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[2011年6月1日:公表]

震災を口実に訪問する貴金属の買い取りサービスにご注意

 2011年3月11日に発生した「東日本大震災」により、広域で多くの被害が生じた。

 全国の消費生活センターや国民生活センター「震災に関連する悪質商法110番」には、「震災の影響で医療機器が不足しており、その材料にするので貴金属を提供してほしい」、「売却代金を義援金の一部にするので貴金属を提供してほしい」などといった相談が寄せられている。

 震災以前より、消費者の自宅を訪問して貴金属等を買い取るサービス(以下、訪問買い取りサービスという)に関する相談は多数寄せられており、国民生活センターにおいて、2010年12月21日に注意喚起を行っているところである。しかし、震災以降、震災を口実に買い取りの勧誘を行い、「震災被害の役に立てば」という消費者の親切心につけこむ悪質なケースが見られるようになっている。このような状況を踏まえ、消費者トラブルの未然防止・拡大防止のために、早急に情報提供する。


PIO-NET(注1)にみる相談の概要

相談件数

 2011年3月11日以降受け付けた震災関連の相談のうち、訪問買い取りサービスに関する相談は、全国で53件寄せられている(2011年5月11日までの登録分)。

契約当事者の属性

 契約当事者の内訳は、以下のとおりである(不明・無回答等は除く)。

(1)年代別

 年代別にみると、40歳代が10件(22.7%)ともっとも多いが、次いで、70歳代が8件(18.2%)、60歳代が7件(15.9%)、80歳代が6件(13.6%)という順で、比較的高齢者が多い(図1)。

図1 年代別
3月11日から5月11日までの年代別相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

 20歳代は3件(6.8%)、30歳代は6件(13.6%)、40歳代は10件(22.7%)、50歳代は4件(9.1%)、60歳代は7件(15.9%)、70歳代は8件(18.2%)、80歳代は6件(13.6%)である。

(2)性別

 性別でみると、男性が6件(12%)、女性が44件(88%)で、女性が圧倒的に多い(図2)。

図2 性別
3月11日から5月11日までの性別相談件数のグラフ。グラフが示す件数と割合は前述の通り。

(3)地域ブロック別

 地域ブロック別にみると、南関東(注2)が19件(36.5%)と最も多く、次いで、北陸及び九州北部が6件(11.5%)と続く。

  1. (注1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと。
  2. (注2)南関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、北陸(富山県、石川県、福井県)、九州北部(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県)。


主な相談事例

【事例1】 心臓ペースメーカーに再利用すると勧誘された
 「震災で不足している心臓ペースメーカーに使うための金属を探している」と訪問があった。業者に言われるままイヤリング等のアクセサリーを約10点売ってしまった。やはり返してほしいと思い、業者が置いていった連絡先に電話したがつながらず、2日後に連絡がつき返却を希望したが、すでに手元にないと言われた。どうしたらよいか。
(契約当事者:年代不明 北海道 女性)
【事例2】 医療器具に再利用すると勧誘された
 「震災で医療器具が大量に必要になった。医療器具を作るための貴金属が足りないので、不用な貴金属を売ってほしい」と自宅に業者が訪問してきた。使っていない銀のブレスレットを100円で売却した。業者から提示された契約書には、「一度売却した商品の取り下げには応じない」という項目があったので、ブレスレットの返却についてはあきらめているが、売却のときに、個人情報も出してしまっているので不安だ。
(契約当事者:30歳代 東京都 女性)
【事例3】 レントゲン機材を作るためと勧誘された
 「レントゲン機材を作るのに金や銀などが不足している。再利用するために貴金属を売ってほしい」と業者が突然訪問してきた。店のある都道府県は地震でひどい状態なので、訪問買い取りをしているという。高価なものは売らなかったが、イミテーションのアクセサリー等を約1万円で売却した。その後、本物のアクセサリーを売らないかという勧誘電話が何度もかかる。どうすればよいか。
(契約当事者:40歳代 茨城県 女性)
【事例4】 募金に協力してほしいと勧誘された
 母が、「被災地への募金に協力してほしい」、「貴金属を換金する」と言って来訪した業者にネックレスを1万円で売ったが、貴金属の受取証や名刺など、相手を特定できるものを何もくれなかったという。どうもおかしい。買い取るとき、母は個人情報を伝えたようだが、悪用も心配だ。
(契約当事者:80歳代 新潟県 女性)


消費者へのアドバイス

震災に便乗したセールストークなど、業者の言うことをうのみにしないこと

 突然訪問してきた業者の言うことが本当のことかどうか、その場で確かめることは難しい。業者の言うことをうのみにせず、慎重に検討すること。

 なお、相談事例の中には、「心臓ペースメーカーが不足している」と勧誘しているケースがみられる。また、心臓ペースメーカー以外にも、注射針やレントゲン機材などさまざまな医療機器の供給不足を例にあげるケースがみられる。しかし、心臓ペースメーカーを含めた医療機器の製造販売事業者においては、震災後一部商品の供給に影響が生じたところもあったようだが、各事業者のウェブサイト等を参照する限り、現在はある程度安定した商品供給が行われており、一般家庭から原材料を集めなければならないほど医療機器の供給が逼迫(ひっぱく)しているわけではないようである。

 一方、「買い取り価格の一部を義援金として被災地に送る」などという勧誘も行われているが、訪問買い取りサービスを行う業者に渡したお金が確実に義援金として送られるかどうかは確かめようがない。

買い取ってもらうつもりがないなら、きっぱりと断ること

 不意に業者の訪問を受けても、買い取ってもらうつもりがなければきっぱりと断ること。いったん業者に渡った貴金属を取り戻すことは大変困難である。貴金属を買い取ってもらう必要があるかどうか、よく考えてから契約すること。

 買い取りを断っても業者に居座られたり、買い取りを強く迫られて怖い思いをしたときには、警察に連絡すること。

消費生活センター等に相談すること

 トラブルにあったら、最寄りの消費生活センター等に相談すること。



被災地の方へ

 「震災に関連する悪質商法110番」の窓口では、悪質商法かどうかにかかわらず、消費生活に関する相談全般を受け付けている。生活の中で不安な点・疑問に思うこと等があれば、遠慮なく電話していただきたい。

  • ※「震災に関連する悪質商法110番」は受付を終了しました。(2011年7月29日)


情報提供先

  • 消費者庁 政策調整課


参考資料 「貴金属等の訪問買い取りサービス」について

震災以前から、全国の消費生活センターや国民生活センターには、訪問買い取りサービスに関するトラブルが多数寄せられています。

過去の公表資料

貴金属の訪問買い取りサービスに関する年度別相談件数

2007年度から2011年度の年度別相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。
(2011年5月11日までの登録分)

 2007年度の相談件数は30件、2008年度は69件、2009年度は137件、2010年度は2307件、2011年度は183件である。

貴金属等の買い取りを依頼する場合には

 来訪した業者に貴金属等の買い取りを依頼する場合は、家族や近所の方に同席してもらうなどし、一人で対応しないようにすること。

 また、契約前に、業者の住所や電話番号を確認するのはもちろんのこと、古物商許可証等の提示を求め、内容を確認し書き留めておくこと。消費者からのこうした要請にきちんと対応しない業者とは契約しないこと。なお、古物商が1万円以上の買い受け時に相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認することは、古物営業法により義務づけられている。

 さらに、買い取り価格の計算根拠や、買い取り条件を確認した上で、それらのことを書面にしてもらい、控えを受け取っておくことも必要である。




本件連絡先 相談情報部 情報提供課
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。

[PDF版] 震災を口実に訪問する貴金属の買い取りサービスにご注意[PDF形式](198KB)
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