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[2011年8月25日:公表]

新手の儲け話、医療機関債の販売勧誘トラブル!

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。

実施の理由

 2011年度に入り、主に高齢者が電話や訪問でしつこく医療機関債の勧誘をされるといったトラブルが各地の消費生活センターに寄せられている。

 このトラブルでは、勧誘時に「医療機関債」のほか「病院債」、「医療債」、「病院への投資」などという言葉が用いられている。「医療機関債は国債と同じで、元本割れすることのない安全な商品である」「人工透析ができる医療機関にお金を出せば、高い利息が付く」などと、預貯金や国債と同じであるといった、事実と異なる説明や、高利率であることだけを強調するなどの問題勧誘が見受けられる。

 そもそも医療機関債の契約は、医療法人(病院)側が借り手、消費者側が貸し手となるお金の貸し借り(金銭消費貸借契約)であると考えられ、通常、貸し手は医療法人をよく知る地域住民や銀行等であり、医療法人と関係のない、広範囲に及ぶ不特定多数の個人に電話や訪問販売などで勧誘が行われることは一般的ではないと考えられる。

 そこで、トラブルの拡大を未然に防ぐため、安易に業者の話をうのみにしないよう、とくに高齢者に対し注意喚起を行う。



PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)にみる相談の概要

 医療機関債に関する相談は、2001年度以降、年間に数件みられる程度であったが、2011年度に入り、数カ月で総件数が127件に及んでいる。年代別では、60歳以上が全体の7割を占める。性別では、女性が4分の3を占めている。地域別では、近畿、関東の相談が全体の8割を占めている一方で、まったく相談が寄せられていない地域もあり、偏りがみられる。またトラブルが地域を移行する傾向も見られる。



主な相談事例

強引な勧誘で国債と同じで元本割れしないと説明され、医療機関債の申し込みをした
 突然自宅に電話があり、「医療について興味はないか。年利4%の債権を買わないか」との勧誘を受けた。怪しいと思い断ったが、後日再度電話があり、「近くに来ているので説明を聞いてほしい」と言われた。断ったものの「今、家の前にいる。暑い中やってきている」と言われ、思わず玄関を開けた。そこには汗だくの男性が立っており、「期間は5年。国債と同じで元本割れしない安全な商品。2口100万円分購入すれば3カ月ごとに1万円が振り込まれる」と説明を受けた。「それほど金利のよいものなんて信じられない」と断ったが、男性の身分証明書などを見せられ「これでも信用できないか」と威圧された。強引で断りきれず、手付金1万円を支払い、残りの代金は後日支払うことにした。
 その後、お金を用意するため金融機関で投資信託の解約を申し出たところ「怪しいので消費生活センターに相談した方が良い」と言われた。不審なので解約してお金を返してほしい。
(2011年6月受付 契約者:50歳代 無職 女性 栃木県)


問題点

  1. (1)預貯金や国債といった金融商品と誤解させる勧誘が行われている
  2. (2)利益となることばかり告げ、リスクについて説明していない
  3. (3)強引でしつこい勧誘が行われている
  4. (4)認知症など判断力の低下した消費者に勧誘が行われている
  5. (5)震災に乗じた勧誘が行われている


消費者へのアドバイス

(1)預貯金や国債と同じとの説明は事実ではない
 そもそも医療機関債は、医療法人にお金を貸すという金銭消費貸借契約である。金融商品取引法が適用となる有価証券ではない。
 医療機関債は、預貯金や国債のような金融商品ではなく、信用力や流動性などのリスク内容も大きく異なり、医療法人が破産等した場合は全損のリスクがある契約である。また、原則として償還日前は中途での換金はできないとされ、流動性が低い。安易に業者の話を信用せず、問題勧誘を行う業者とは絶対に契約しないこと。
(2)リスクや契約内容が確認・理解できなければ契約しないこと
 リスクや契約内容について、業者から適切な情報が提供されなかったり、正しく理解できないようであれば契約しないこと。どのような契約かわからなければ、家族や周りの信頼できる人に相談すること。
 また、周囲の人も高齢者や判断力の低下した人がトラブルに遭っていないか、日頃から見守る意識を持つことが大切である。
(3)強引でしつこい勧誘を受けても、不要であればきっぱり断ること
 たとえ強引でしつこい勧誘を受けても、必要ない契約であればきっぱり断ること。望まない訪問を受け、帰るようはっきり告げても応じなければ、警察に通報するなど毅然とした態度で臨むこと。
(4)できるだけ早く消費生活センターに相談すること
 医療機関債の契約について、少しでも不審に感じたり、不本意な契約をしてしまった場合は、消費者契約法などによる取消しができる場合もあるので、できるだけ早く消費生活センターに相談すること。


情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官
  • 警察庁 刑事局 捜査第二課
  • 金融庁 監督局 証券課
  • 金融庁 監督局 総務課 金融会社室
  • 厚生労働省 医政局 指導課
  • 社団法人日本医療法人協会



本件連絡先 相談情報部 情報提供課
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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