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[2012年7月26日:公表]

年々増加する投資信託のトラブル−元本割れなどのリスクを再確認し、トラブルの未然・拡大防止を−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

実施の理由

 国民生活センターでは2009年1月にいわゆる「ノックイン型投資信託」に関する注意喚起を行った。しかし、全国の消費生活センターに寄せられる投資信託に関する相談はそれ以降も増加傾向にあり、2011年度は1,700件を超えている。

 相談内容としては、「契約・解約」や「販売方法」に関するものが多く、中でも元本保証がないことなどについての説明不足や解約に関する相談が目立っている。また、契約当事者は60歳以上の高齢者が多く、契約金額の平均が1,000万円を超えていることも投資信託に関する相談の特徴である。

 他方、2012年2月には投資信託に関する監督指針の改正が金融庁により行われており、今後は消費者トラブルの増加傾向に歯止めがかかることも期待されるが、投資信託の市場規模は非常に大きく、消費者トラブルの件数自体も非常に多いのが現状である。

 そこで、更なる消費者トラブルの未然・拡大防止のため、全国に寄せられる相談情報の傾向分析を行い、消費者への注意喚起のために情報提供を行う。



PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に見る相談の概要

 投資信託に関する相談件数を年度別に見ると、2007年度は929件であったが、年々増加する傾向が続いており、2011年度は2007年度の約1.9倍である1,792件の相談が全国の消費生活センターに寄せられている。

 相談の具体的な内容を見ると、「勧誘時や契約時に商品の仕組みやリスクの説明が十分でなかった」などといった「説明不足」に関する相談が最も多く、全体の約4割を占めている。次いで、「投資信託の契約をしたが解約したい」などといった「解約全般」に関するものが多い。

 このうち、「説明不足」に関する相談について、さらに内訳を分析すると「元本割れ」に関するものが上位にあがっており、これらの事例を見ると「元本割れをするとは説明されなかった」「元本保証ではないという説明がなかった」などといった相談が見られる。

 契約当事者の年齢を見ると、70歳以上が全体の約半数を占めており、これに60歳代を加えると全体の約8割を占める。また、60歳以上の割合は2007年度以降年々増加する傾向にあり、高齢者の相談が多いことが特徴として伺える。



主な相談事例

【事例1】元本保証と言って「ノックイン型」の投資信託を勧誘された
 5年前に定期預金にしようとして銀行に出向いたところ、定期預金よりも利率の高い金融商品があり、しかも元本保証と言われ投資信託を紹介された。元本保証があるなら良いと思って900万円の契約をした。それから数年後、株価が下落した際に担当者から連絡があったので、「元本保証ですよね」と聞いたところ、「株価が一定の金額以下になると元本保証はなくなる」と説明された。そのような説明は契約時には聞いていないし、「元本割れの可能性がある」と聞いていたら契約していない。元本割れをしたので補償を求めたい。
(相談受付:2012年3月、契約当事者:北海道、80歳代、男性、無職)
【事例2】分配金が倍になると言われて「通貨選択型」の投資信託を契約したがやめたい
 以前から取引のある証券会社から、分配金はこれまで持っていた商品の倍になると言われて、通貨選択型で為替ヘッジのある投資信託を契約した(契約金額約400万円)。目論見書などは契約後に渡され、後で読んでみるとリスクの高い商品であることが分かった。翌日解約したいと申し出たが、すでに契約書にサインしているので解約できないと言われた。支払いは以前取引していた投資信託の解約金を充当し、不足分は1週間以内に支払う約束をしていた。納得できないのでやめたい。
(相談受付:2012年3月、契約当事者:広島県、60歳代、女性、家事従事者)


相談事例から見た問題点

  1. 元本保証ではないこと等リスクについての説明が十分ではない
  2. 商品自体が複雑で、そもそもリスクの内容等を認識できない
  3. 判断能力が不十分な消費者による契約
  4. 断っているのにしつこく勧誘される
  5. 解約に応じられないというケースも
  6. 銀行窓口販売の特徴と問題点
    特徴:投資信託の契約を元々の目的としていなかった消費者がトラブルに遭っている
    問題点:消費者が望んでいる商品性と一致していない


消費者へのアドバイス

元本保証ではないことを改めて認識し、販売員の説明内容を十分に確認すること

 投資信託は、預貯金とは異なり、元本が保証されたものではないことを改めて認識し、販売員の説明する商品の内容を十分に確認したうえで契約すること。もし確実に元本が保証された商品を希望するのであれば、投資信託の契約は避けること。

リスクや仕組みを十分に理解できず、リスクの程度を適切に測ることができなければ契約しないこと

 投資信託の中には、「ノックイン型」や「通貨選択型」などのように複雑な仕組みの商品もある。商品の仕組みやリスクについて、パンフレットや目論見書などの資料で十分に確認し、納得が行くまで説明してもらったうえで、それでも仕組みが理解できなかったり、リスクの程度を適切に測ることができなければ契約しないこと。また、「毎月分配型」などの場合には、分配金の一部または全てが元本の一部払戻しに相当する場合があるので、あらかじめよく確認しておくこと。

自分が許容できるリスクの範囲内で契約すること

 投資信託では契約金額が高額になる例も見られ、市場の動向等によっては多額の損失を伴う可能性もある。自分の収入や資産状況を十分に考慮したうえで、自分が許容できるリスクの範囲を明確にしたうえで、その範囲内で契約をすること。

解約条件についてもあらかじめ確認しておくこと

 投資信託によっては、一定期間は解約を認めない「クローズド期間」を設けているものもある。また、解約するときに手数料がかかったり、手数料とは別に、一定の金額が差し引かれるものもあるため、契約する前にあらかじめ解約条件についても確認しておくこと。また、投資信託の契約にはクーリング・オフ制度の適用がないため注意する必要がある。

トラブルにあったら消費生活センターに相談すること

 投資信託に関してトラブルにあったり、契約前に不安な点などがあれば、最寄りの消費生活センター等に相談すること。



情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 消費者委員会事務局
  • 金融庁 監督局 証券課
  • 日本証券業協会
  • 一般社団法人全国銀行協会
  • 社団法人投資信託協会



本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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