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[2011年6月23日:公表]

震災に乗じた未公開株の勧誘に注意!
−「被災地支援」など震災にかこつけた話にだまされないで−

 2011年3月11日の東日本大震災発生以降、震災に乗じた様々な便乗商法に関するトラブルが寄せられている。各地の消費生活センター及び国民生活センター「震災に関連する悪質商法110番」には「風力発電が注目され始めている。風力発電の事業者が近々上場する予定だ。上場すれば株価が上がり、もうかる」「国際的な医療等の救済活動や投資トラブルの被害者の救済を目的とする会社が発行している株を買わないか。上場したら価値が上がる」といった、原発事故関連や被災地の復興支援をうたって未公開株の購入を勧誘する相談が寄せられている。

 国民生活センターでは2006年以降、震災以前の2011年2月17日「絶対に耳を貸さない、手を出さない!未公開株や社債のあやしい儲け話」の公表など未公開株についてたびたび注意情報を発してきた。

 また、2011年5月17日に改正金融商品取引法(注1)が成立、無登録業者による未公開株等の取引に関して、表示・勧誘行為の禁止、非上場の株券等の売りつけ等における売買契約の原則無効、罰則の引上げなどの規制が実現することとなった。改正法は本年11月末日までに施行予定となっている。

 なお、改正法に付帯して「東日本大震災からの復旧・復興に向けた義援金・復興資金が全国から寄せられる中で、その募集を装った詐欺などの違法・悪質な取引、無登録業者による未公開株等の勧誘等が行われることのないよう、本法により整備される措置を含めた制度の実効性ある運用に努めること」(注2)が決議されている。

 今回、改正法施行前に際し、震災に乗じた未公開株の悪質な販売勧誘が駆け込み的に増えることが予想されることから、重ねて消費者に注意を喚起することとする。

  1. (注1)「資本市場及び金融業の基盤強化のための金融商品取引法等の一部を改正する法律」のこと。
    詳しくは国会提出法案等(金融庁)参照。
  2. (注2)第177回国会「財務金融委員会」第19号 会議議事録(衆議院)

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)にみる消費生活相談の概要

相談件数

 PIO-NET(注3)に寄せられた相談のうち、震災関連の未公開株に関する相談件数は25件(2011年3月〜2011年6月10日までの登録分)である。3月に10件(40.0%)、4月に10件(40.0%)、5月に4件(16.0%)、6月に1件(4.0%)であった。

図1 震災関連の未公開株に関する相談件数
相談件数の推移のグラフ
(2011年6月10日までの登録分)

  1. (注3)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと。

契約当事者の属性

 以下は、全国の消費生活センターに寄せられた震災関連の未公開株に関する相談を分析した内容である。(※以下の項目について、不明・無回答は除く)

  1. (1)年代別に見ると、70歳以上が16件(69.6%)と最も多く、次いで60歳代が5件(21.7%)、30歳代、50歳代がそれぞれ1件(4.3%)となっており、高齢者が大半を占める(図2)。平均年齢は約71歳である。
  2. (2)男女別に見ると、男性が13件(54.2%)、女性が11件(45.8%)となっている(図3)。
  3. (3)職業別に見ると、無職が19件(82.6%)と最も多く、ついで家事従事者が3件(13.0%)、自営・自由業が1件(4.3%)となっている(図4)。

図2 年代別
契約当事者の年代別割合のグラフ

図3 職業別
契約当事者の職業別割合のグラフ

支払金額

(※以下の項目について、不明・無回答は除く)

 すでにお金を支払ってしまった相談は9件あり、50万円未満と50万円以上100万円未満がそれぞれ3件(33.3%)と最も多く、100万円以上200万円未満、1,000万円以上2,000万円未満、2,000万円以上がそれぞれ1件(11.1%)となっている。平均金額は約607万円であった。



主な相談事例

【事例1】風力発電会社の未公開株
 東日本大震災の後、突然知らない業者A社からダイレクトメールが届いた。社名に見覚えはなく、中には風力発電の事業を行っているB社のパンフレットが入っていた。後日、A社から電話があり、「当社はB社の未公開株の購入を勧めている。今回の原発事故の影響で、原子力発電は使われなくなる。今後は風力発電が注目される。B社は風力発電事業を行っており、政府の高官も視察に行くような将来有望な会社だ。あなたは特別優待で、この会社の未公開株を安く買うことができる。今のうちに安く買っておけば、後で得をする」と勧誘され、B社の未公開株を1口40万円で購入した。
 その後、証券会社を名乗る業者から次々と「1.5倍で買い取る」「買い増ししてほしい」という勧誘の電話がかかるようになった。不審に思い、娘に相談したところ、「だまされている」と言われた。返金してほしい。
(2011年4月受付 70歳代 女性 無職 千葉県)
【事例2】「被災地の復興を支援する会社」の未公開株
 突然電話で「東日本大震災の被災地を支援する会社の未公開株を買わないか。この会社は医療関係者や政府の人に呼びかけて救済センターを立ち上げた。救済センターは医療等の国際的な救済活動だけでなく、投資でだまされた人を救済するプロジェクトに取り組んでいる。これから成長していき、将来は上場する会社である。今のうちに未公開株を購入しておくと後でもうかる」と説明された。
 その後、送られてきたパンフレットに当該救済センターの理事長の名前と病院名が掲載されており、パンフレットに記載された連絡先に電話をしたところ、「実在する病院の院長であり、当該救済センターの理事長でもある」と言われた。信用できると思い、勧められるまま未公開株を購入してしまったが、返金してほしい。
(2011年3月受付 70歳代 女性 無職 埼玉県)
【事例3】「鉄道建設関連業者の未公開株」を限定販売
 自宅にA社のパンフレットが届き、後日、電話があり「東日本大震災の影響で今後、新幹線の建設事業や鉄道運輸関連の企画、メンテナンスなどの事業が増えていく。当社はその関連事業を請け負っている。あなたの在住地域の方が重役になっているので、市民限定で販売している。未公開株を1口10万円で買わないか。数に限りがあるため、急いで申込んでほしい」と言われた。信用できるか。
(2011年3月受付 60歳代 女性 家事従事者 神奈川県)
【事例4】浄水器関連業者の未公開株
 証券会社を名乗り「A社の未公開株を持っていないか」と電話があった。持っていないと伝えると、「パンフレットが届いたらぜひ、教えてほしい」と言われた。
 2日後、「A社のパンフレットは届いていないか。東日本大震災の影響で浄水器の需要が高まっている。A社は浄水器メーカーの会社で、将来、上場する予定だ。A社の未公開株を欲しがっている人がいる。当社の代わりに未公開株を買ってくれれば、2〜3倍の値段で買い取る」と未公開株の購入を勧められた。さらに「あなたは今、オプション取引でもうかっているそうだが、当社が買い取る方がお金になる」と、自分がオプション取引をしていることを知っていた。マスコミが報道している劇場型勧誘だと思うので、情報提供する。
(2011年5月受付 30歳代 男性 無職 神奈川県)


消費者へのアドバイス

震災を口実にしたセールストークにだまされない

 「被災地復興の事業」や震災関連で需要が高まると思われる「建設事業」、原発事故の影響を受けて「浄水器関連事業」などと震災にかこつけて将来が有望な会社と説明し、消費者の投資欲をあおるが、信ぴょう性に乏しく、実態がない可能性が高い。安易に信用しないこと。

 また、業者の信用性を確かめようと、消費者から業者に連絡を取ると、逆にまるめ込まれてしまうおそれがあるので、連絡はできるだけ控えること。

安易なもうけ話はきっぱり断ること

 業者が未公開株の取引を不特定多数の人に勧誘することは考えにくい。「あなただけ特別」「必ず上場する」「絶対にもうかる」などと勧める安易なもうけ話は、きっぱり断ること。

業者が金融商品取引業者の登録を受けているのかを確認する

 他社の未公開株を販売する等の金融商品取引業を行うには、金融商品取引業者としての登録が義務付けられており(金商法2条9項、29条)、無登録で未公開株等を販売した場合、罰則が課される(金商法198条1項)。

 さらに今後施行が予定されている改正金融商品取引法においては、無登録業者による未公開株の販売だけでなく、勧誘行為も禁止し、契約を締結してしまったとしても契約を取り消し、返金を請求することができるようになる。そのため、販売業者の登録状況の確認は必須となる。

 登録の有無は金融庁ホームページ(注4)で確認できる。ただし、登録業者であっても業者の信用性を金融庁や財務局が保証しているわけではない。

 また、実際の登録業者をかたって勧誘するケースもありうるので、登録業者名だけでなく、電話番号等の連絡先についても確認する必要がある。

  1. (注4)「免許・許可・登録等を受けている業者一覧(金融庁)

買い取りが実行されることはまずない

 「当社の代わりに未公開株を買ってくれれば、5倍の値段で買い取る」「市民の方限定で買ってもらっている」等のセールストークで消費者の購入意欲をあおる、いわゆる劇場型勧誘が非常に目立つ。「何倍もの値段で買い取る」と買取業者は言うが、買い取りが実行されたという事実は1件も確認されていない。

支払ったお金を取り戻すのは難しい。あわててお金を支払わないこと

 いったん支払ってしまった代金を取り戻すことは非常に困難である。特に申し込みや支払いを急がせる場合はあわてて支払ってはいけない。まずは家族や消費生活センターに相談してからでも遅くない。

 もしお金を支払ってしまった場合、業者が指定した預金口座をすぐに金融機関と警察に連絡し、預金口座の利用停止を求めること(注5)。

  1. (注5)振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)では、振り込め詐欺等の被害者に対する被害回復分配金の支払手続等を定められている。財産を侵害する犯罪に利用されたと思われる預金口座にお金を振り込んでしまった場合、被害者が警察や振込先の金融機関に連絡・届出を行うことで振込先口座の凍結を依頼することができる。詳しくは金融庁「振り込め詐欺(恐喝)事件にご注意!

勧誘された時点で最寄りの消費生活センターに相談する

 知らない業者から勧誘があった場合、契約する前に最寄りの消費生活センターに相談すること。契約してしまった場合でも、あきらめずに相談すること。



被災地の方へ

 「震災に関連する悪質商法110番」の窓口では、悪質商法かどうかにかかわらず、消費生活に関する相談全般を受け付けている。生活の中で不安な点・疑問に思うこと等があれば、遠慮なく電話していただきたい。

  • ※なお、政府広報でも震災関連の悪質商法について注意を呼びかけている。
    「高齢者を狙う「未公開株、社債取引の勧誘」や「訪問販売」困ったときは早めに相談を!(政府広報オンライン)」
  • ※「震災に関連する悪質商法110番」は受付を終了しました。(2011年7月29日)


情報提供先

  • 消費者庁 政策調整課


(参考資料)未公開株に関する相談件数(2011年6月10日)

年度別相談件数

 PIO-NETに寄せられた相談のうち、未公開株に関する相談件数は21,289件(2011年6月10日までの登録分)である。2007年度は2,616件(12.3%)、2008年度は3,071件(14.4%)であったが、2009年度は6,114件(28.7%)、2010年度は8,504件(39.9%)と増加傾向にある。更に2011年度は984件(4.6%)と2010年度の801件(前年同期)と比較すると、増加している(図4)。

図4 未公開株に関する年度別相談件数の推移
年度別相談件数の推移のグラフ
(2011年6月10日までの登録分)

月別相談件数

 PIO-NETに寄せられた相談のうち、未公開株に関する相談件数は1,881件(2011年3月〜2011年6月10日までの登録分)である。3月は897件(47.7%)、4月は641件(34.1%)、5月は312件(16.6%)、6月は31件(1.6%)となっている(図5)。

図5 未公開株に関する月別相談件数の推移
月別相談件数の推移のグラフ
(2011年6月10日までの登録分)

契約当事者の属性

 以下は、2011年3月から6月に寄せられた未公開株に関する相談を分析した内容である。
(※以下の項目について、不明・無回答は除く)

  1. (1)年代別に見ると、70歳代が689件(39.8%)と最も多く、次いで60歳代が519件(29.9%)、80歳以上が308件(17.8%)となっており、高齢者が大半を占める(図6)。平均年齢は約70歳である。
  2. (2)男女別に見ると、男性が974件(52.7%)、女性が873件(47.3%)となっている。
  3. (3)職業別に見ると、無職が1,003件(57.9%)と最も多く、ついで家事従事者が415件(24.0%)、給与生活者が203件(11.7%)、自営・自由業が111件(6.4%)と続く(図7)。

図6 年代別
未公開株に関する年代別相談件数割合のグラフ

図7 職業別
未公開株に関する職業別相談件数割合のグラフ




本件連絡先 相談情報部 情報提供課
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

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