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[2011年7月8日:更新]
[2011年7月5日:公表]

「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第4報)−発生3カ月間における相談の推移−

 2011年3月11日に発生した「東日本大震災」からおよそ3カ月が経過した。震災に関する消費生活相談情報については、発生直後から全国の消費生活センター及び国民生活センター(注1)に多数寄せられている。これまで、3月11日から3月27日までに受け付けた相談情報に関して、東北・関東地域の相談を中心に第1報(注2)(3月28日公表)で、また4月10日までの発生1カ月間での状況は第2報(注3)(4月15日公表)、2カ月間での状況は第3報(注4)(5月23日公表)にまとめている。

 今回の第4報は、発生から3カ月間の相談について、時期別、地域別で、どのような特徴があるのか等を中心にまとめ、情報提供する。

  1. (注1)3月27日より被災地域を対象として「震災に関連する悪質商法110番」を実施している。
  2. (注2)「東北地方太平洋沖地震」関連で寄せられた消費生活相談情報(第1報)−東北・関東地域の相談を中心に−
  3. (注3)「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第2報)−発生1カ月間にみる相談の推移−
  4. (注4)「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第3報)−発生2カ月間における相談の推移−

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)(注5)にみる相談の概要

相談件数

 PIO-NETでは、「東日本大震災」当日から震災関連の相談(注6)が全国から寄せられ、3月11日から6月10日までの3カ月間で17,093件となっている(6月13日現在)(注7)。

 地域が不明・無回答の367件を除いた16,726件を、受付日別におおよそ10日単位(注8)で9期間に区切って、地域別にみていく。

 「3月11日〜20日」の総件数は4,007件、「3月21日〜31日」は4,807件、「4月1日〜10日」が1,976件、「4月11日〜20日」が2,036件、「4月21日〜30日」が1,254件、「5月1日〜10日」が676件、「5月11日〜20日」が1,017件、「5月21日〜31日」が689件、「6月1日〜10日」が264件であった(図1参照)。

図1 相談件数の推移
3月11日から6月10日までの被災地4県、北海道・東北、関東、その他地域における相談件数の推移のグラフ。グラフが示す件数は前述の通り。グラフに続いて本文による傾向の説明。

  1. (注5)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと。
  2. (注6)相談に至る経緯や端緒に東日本大震災が関連している相談情報。
  3. (注7)2011年6月13日までの登録分。なお、受付日と登録日には時間差があるため、直近の受付日分はまだ未登録のものが多数あり、今後増加することが予想される。
  4. (注8)今回は、特別に集計期間を月ベースより小さな単位としている。

 3カ月が経過した現時点においては、時期別の相談件数は震災発生から日が浅い3月の相談件数が多かったが、4月に入ると、件数は3月の半数近くに減少し、5月はさらに半減している。

 「被災地4県(岩手県、宮城県、福島県、茨城県(一時的に他の地域へ避難している場合も含む))」(注9)と、「北海道・東北地域(被災地4県対象県を除く)」(注10)、「関東地域(被災地4県対象県を除く)」(注11)、それ以外の「その他地域」(注12)と、地域を4つにわけると、図1に示すとおり、5月以降は「被災地4県」と関東が総件数をほぼ二分した状態にある。

 図2-1〜3では、「3月11日〜4月10日」、「4月11日〜5月10日」、「5月11日〜6月10日」と震災発生から1カ月単位で、それぞれ件数の推移を地域ブロック別に件数の規模を示した。

 これをみると、図1で「その他地域」としたなかでの地域の内訳がわかるが、人口規模や被災地からの距離に応じて、件数に地域差がある。

図2-1 相談件数の地域分布(3月11日〜4月10日)
件数を地域別に示した図。関東地域の件数が多い。

図2-2 相談件数の地域分布(4月11日〜5月10日)
件数を地域別に示した図。被災地4県と関東地域の件数が多い。

図2-3 相談件数の地域分布(5月11日〜6月10日)
件数を地域別に示した図。被災地4県と関東地域の件数が多い。

  1. (注9)国民生活センターが3月27日より実施している「震災に関連する悪質商法110番」の対象である。
  2. (注10)北海道、青森、秋田、山形が該当。
  3. (注11)栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川が該当。
  4. (注12)甲信越、北陸、東海、近畿、山陰、山陽、四国、九州北部、九州南部・沖縄、在外邦人、外国人が該当。

時期別・地域別の相談全体に占める震災関連相談

 図3に、時期別・地域別に寄せられた震災関連の相談を、同期間の各地域での消費生活相談全体に占める割合で示した。

 震災直後の「3月11日〜20日」は、被災地4県の相談は、4県の消費生活相談全体のなかで61.7%を占めている。それに対し、北海道・東北は35.8%、関東は32.5%、その他地域は6.7%と、地域によって震災が与える影響には明確な差があることが確認できる。

 「3月21日〜31日」は、北海道・東北、関東における震災関連の相談の占める割合は相談全体の2割程度になり、発生直後と比較し、かなり小さくなっている。一方で、被災地4県は62.6%と、依然として大きな割合を占めている。

 震災発生から1カ月が過ぎた4月中旬になると、被災地4県を除く地域では、震災関連の相談は1割に満たないようになり、それ以降ほぼ横ばいで推移している。一方、被災地4県は時間の経過とともに緩やかに割合は小さくなってきているが、未だ相談全体の3分の1を占めている。

図3 時期別・地域別でのそれぞれの消費生活相談全体に占める割合
3月11日から6月10日までの被災地4県、北海道・東北、関東、その他地域でのそれぞれの消費生活相談全体に占める割合のグラフ。グラフが示す割合と傾向は前述の通り。

時期別・地域別の上位商品

 地域により件数の規模が異なるので、規模の大きかった被災地4県と関東については発生1カ月以降の時期別上位商品を、北海道・東北やその他地域については3カ月間における上位商品を示す。

1)被災地4県、関東

 震災発生1カ月以降の「4月11日〜20日」から「5月21日〜31日」までのおおよそ10日ごとの5期間における、件数の規模が大きい被災地4県と関東について、それぞれ上位商品を表1-1〜5に挙げた。

(1)「4月11日〜20日」

 震災発生から1カ月経過したこの時期は、「不動産貸借」、「工事・建築」、「修理サービス」が被災地4県、関東でともに上位を占めている。そのほか、被災地4県では収入が減少し借金返済ができない、などといった「フリーローン・サラ金」、罹災(りさい)証明手続き等に関する「他の行政サービス」についての相談が目立つ。一方、関東では放射性物質に関連して「ミネラルウォーター」、「野菜」が上位にきている。

表1-1 4月11日〜20日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品割合
1不動産貸借 118 14.7%
2工事・建築 92 11.4%
3修理サービス 72 9.0%
4フリーローン・サラ金 31 3.9%
4他の行政サービス 31 3.9%
6相談その他(注13) 24 3.0%
7四輪自動車 21 2.6%
8給湯システム 20 2.5%
9火災保険 18 2.2%
10商品一般(注14) 15 1.9%
  1. (注13)「相談その他」は、たとえばチェーンメールや労働問題等に関する相談。
  2. (注14)「商品一般」は、商品を特定できない、あるいは特定する必要のない相談。
関東
順位商品割合
1工事・建築 73 9.0%
2不動産貸借 65 8.0%
3ミネラルウォーター 57 7.1%
4修理サービス 48 5.9%
5野菜 26 3.2%
6火災保険 18 2.2%
7デジタルコンテンツ 16 2.0%
8新築分讓マンション 12 1.5%
8四輪自動車 12 1.5%
8保健衛生品その他(注15) 12 1.5%
  1. (注15)「保健衛生品その他」は、たとえばマスクや放射能測定器等に関する相談。
(2)「4月21日〜30日」

 この時期は、上位商品には大きな変化はないが、被災地4県では、前の10日間と同様に「火災保険」や「給湯システム」が上位にきている。関東では主に放射能測定器が含まれる「保健衛生品その他」の相談が目立ってきた。

表1-2 4月21日〜30日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品割合
1工事・建築 79 14.9%
2不動産貸借 75 14.2%
3修理サービス 34 6.4%
4フリーローン・サラ金 30 5.7%
5他の行政サービス 23 4.3%
6火災保険 21 4.0%
7給湯システム 19 3.6%
8相談その他 15 2.8%
9四輪自動車 13 2.5%
10商品一般 8 1.5%
関東
順位商品割合
1工事・建築 51 10.3%
2不動産貸借 34 6.9%
3修理サービス 28 5.7%
4ミネラルウォーター 19 3.8%
5保健衛生品その他 16 3.2%
6商品一般 12 2.4%
7デジタルコンテンツ 10 2.0%
7フリーローン・サラ金 10 2.0%
7野菜 10 2.0%
10四輪自動車 8 1.6%
(3)「5月1日〜10日」

 5月上旬は、関東では1位の「工事・建築」が16.0%と、4月に比べ大きな割合となった。また、放射性物質に関連する商品がさらに上位にきている。

表1-3 5月1日〜10日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品割合
1不動産貸借 41 14.2%
2工事・建築 31 10.8%
3修理サービス 21 7.3%
4フリーローン・サラ金 16 5.6%
5給湯システム 15 5.2%
5他の行政サービス 15 5.2%
7火災保険 11 3.8%
8相談その他 10 3.5%
9四輪自動車 9 3.1%
10デジタルコンテンツ 7 2.4%
関東
順位商品割合
1工事・建築 41 16.0%
2ミネラルウォーター 21 8.2%
3不動産貸借 12 4.7%
3野菜 12 4.7%
5修理サービス 11 4.3%
5保健衛生品その他 11 4.3%
7火災保険 4 1.6%
7航空サービス 4 1.6%
7四輪自動車 4 1.6%
7商品一般 4 1.6%
(4)「5月11日〜20日」

 5月中旬は、全体の傾向は大きく変わらないが、関東では放射性物質に対する不安から、「緑茶」についての相談が1割を占め、2位に浮上している。

表1-4 5月11日〜20日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品割合
1工事・建築 49 11.1%
2不動産貸借 48 10.9%
3修理サービス 38 8.6%
4他の行政サービス 24 5.4%
5フリーローン・サラ金 23 5.2%
6火災保険 21 4.8%
7相談その他 17 3.9%
8四輪自動車 13 2.9%
9保健衛生品その他 9 2.0%
10住宅ローン 8 1.8%
関東
順位商品割合
1工事・建築 50 13.8%
2緑茶 41 11.3%
3不動産貸借 26 7.2%
4修理サービス 19 5.2%
5保健衛生品その他 11 3.0%
6ミネラルウォーター 10 2.8%
6野菜 10 2.8%
8新築分讓マンション 7 1.9%
9火災保険 5 1.4%
9他の台所用品 5 1.4%
(5)「5月21日〜31日」

 5月下旬は、全体の傾向は大きく変わらないが、被災地4県における「工事・建築」の割合がやや小さくなってきている。また、「保健衛生品その他」の相談も徐々に増えてきている。

表1-5 5月21日〜31日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品割合
1不動産貸借 44 12.6%
2修理サービス 31 8.9%
3工事・建築 27 7.7%
4火災保険 22 6.3%
5フリーローン・サラ金 20 5.7%
6他の行政サービス 16 4.6%
7相談その他 15 4.3%
8四輪自動車 12 3.4%
9保健衛生品その他 11 3.2%
10給湯システム 8 2.3%
関東
順位商品割合
1不動産貸借 22 10.6%
2工事・建築 16 7.7%
3修理サービス 10 4.8%
3緑茶 10 4.8%
5デジタルコンテンツ 7 3.4%
5保健衛生品その他 7 3.4%
5野菜 7 3.4%
8ミネラルウォーター 6 2.9%
9給湯システム 5 2.4%
9電気 5 2.4%

2)北海道・東北、その他地域

 震災発生から3カ月間における、北海道・東北での上位商品をまとめると、表2のとおり、発生当初に相談が集中した「ガソリン」が突出している。また、「ガソリン」と同じく品不足であった「灯油」が2位にきている点がこの地域の特徴である。

 その他地域においては、「工事・建築」や「国内パックツアー」が相談の上位であるが、それぞれ、全体に占める割合は小さく、さまざまな商品についての相談が寄せられている。

表2 3カ月間の地域別上位商品
北海道・東北
順位商品割合
1ガソリン 455 36.8%
2灯油 93 7.5%
3四輪自動車 34 2.7%
4商品一般 30 2.4%
5不動産貸借 28 2.3%
6野菜 26 2.1%
7募金 25 2.0%
8フリーローン・サラ金 21 1.7%
8相談その他 21 1.7%
10他の行政サービス 16 1.3%
その他地域
順位商品割合
1工事・建築 170 6.1%
2国内パックツアー 133 4.8%
3相談その他 103 3.7%
4募金 89 3.2%
5不動産貸借 83 3.0%
6四輪自動車 82 2.9%
7デジタルコンテンツ 80 2.9%
8ミネラルウォーター 79 2.8%
9商品一般 70 2.5%
10野菜 63 2.3%


主な相談事例

 震災発生から2カ月経過以降に寄せられた、最近の相談を挙げる。

【事例1】放射線測定器
 インターネット通販で放射能測定器を注文し、代金を振り込んだ。商品発送予定から2週間過ぎた頃、「輸入した商品に欠陥が見つかったので解約してほしい」と業者からメールが届いた。返金するという話だったのに、1カ月が過ぎても返金がなく、電話してもつながらない。
(福島県、50歳代、男性)
【事例2】緑茶
 緑茶を1カ月前に購入したが、今回の震災による原発事故の影響が心配だ。緑茶を飲んで大丈夫か。
(茨城県、80歳代、女性)
【事例3】「お金をあげる」メール
 震災の影響で失業中のため、副業サイトを検索していた。「返信してくれたら1500万円をあげる」というメールが届き、返信。サイトに登録したところ、アドレス交換費用や回線をつなぐ費用等を請求され、200万円近く支払ったがお金はもらえず、だまされたと思う。返金してほしい。
(宮城県、30歳代、女性)
【事例4】「被災地からきた」という訪問販売
 「被災地からきた」と言い、みかんの販売業者が自宅に訪ねてきた。試食して、友人と1箱2kg分4,000円を半分ずつ買うことにして支払うと、「計算もできないのか。14,000円だ」とすごまれた。
(島根県、60歳代、女性)
【事例5】金の訪問買い取り
 金の買い取りをしているという業者が訪れ、「買い取ってもらうような金は持っていない」と断り続けたところ、「まったくアクセサリーがないのか。震災の影響で金が不足して日本中が困っているのに協力できないのか」と脅された。
(神奈川県、50歳代、女性)


まとめ

被災地の相談は今なお震災関連が多い

 全国の相談件数は、震災直後と比較し、4月以降大幅に減っている。被災地でも件数は減少しているものの、未だ消費生活相談全体に占める震災関連の相談割合は大きい。

原発事故の影響に関する相談は依然として続く

 「野菜」、「ミネラルウォーター」等、原発事故の影響での放射能に関わる相談は、依然として多い。さらに、最近では放射線測定器に代表される「保健衛生品その他」や「緑茶」についての相談も目立ってきている。

震災に便乗していると思われる商法も

 相談のなかには、「被災者の援助になる」、「復興支援に協力を」等のうたい文句を使って、食品を販売したり、投資商品を勧めたりする、被災地の復興支援の心情を巧みに利用するケースがみられる。また、放射能への不安に乗じて「放射能が除去できる」といって浄水器等を売りつける場合もある。これらのような、震災に便乗して勧誘する商法には、注意が必要である。



被災地の方へ

 国民生活センターでは、3月27日より悪質商法かどうかにかかわらず、消費生活に関する相談全般を受け付けている。生活の中で不安な点・疑問に思うことなどがあれば、遠慮なく「震災に関連する悪質商法110番」まで電話していただきたい。

  • ※「震災に関連する悪質商法110番」は受付を終了しました。(2011年7月29日)


情報提供先

  • 消費者庁 消費者政策課
  • 消費者庁 地方協力課



本件連絡先 相談情報部 情報提供課

[PDF版] 「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第4報)−発生3カ月間における相談の推移−(268KB)
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