むと有害・必ず屋外で使用」等の注意事項を記載したシールを貼付し、お客様にご使用時必ず目に入り、注意点並び情報提供致します。
  2. 今後は「粒子径」「吸着率」をも考え、1から商品管理して参ります。
  3. ノンシリコーン処方に変更商品を企画したいと考えております。
  • ※2、3に関しましては、どちらを採用するかも含め、社内調整を行います。

株式会社ウイング 品質管理室 室長 蜂谷 敏

「株式会社ティーアンドワイ」より

  • 今後出荷する製品につきましては、現在の製品の表示に不足している『吸い込むと有害・必ず屋外で使用』等の注意事項を記載したシールを貼付し、お客様にご使用時に守るべき注意点の情報提供をいたします。
  • 顕著な肺障害は認められていないというシリコーンオイルを使用してまいりましたが、今回のご指導を受け、近い将来ノンシリコーン処方に変更した製品を発売していきたいと考えております。

株式会社ティーアンドワイ 商品企画部 部長 溝邉 英治




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

※[PDF形式]で作成した文書を開くにはAdobe Readerが必要となります。PDF形式の閲覧方法について


発表情報トップページへ

ページトップへ