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[2012年6月15日:更新]
[2012年5月24日:公表]

デジタル式個人線量計のテスト結果

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 昨年の東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、放射線による被ばくへの国民の関心は高く、放射線を検知、計測する機器を消費者個人で購入することが容易になっている。これらの中には、元来は放射線業務従事者個人の被ばくした積算線量を把握・管理することが目的の個人線量計もあるが、販売時に消費者に対してそのことが十分に説明されているとは言いがたい。

 個人線量計は長期にわたり使用することから、正確に測定できていなければ線量の管理ができない。また、個人の被ばく線量は、その人がどういった場所にどれくらいの時間滞在していたかなどの生活スタイルによって異なるものであるため、正確に測定ができているか個人が判断することは困難である。

 そこで、一般の市場で個人線量計として販売され、日々の被ばく線量を積算して測定できる機能等を有する機器でデジタル表示されるもの6銘柄を対象に、正確に測定できているかのテストを行うとともに、その販売広告や取扱説明書等について調査し、情報提供することとした。


主なテスト結果

個人線量計の校正方法に基づいたセシウム137由来のγ(ガンマ)線照射試験

  • 全銘柄ともばらつきは小さく、照射した線量に非常に近い積算線量を示す銘柄があった一方で、1000μSvの条件において照射した値に対して、約半分の積算線量を示す銘柄もあった。

被災地の屋外環境に近い線量率でのセシウム137由来のγ線照射試験

  • 被災地の屋外環境に近い線量率の条件では、照射した線量と正味値のずれが大きくなる銘柄があり、JISの許容する誤差の範囲内に収まるのは3銘柄だけだった。また、50μSvの試験結果を参考に正味値を補正してみると、取扱説明書等の誤差の範囲に収まる銘柄があった。

表示

  • 販売広告から個人の被ばく線量管理等を目的とした個人線量計であることが全銘柄で確認できたが、個人線量計そのものを知らない消費者にはどのような用途で使用できるかわからない銘柄もあった。
  • 校正証明書が添付されていない銘柄があり、出荷前に校正が行われているかを消費者が確認できないと考えられた。また、校正サービスについての問い合わせ先が記載されている銘柄もあった一方で、日本での問い合わせ先がわからない銘柄もあった。


消費者へのアドバイス

  • 個人線量計は個人の被ばく線量を測定・管理するために用いる機器である。購入する前に機器の用途をよく把握した上で購入、使用する。
  • 個人線量計は校正された結果をもとに、自分で補正をすることで、より正しい値を得ることができる。購入する場合は校正済みの製品であるか、かつ校正定数が示されているかについて確認を行ってから購入、使用するとよい。
  • 個人線量計は被ばく線量の管理を目的にしているため、継続して使用を続けるには定期的に校正を依頼するなどの管理が必要である。


事業者への要望

  • 消費者が別の用途の機器と誤解することがないよう、個人線量計であることや、その用途について販売広告等に明記することを要望する。
  • 個人線量計に不慣れな消費者が正しい用途に使用できるように、取扱説明書等を充実させるよう要望する。
  • 校正・試験や調整等を実施して、一般消費者に向けた品質管理を行うとともに、校正済みであることが消費者にわかるようにして販売するよう要望する。
  • 日本国内の製品に関する問い合わせ先について明記し、消費者が購入した後の校正・修理等についてサポートするよう要望する。


行政への要望

  • 個人線量計で得られる数値の信頼性を担保するには、校正を実施することが重要である。購入した消費者があらかじめ校正済みの製品であることがわかるように、事業者への指導を要望する。
  • 消費者が適切に使用できるように個人線量計の使い方について啓発等を行い、周知するよう要望する。


要望先

  • 消費者庁 消費者政策課


情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 文部科学省 科学技術・学術政策局 原子力安全課
  • 文部科学省 スポーツ・青少年局 学校健康教育課
  • 厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 労働衛生課
  • 経済産業省 産業技術環境局 知的基盤課
  • 経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課
  • 原子力災害対策本部 原子力被災者生活支援チーム
  • 内閣官房 原子力安全規制組織等改革準備室
  • 消費者委員会事務局
  • 公益社団法人日本通信販売協会


業界の意見 ※2012年6月15日 追加

「東洋メディック株式会社」より

 今回の試験結果については、真摯に受け止めて技術的に改善してもらうべき点についてはメーカーと交渉して行きます。

東洋メディック株式会社 環境事業部 計測課 部長 竹内 靖治郎

「たろうまる株式会社」より

 Polimasterの測定器は、誰でも簡単に測定できるような設計です。そのためデジタル表示の値を読むだけで、正確な線量率、積算線量の測定できるように設計されています。

 Polimasterの線量計でも、もちろん校正定数はありますが、いずれの場合も1.00に近く、校正定数がなくても、仕様の誤差範囲で、正確な線量率、積算線量の測定が行えるようになっております。

 校正の結果を、校正定数として提示するか、あるいは仕様の誤差の範囲に含めて機器の調整を行うか、これは各社の設計方針によるところが大きいかと思います。

 また現在、たろうまる株式会社でも、校正定数の提示を、メーカーに要請しております。

たろうまる株式会社 代表取締役 中山 和彦

「合同会社テラビッツ」より

 今回の商品テスト結果に記載されている内容を読み、弊社が取扱う製品の正確さとともに消費者のニーズや不満などを再認識することができました。消費者にとっては商品掲載ページに記載されている情報をもとに購入することになり、万が一、間違った情報や大げさな表現があった場合には消費者の要望としない商品を購入させてしまうこととなります。

 この結果をもとに、消費者にとってさらに有益で正確な情報を出来る限り商品ページに掲載するようにしたいと考えます。

合同会社テラビッツ 代表社員 中川 浩史



業界の対応 ※2012年6月15日 追加

「東洋メディック株式会社」より

 校正証明書については、現在は校正定数がわかるものを添付しています。

 弊社が販売する物については簡単な日本語解説を添付するように致します。

 連絡先については、日本レイシステムズ株式会社の設立の過渡期にあったために連絡先の表示についても今回の商品テストにおける購入時点で不十分であったと認識していますし、今後の販売時には改めるように致します。

 弊社は、レイシステムズの単一の代理店ではありませんし、並行輸入品も国内に多く入っていますので全てのDoseRAE2の添付文章に対応はできませんが、日本レイシステムズが国内の受け皿となって改善されていく事を希望しています。

 

東洋メディック株式会社 環境事業部 計測課 部長 竹内 靖治郎

「たろうまる株式会社」より

 たろうまる株式会社の個人線量計Polimaster PM1621Mについて、ご指摘頂いた以下の点は、現在、以下の形で、対応中です。

  1. 1)日本語翻訳・解説した校正証明書を「たろうまる」のウェブサイトで公開。
  2. 2)Polimaster PM1621Mの指示誤差の記載も修正し、「たろうまる」のウェブサイトで公開。
  3. 3)校正定数の提示をメーカーに要請

 たろうまる株式会社では、40種類の線量計から高度な放射線測定器までを、数多く揃えており、お客様は急速に増えております。弊社をご利用いただいているお客様のほとんどが、一般のお母さん、お父さんたちです。そのため、一般消費者に分かりやすい解説、説明書、電話サポート対応を、「たろうまる」のウェブサイトでは、行っており、大変、好評をいただいております。

 線量計・放射線測定器は、定期的な校正が必要になります。また修理が必要になる場合もあります。たろうまる株式会社では、放射線測定器・線量計の校正・修理・点検や、購入時のアドバイス助言などを一貫して行う体制を整えております。

たろうまる株式会社 代表取締役 中山 和彦

「合同会社テラビッツ」より

 製品メーカーとも協議し、「取り扱い上の注意に関する表示」をもっと詳しく商品ページに表記し、商品テスト結果記載されている国民生活センターからの要望を実現するべく努力したいと考えます。

合同会社テラビッツ 代表社員 中川 浩史




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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