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[2011年5月25日:更新]
[2011年5月23日:公表]

「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第3報)
−発生2カ月間における相談の推移−

 2011年3月11日に発生した「東日本大震災」からおよそ2カ月が経過した。地震や津波、原子力発電所の事故等に伴う震災関連の消費生活相談が、発生直後から全国の消費生活センター及び国民生活センター(注1)に多数寄せられている。

 これまで、震災に関する消費生活相談情報については、3月11日から3月27日までに受け付けた相談情報に関して、東北・関東地域の相談を中心に第1報(注2)(3月28日公表)で、また4月10日までの発生1カ月間での状況は、第2報(注3)(4月15日公表)にまとめている。

 今回の第3報は、発生から2カ月間の相談について、時期別、被災地とそれ以外の地域等にわけた地域別で、どのような特徴があるのか等を中心に速報としてまとめ、情報提供する。


PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)(注4)にみる相談の概要

相談件数

 PIO-NETでは、「東日本大震災」当日から震災関連の相談(注5)が全国から寄せられ、3月11日から5月10日までの2カ月間で12,605件となっている(5月11日現在)(注6)。

 地域が不明・無回答の247件を除いた12,358件を、受付日別におおよそ10日単位(注7)で6期間に区切って、地域別にみていく。

 「3月11日〜20日」の総件数は3,818件、「3月21日〜31日」は4,539件、「4月1日〜10日」が1,653件、「4月11日〜20日」が1,505件、「4月21日〜30日」が689件、「5月1日〜10日」が154件であった(図1参照)。

  1. (注1)3月27日より被災地域を対象として「震災に関連する悪質商法110番」を実施している。
  2. (注2)「東北地方太平洋沖地震」関連で寄せられた消費生活相談情報(第1報)−東北・関東地域の相談を中心に−
  3. (注3)「「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第2報)−発生1カ月間にみる相談の推移−
  4. (注4)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと。
  5. (注5)相談に至る経緯や端緒に東日本大震災が関連している相談情報。
  6. (注6)2011年5月11日までの登録分。なお、受付日と登録日には時間差があるため、直近の受付日分はまだ未登録のものが多数あり、今後増加することが予想される。
  7. (注7)今回は、特別に集計期間を月ベースより小さな単位としている。

図1 相談件数の推移
3月11日から5月10日までの被災地4県、北海道・東北、関東、その他地域における相談件数の推移のグラフ。グラフが示す件数は前述の通り。グラフに続いて本文による傾向の説明。
*不明・無回答を除く。

 2カ月が経過した現時点においては、時期別の相談件数は震災発生から半月ほど経過する時期が最も多かった。そして、4月に入ると、全国の総件数は大幅に減少している。

 ただし、国民生活センターが3月27日より実施している「震災に関連する悪質商法110番」の対象である、「被災地4県(岩手県、宮城県、福島県、茨城県(一時的に他の地域へ避難している場合も含む))」と、「北海道・東北地域(被災地4県対象県を除く)」(注8)、「関東地域(被災地4県対象県を除く)」(注9)、それ以外の「その他地域」(注10)と、地域を4つにわけると、件数の推移には、図1に示すとおり、大きな違いがみられる。

 震災発生直後の「3月11日〜20日」や「3月21日〜31日」の期間は、物資不足や計画停電の影響が及んだ、人口の多い関東の件数が、他と比べ圧倒的に多く、全体に占める割合も、5割前後であった。また、「3月11日〜20日」は被災地4県や北海道・東北よりも、その他地域のほうが多い。

 4月以降、関東、その他地域の相談件数がかなり減少している一方、全体に占める被災地4県の割合は徐々に大きくなってきており、「4月11日〜20日」には、全体の5割になっている。

 以上のように、震災の直接的な、あるいはより深刻な影響が及んでいる被災地4県からは、多少時間が経過してから相談が寄せられるようになってきている。

  1. (注8)北海道、青森、秋田、山形が該当。
  2. (注9)栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川が該当。
  3. (注10)甲信越、北陸、東海、近畿、山陰、山陽、四国、九州北部、九州南部・沖縄、在外邦人、外国人が該当。

時期別・地域別の相談全体に占める震災関連相談

 図2に、時期別・地域別に寄せられた震災関連の相談を、同期間の消費生活相談全体に占める割合で示した。

 「3月11日〜20日」は、被災地4県の相談は、4県の消費生活相談全体のなかで63.2%を占めている。それに対し、北海道・東北は37.5%、関東は33.1%、その他地域は7.2%と、地域によって震災が与える影響には明確な差があることがわかる。

図2 時期別・地域別の消費生活相談全体に占める割合
3月11日から5月10日までの被災地4県、北海道・東北、関東、その他地域での消費生活相談全体に占める割合のグラフ。グラフが示す割合と傾向は前述とグラフに続く本文の通り。

 「3月21日〜31日」は、震災発生後2カ月間のうち、図1のとおり相談件数が最も多い期間であったものの、北海道・東北、関東、その他地域の3地域においては、震災関連の相談割合は発生直後と比較し、小さくなっている。一方で、被災地4県は65.3%とやや大きくなっている。

 4月以降、どの地域も消費生活相談全体に占める震災関連の割合は、それぞれ徐々に小さくなっている。とくに、被災地4県を除く3地域では、1割前後、またはそれを下回るレベルとなって、通常の消費生活相談が多くを占めるようになってきている。ただ、被災地4県に目を向けると、3月よりは割合は小さくなっているものの、依然として震災に関わる相談が全体の5割程度のままである。

 5月に入った現段階では、被災地4県、北海道・東北においては、やや増加の兆しがみえる。

時期別・地域別の上位商品

 「3月11日〜20日」から「4月21日〜30日」までの5期間について、それぞれ表1-1〜5で、地域別の上位商品(注11)を挙げた。

(1)「3月11日〜20日」

 震災発生直後は、どの地域も「ガソリン」が上位で、そのほか北海道・東北の「灯油」、関東の「米」と同様、物資不足に関する相談が目立つ。また、その他地域では、震災が起きたため、契約をキャンセルしたいというような「国内パックツアー」、ほかには、義援金に関する「募金」が上位となっている。

  1. (注11)表中の「商品一般」は、商品を特定できない、あるいは特定する必要のない相談。「相談その他」は、たとえばチェーンメールや労働問題等に関する相談。「役務その他サービス」は、たとえばキャンセル料、掲載サービス等の相談。「保健衛生品その他」は、たとえばマスクや放射能測定器等が含まれる。
表1-1 3月11日〜20日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品
1ガソリン25739.7
2相談その他284.3
3工事・建築264.0
4修理サービス253.9
5不動産貸借203.1
6フリーローン・サラ金162.5
7他の行政サービス132.0
東北
順位商品
1ガソリン27959.0
2灯油428.9
3商品一般143.0
4航空サービス91.9
5四輪自動車71.5
5他の行政サービス71.5
5電気71.5
関東
順位商品
1ガソリン47523.3
2電気1748.5
3不動産貸借864.2
3864.2
5工事・建築663.2
6海外パックツアー623.0
7商品一般572.8
その他地域
順位商品
1国内パックツアー8913.5
2相談その他416.2
3ガソリン243.7
4募金223.3
5デジタルコンテンツ203.0
5不動産貸借203.0
7バスサービス192.9

(2)「3月21日〜31日」

 この時期は、「ガソリン」の相談割合は小さくなってきているが、関東では計画停電実施の影響で、「電気」がトップとなった。また、原発事故の影響で、「ミネラルウォーター」、「水道水」、「野菜」等の放射性物質に関連する相談が上位にきている。

表1-2 3月21日〜31日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品
1ガソリン25019.1
2不動産貸借15812.0
3工事・建築836.3
4修理サービス695.3
5フリーローン・サラ金433.3
5相談その他433.3
7野菜352.7
東北
順位商品
1ガソリン13638.7
2灯油339.4
3野菜144.0
4不動産貸借92.6
5他の行政サービス72.0
5募金72.0
7フリーローン・サラ金61.7
関東
順位商品
1電気1939.1
2ガソリン1848.7
3ミネラルウォーター1477.0
4工事・建築1286.1
5不動産貸借1165.5
6水道水733.5
7野菜602.8
その他地域
順位商品
1工事・建築516.7
2ミネラルウォーター405.2
3不動産貸借334.3
4野菜273.5
5商品一般263.4
5電池263.4
7相談その他253.3

(3)「4月1日〜10日」

 4月上旬は、賃貸住宅に関する「不動産貸借」や、主に住宅の補修に関する「工事・建築」がどの地域でも上位となった。被災地4県では、この時期から「火災保険」が上位にきている。また、震災の影響で新車の納車が遅れている、津波で流されたので中古車を購入したが高額であった等の「四輪自動車」も各地域で上位にきている。

表1-3 4月1日〜10日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品
1不動産貸借9014.2
2工事・建築599.3
3修理サービス355.5
4他の行政サービス284.4
5四輪自動車264.1
6フリーローン・サラ金243.8
7火災保険182.8
東北
順位商品
1不動産貸借68.7
2フリーローン・サラ金45.8
2四輪自動車45.8
2募金45.8
5ガソリン34.3
6修理サービス22.9
6野菜22.9
関東
順位商品
1工事・建築6710.1
2ミネラルウォーター578.6
3不動産貸借426.3
4修理サービス243.6
5他の健康食品213.2
6相談その他142.1
7野菜132.0
その他地域
順位商品
1工事・建築279.4
2四輪自動車113.8
3デジタルコンテンツ103.5
4ミネラルウォーター93.1
5コンサート82.8
5他の健康食品82.8
5野菜82.8

(4)「4月11日〜20日」

 4月中旬は、前の期間と同様に、「不動産貸借」、「工事・建築」、「修理サービス」が被災地4県および関東で上位を占めるなか、震災に関する情報をきっかけにして出会い系サイトに誘導されるといったような、「デジタルコンテンツ」が被災地4県以外の地域で上位にきている。その他地域では、「ファンド型投資商品」が上位にみられるようになったが、これは主に震災に便乗して投資を勧誘する内容である。

表1-4 4月11日〜20日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品
1不動産貸借8313.8
2工事・建築7011.6
3修理サービス518.5
4相談その他223.6
5他の行政サービス213.5
6フリーローン・サラ金183.0
7火災保険162.7
東北
順位商品
1四輪自動車45.7
1商品一般45.7
3デジタルコンテンツ34.3
3募金34.3
5タバコ用品22.9
5フリーローン・サラ金22.9
5ミネラルウォーター22.9
関東
順位商品
1工事・建築539.2
2ミネラルウォーター437.5
3不動産貸借396.8
4修理サービス335.8
5野菜193.3
6火災保険152.6
7デジタルコンテンツ142.4
その他地域
順位商品
1工事・建築145.4
1募金145.4
3四輪自動車124.6
4デジタルコンテンツ93.5
4不動産貸借93.5
6タバコ用品72.7
6ファンド型投資商品72.7

(5)「4月21日〜30日」

 4月下旬は、全体の傾向は大きく変わらないが、被災地4県における「工事・建築」の割合が大きくなってきており、被災地ではようやく復興に向けて住宅補修に着手する状況になってきていることがうかがえる。

表1-5 4月21日〜30日の地域別上位商品
被災地4県
順位商品
1工事・建築5214.9
2不動産貸借5114.7
3修理サービス205.7
4他の行政サービス174.9
5火災保険164.6
6相談その他133.7
7フリーローン・サラ金123.4
東北
順位商品
1フリーローン・サラ金421.1
2エステティックサービス210.5
2不動産貸借210.5
4工事・建築15.3
4コンサート15.3
4四輪自動車15.3
4プロパンガス15.3
関東
順位商品
1工事・建築2110.0
2修理サービス146.6
3不動産貸借104.7
4ミネラルウォーター73.3
4商品一般73.3
4保健衛生品その他73.3
7役務その他サービス62.8
その他地域
順位商品
1四輪自動車98.1
2工事・建築87.2
3募金65.4
4野菜54.5
5ファンド型投資商品43.6
6デジタルコンテンツ32.7
6ミネラルウォーター32.7


主な相談事例

 震災発生から2カ月経っても生活に関する相談は多いが、ここでは1カ月経過以降に寄せられたもののうち、震災に便乗した悪質商法と思われる、最近の相談を挙げる。

【事例1】住宅補修
 震災で、家が10数センチ傾いたので、地震保険の申請をしたところ、保険会社の担当者が建築業者を連れて訪問してきた。建築業者が建物の外見を見て「ボーリング工事が必要で700万円くらいかかる」と言うので、高額だと思い、話だけを聞いて申し込みはしなかった。昨日、連絡があったので断ったら、「すでに手配をした」と言われ、9万円の請求を受けた。
(福島県、60歳代、男性)
【事例2】放射線測定器
 震災後、インターネット通販で購入した放射線測定器が届かない。業者に連絡がつかず、ホームページ上も休止になっている。どうしたらよいか。
(福島県、40歳代、女性)
【事例3】貴金属の買い取り
 古物商を名乗る業者から、「被災地の医療器具に使う金・銀が不足しているため、ネックレスなどの貴金属アクセサリー類を買い取りたい」と電話があった。業者名や古物商の許可番号等を聞いたら渋々答えたが、本当に医療用に使われるかもわからず、不審。
(山形県、30歳代、女性)
【事例4】政府事業への投資
 「震災に伴い、政府事業で被災地の人工透析患者救済のため、100万円を投資すれば、年4%の利子と、3カ月に1回1万円を支払うという制度ができた。明日、あなたの家にお伺いして説明したい」との電話があったが、不審。
(大阪府、60歳代、女性)
【事例5】募金
 近所の一人暮らしの80歳代女性から、「公的団体を名乗る団体から封書がきて、東日本大震災への義援金をお願いしますとあった。どうしたらよいか」と相談された。公的機関が直接個人宛てに封書で義援金を募るということがあるのだろうか。便乗した詐欺ではないか。
(鹿児島県、80歳代、女性)
【事例6】迷惑メール
 震災後、「あなたの居住地での放射線量の数値が上がっている」等という内容のメールがきて「除去する方法はこちらから」といった文言をクリックしたら、出会い系サイトの登録画面につながった。それをきっかけに、迷惑メールが1日に100通以上くるようになったので、対処法を知りたい。
(東京都、30歳代、男性)
【事例7】広告
 「名刺広告について確認したい」と、数日前から断っているのに繰り返し電話勧誘があり、昨日「掲載承諾契約書」が届いた。その契約書には「東日本大震災被災者支援キャンペーン」のための広告と書かれていた。「3万円のところを1万円にするから」と、契約を迫る電話が執拗にある。どうしたらよいか。
(富山県、80歳代、男性)


まとめ

被災地からの相談は今なお多く寄せられている

 全国の相談件数は、震災直後と比較し、4月以降徐々に減っているが、被災地からの相談は今なお多く寄せられている。

発生直後に多かった生活物資に関する相談は徐々に減少

 震災直後に非常に相談が多かった、主な内容が物資不足についての「ガソリン」や、計画停電についての「電気」を代表とする生活に直結する相談は、時間とともに減少している。一方、住宅の補修等の「工事・建築」、「修理サービス」、賃貸住宅についての「不動産貸借」は、主に被災地で増えてきている。

原発事故の影響に関する相談は依然として続く

 「野菜」、「ミネラルウォーター」等、原発事故の影響での放射能に関わる相談は、依然として上位にきている。

最近では震災に便乗していると思われる商法の相談もみられる

 全体の件数は落ち着いてきているが、とくに被災地以外では、たとえば被災地への支援の心情を利用した、また放射能への不安に付け込んだ等の、震災に便乗して勧誘する商法の相談が目立つようになってきたので、注意が必要である。



被災地の方へ

 国民生活センターでは、3月27日より悪質商法かどうかにかかわらず、消費生活に関する相談全般を受け付けている。生活の中で不安な点・疑問に思うことなどがあれば、遠慮なく「震災に関連する悪質商法110番」まで電話していただきたい。

  • ※「震災に関連する悪質商法110番」は受付を終了しました。(2011年7月29日)


情報提供先

  • 消費者庁 消費者情報課
  • 消費者庁 地方協力課



本件連絡先 相談情報部 情報提供課

[PDF版] 「東日本大震災」で寄せられた消費生活相談情報(第3報)−発生2カ月間における相談の推移−[PDF形式](256KB)
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