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[2011年9月22日:公表]

CO2(二酸化炭素)排出権取引に関する儲け話のトラブル!
−一般の消費者は手を出さないで−

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

実施の理由

 2011年1月から、「電話の後自宅を訪問され、『元本は必ず戻る。すぐ倍になる』などと勧誘を受け、CO2排出権取引の契約をした。その後『追証が必要になった』と連絡があり、支払ったお金が全てなくなった。投資の経験は全くなく、こんなことになるとは思わなかった」などといったCO2(二酸化炭素)排出権取引に関する儲(もう)け話のトラブルが急増している。

 業者の交付する資料を見ると、消費者はCO2排出権そのものではなく、欧州の市場で取引のある「CO2を排出できる権利」の価格相場を参照するCFD取引(CO2排出権のCFD取引)を行っているものと考えられる。CO2排出権のCFD取引は、ロコ・ロンドン金取引と同様、ハイリスクで複雑なデリバティブ取引である。以前トラブルが目立っていたロコ・ロンドン金取引の分野は2011年1月の商品先物取引法の施行に伴って規制強化がされたことから、業者がCO2排出権のCFD取引の分野に対象商品をシフトさせていることが推測される。CO2排出権は取引業として商品先物取引法上無許可・金融商品取引法上無登録業者であっても直ちに違法な販売勧誘といえず、法律の隙間をついた取引といえよう。

 相談の特徴としては、高齢者が訪問を受け、リスクなどについて説明がないまま契約し、多額の損失を被ってトラブルになるケースが多いほか、業者に親切にされ、断れなくなって契約してしまう事例が目立つ。

 そこで、(1)CO2排出権のCFD取引の仕組みがわからず、投資経験もない一般の消費者は決して契約しないこと、(2)電話や訪問を受けてもはっきりと勧誘を断るよう、とくに高齢者に向けて注意喚起を行う。



PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)にみる相談の概要

 CO2(二酸化炭素)排出権取引に関する相談は、2010年度以降総件数が230件に及んでいる。直近の推移をみると、2010年10-12月期が2件、2011年1-3月期には55件と急増している。また、2011年4-6月期には115件になり、さらに倍増している。また、2011年7-9月期は58件となっている。

 一方、同時期のロコ・ロンドン金取引に関する相談件数についてみると、2011年1-3月期には148件であったが、2011年度以降、4-6月期には34件と急激に減少しており、CO2排出権取引の相談件数の増加と入れ替わるような推移をたどっていることがわかる。



主な相談事例

「元本は必ず戻る」と勧誘を受けて契約したが、支払ったお金が全てなくなった
 突然「今値上がりしているよい商品がある」と電話があり、後日自宅を訪問され、CO2排出権取引の勧誘を受けた。その際「元本は必ず戻る」「すぐ倍になる」などと言われ、「利益換算表」という書面を見せられたため、信用してしまった。3回に分けて200万円を現金で手渡したが、その後すぐに「値段が下がったから追証が必要になった」と連絡があったので、支払ったお金が全てなくなってしまったことがわかった。
 投資の経験は全くなく、こんなことになるとは思わなかった。「重要事項説明書」という書面には漫然とチェックした記憶はあるが、仕組みやリスクについて口頭での説明はなかった。
(2011年8月受付 契約者:60歳代 無職 女性 埼玉県)


問題点

取引の仕組みに関する問題

  1. (1)消費者自らが市場の状況を確認することはほぼ不可能である
  2. (2)取引金額が高額であり、支払ったお金が全てなくなるケースもみられる

業者に関する問題

  1. (1)過去にロコ・ロンドン金取引を行っていた業者が勧誘している
  2. (2)業者の実体を確認することが極めて難しい
  3. (3)連絡不能になったケースもみられる

販売勧誘に関する問題

  1. (1)「元本は必ず戻る」などと事実と異なる説明が行われている
  2. (2)良いことばかりを告げ、ハイリスクで複雑な取引であることを説明していない
  3. (3)投資経験がない、あるいは契約を理解していない高齢者に勧誘が行われている


消費者へのアドバイス

取引の仕組みがわからなければ、契約をしないこと

 CO2排出権のCFD取引はハイリスクで複雑な取引であるので、仕組みが理解できなければ絶対に契約しないこと。知識や経験のない一般の消費者は絶対に手を出さないこと。

電話や訪問を受けてもはっきりと勧誘を断ること

 電話や訪問を受けても、取引をするつもりがなければはっきりと断ること。とくに、業者の話をいったん聞いてしまうと、やりとりをしていくうちに親切にされるなどして業者のペースに飲まれてしまい、結果的に不本意な高額取引をさせられてしまうケースも多いので、十分に注意すること。

できるだけ早く消費生活センターに相談すること

 CO2排出権のCFD取引の勧誘を受けて少しでもおかしいと感じたら消費生活センターに相談すること。また、不本意な契約をしてしまったら、特定商取引法によるクーリング・オフが可能な場合もあるので、できるだけ早く相談すること。



情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 消費者委員会事務局
  • 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官
  • 警察庁 刑事局 捜査第二課
  • 経済産業省 産業技術環境局 環境政策課 環境経済室
  • 環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 市場メカニズム室



本件連絡先 相談情報部 情報提供課
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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