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[2011年10月24日:更新]
[2011年9月22日:公表]

子どもを自転車に乗せたときの転倒に注意!

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

 医療機関ネットワーク事業(注1)では、子ども(注2)を自転車に乗せていた時に転倒したなどの転倒・転落事故情報を、2010年12月から2011年7月末までに62件(注3)収集した。この中には走行中(注4)以外に事故が起きたケースも見られた。子どもを乗せていた時の自転車の事故は保護者の不注意と捉えられる傾向があるが、特に都市部などでは車に代わることのできない重要な交通手段でもあり、保護者が子どもを自転車に乗せることは日常的に行われている。しかし、万一自転車が転倒した場合には、子どもが大きなけがをすることもある。

 そこで、子どもを自転車に乗せて使用する実態について消費者アンケートを実施し、危険を感じた状況を調べるとともに、自転車の押し歩き時、停車時の安定性などを使用実態に即してテストし、使用上の注意点を明確にして消費者に情報提供することとした。

  1. (注1)医療機関ネットワーク事業とは、消費生活上において生命又は身体に被害を生じる消費生活上の事故情報を参画医療機関から収集し、国民への注意喚起などに活用することを目的として実施している事業。消費者庁と国民生活センターの共同事業であり、2010年12月より情報収集を開始した。
  2. (注2)道路交通法では、「幼児」は6歳未満の者を指す。また、各都道府県の道路交通規則では、運転者のほかに自転車に乗せることのできる者の年齢は6歳未満と規定されている。しかし、6歳以上の者を自転車に乗せている実態が判明したため、本資料では6歳以上も含む場合は「子ども」という表現を使用する。
  3. (注3)件数は、本調査のため特別に事例を精査したものである。
  4. (注4)本資料での「走行中」とは、ある程度の速度に達して定常走行している状態のことを指すこととする。

主なアンケート調査結果

  1. (1)2人以上の子どもを乗せている場合であっても、幼児2人同乗基準適合車マークが付いている自転車を使用していたのは4割に満たなかった。
  2. (2)7割の回答者が、子どもを乗せた時に転倒した、または転倒しそうになった経験があり、押し歩きなど、走行中以外にも危険があった。


主なテスト結果

 テスト対象は、幼児を自転車の前後席、あるいは前席または後席に乗せられるタイプと、一般に普及しているクラス18の荷台を装備したシティ車を参考品とした、全7銘柄。

転倒の危険性・ふらつき感(モニターテスト)

  1. (1)前後席におもりを載せて、押し歩きをしながらS字カーブを通過した場合には、モニターの半数以上が転倒しそうになり、重くて支えられないと感じていた。
  2. (2)幼児2人同乗基準適合車では、段差の乗り上げの時に前輪の浮きを感じるモニターは少なかった。幼児2人同乗基準適合車以外では、後席におもりを載せ、スタンドを立てた際に前輪が持ち上がり、転倒の危険が感じられた場合があった。また、自転車のタイプに関わらず急な方向転換によって後席が倒れこみ、転倒しそうになったことがあった。

前輪の旋回抑制機構の操作性(モニターテスト)

 前輪の旋回抑制機構は、スタンドの操作やキーの操作と同時にかかるタイプが、二段階で操作するタイプと比較して操作しやすいと評価された。

傾いた自転車を支えるのに必要な力の測定

 ダミー人形を座席に載せた場合、自転車の傾きが大きくなると、車体を支えるのに必要な力が、載せない場合の2〜3倍になった。

自転車の転倒角度の測定

 ハンドルをきった状態では、旋回抑制機構を使用しないと、ゆるやかな斜面でも前輪が動き、スタンドが浮いて転倒することがあった。

自転車の前後輪に加わる荷重の測定

 自転車の前輪と後輪に加わる荷重の割合はダミー人形を載せる位置によって異なり、後席だけにダミー人形を載せた場合には前輪にかかる荷重の割合が25%以下となり、前輪が浮きやすくなった。



消費者へのアドバイス

  1. (1)幼児を乗せて自転車を扱う時には、押し歩きや駐輪動作中にも転倒の危険があることを認識する。また、必ずヘルメットを乗車前に着用させるようにする。
  2. (2)幼児を乗せた自転車は重さが増すため、確実に支えることができるよう、必ず両手で自転車を操作する。また、後席に幼児を乗せた際に、幼児の重量で後席が倒れこむ場合や、前輪が浮く場合があるため特に注意し、後席を荷台に取り付ける際には、前輪を浮きにくくするために極力、荷台の前方に取り付ける。
  3. (3)幼児の乗せ降ろしの際には、ハンドルが真っ直ぐ前を向いていること、自転車が横方向に傾いていないことを確認し、スタンドをロックするとともに、旋回抑制機構を使用する。
  4. (4)幼児の乗車位置によって取り扱う感覚が大きく異なるので、乗せる位置を変更するときなどは安全な場所で十分に練習することが望ましい。
  5. (5)乗車する幼児の人数に応じて適切な自転車を選択する。


業界への要望

  1. (1)かがまなければ操作できない前輪の旋回抑制機構は、操作しにくいと評価された。旋回抑制機構を操作する位置について改善を要望する。
  2. (2)後席の取り付け位置が荷台の後ろになりすぎないように注意喚起を徹底するよう要望する。


要望先

  • 社団法人自転車協会


情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 経済産業省 商務情報政策局 商務流通グループ 製品安全課
  • 財団法人自転車産業振興協会


動画



業界の意見 ※2011年10月19日 追加

「社団法人自転車協会」より

 当会においても、本件調査結果を踏まえた使用上の注意点等を、利用者に対して啓発することも検討したい。

社団法人自転車協会



業界の対応 ※2011年10月19日 追加

「社団法人自転車協会」より

 国民生活センターの発表内容を、本件関連企業の当会会員に周知(注意喚起)するとともに、自転車安全基準の一部改正の可否を検討する。

社団法人自転車協会




本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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